AGA治療に医療費控除は適用外!薄毛治療で控除を受けられるケースとは
AGAは男性に見られる代表的な脱毛症です。AGAは進行型の脱毛症なので発症した場合、長期にわたって治療を続ける必要があります。しかし、AGAの治療は医療費控除の対象とはならないため注意が必要です。
こちらの記事では、AGA治療が医療費控除の対象とならない理由や、例外的に医療費控除を受けられる場合について解説しています。AGAの医療費控除にまつわるQ&Aや、医療費控除が受けられない場合のAGA治療費の目安についても紹介しているのでお役立て下さい。
AGA治療で医療費控除を受けるのが難しい理由
AGA治療で医療費控除を受けるのが難しい理由について理解するためには、そもそも医療費控除がどのような制度なのかについて知っておく必要があります。国税庁のホームページでは、医療費控除について次のように説明しています。
申告する方やその方と生計を一にする配偶者その他の親族のために、令和〇年(筆者補足)に支払った医療費がある場合は、次のとおり計算した金額を医療費控除として、所得金額から差し引くことができます。
(令和〇年に支払った医療費-保険金などで補填される金額)-10万(注)=医療費控除額(最大200万円)
所得の合計額が200万円以下の方の場合、10万円ではなく所得の合計額×5%を引いたものが医療費控除額となります。AGA治療で医療費控除を受けるのが難しいのは、AGAが病気ではないからです。
医療費控除は病気の治療に対して適用される
医療費控除はそもそも、放っておくと命にかかわるような病気や、日常生活に重大な支障をもたらすようなケガの治療に対して適用されるものです。医療費控除の対象となる医療費としては、以下のような例が挙げられます。
- 医師または歯科医師の診療または治療の対価
- 治療または療養に必要な医薬品の購入の対価
- 病院や診療所を始めとした施設に収容されるための、人的労務の提供の対価
- あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・柔道整復師による施術の対価
- 看護師や保健師による療養上の世話の対価
- 助産師による分娩の介助の対価
- 介護福祉士などによる喀痰吸引や経管栄養の対価
- 介護保険などによる施設や居宅サービスにかかった費用
- 通院費や入院費、医療器具などの購入費用
- 治療のために必要な義手や義足、義歯、補聴器などの費用など
医療費控除の対象となるのは、上記のように病気やケガの治療(施術)もしくは治療に必要となる医薬品、サービスなどに支払った対価となります。
AGA治療は美容目的の自由診療のため医療費控除の対象外
医療費控除はそもそも、病気やケガの治療にかかった費用などを対象としています。AGAは命にかかわるような病気やケガではなく、美容目的の自由診療に分類されます。そのため、AGAは医療費控除の対象とならないのです。他にも次のような症状の治療および検査は医療費控除の対象外となっています。
診療科 | 診療内容 |
美容外科 | 美容整形・脂肪吸引・二重手術など |
歯科 | 審美目的の治療(歯列矯正・ホワイトニングなど) |
内科 | 内視鏡検査・人間ドックなど |
眼科 | レーシック手術など |
脳神経外科 | MRI検査・脳ドックなど |
医療費の定義は診療や入院にかかる費用とされますが、AGAの治療は見た目をよくするための治療であるため、医療費の定義には当てはまらないと考えられているのでしょう。所得税法においても、容ぼうを変えるなどの費用は、医療に該当しない旨が記載されています。
AGA治療は健康保険も適用外となる
AGA治療は医療費控除の対象外となるだけでなく、原則として健康保険が適用されることもありません。AGAの治療に健康保険が適用されない理由は、AGA治療が自由診療に分類される治療だからです。
厚生労働省によると、自由診療は医療保険が適用されない治療や薬剤による治療行為とされています。例えば医療現場でよく使われている丸山ワクチンは、ガンに対して効果があると分かってきています。
しかし、丸山ワクチンに関しては厚生労働省による健康保健適用の承認が下りていないため、治療にかかる費用は全額自己負担となっています。AGAの治療も自由診療に分類される治療行為であるため、治療や検査料金、医薬品代などすべて自己負担となります。
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薄毛治療で医療費控除を受けられるのはどんなとき?
薄毛の種類はAGA以外にもたくさんあるのですが、ほとんどの薄毛治療は美容目的と解釈されます。そのため、原則として健康保険が適用されることはありません。また、医療費控除の対象にもなりません。
仮に抗がん剤治療による副作用で髪の毛が抜け落ちたとしても、医療費控除は受けられないケースがほとんどとなっています。ただし、以下のような場合は例外的に医療費控除の対象となる可能性があります。
- 円形脱毛症の場合は医療費控除の対象となる
- 疾患やケガによる薄毛と税理士や税務署に判断された場合
それぞれについて解説します。
円形脱毛症の場合は医療費控除の対象となる
脱毛症の中でも、円形脱毛症に関しては、治療にかかった費用が医療費控除の対象となる可能性があります。円形脱毛症は、全身性エリテマトーデス(SLE)や関節リウマチ、強皮症(きょうひしょう)などと同じく、自己免疫疾患の一種と考えられています。
そのため、円形脱毛症の治療には健康保険が適用され、医療費控除の対象にもなるのです。そのため、AGAと円形脱毛症を併発しているのであれば、円形脱毛症の治療にかかった分の治療費は、医療費控除の対象となります。ただし、同じ治療院でAGAと円形脱毛症を同時に治療することはできないため注意が必要です。
疾患やケガによる薄毛と税理士や税務署に判断された場合
脱毛症が疾患やケガに起因すると税理士、もしくは税務署に判断された場合、医療費控除を受けられる可能性があります。健康保険の適用に関して言えば、医療機関によって保険適用が左右されることはありません。
しかし、医療費控除に関しては医師ではなく、税理士や税務署の所轄事項となっています。そのため、疾患やケガによって薄毛を発症したと判断されれば、医療費控除が受けられる可能性もあるのです。
そもそも、疾患やケガに伴う脱毛症に関して、明確な判断基準はありません。そのため、自分の薄毛治療にかかった費用が医療費控除の対象になるのか分からない場合、所轄の税務署に問い合わせてみると良いでしょう。
AGAの医療費控除にまつわるQ&A
AGAは進行型の脱毛症なので、根気よく治療を続ける必要があります。最近はジェネリックのAGA治療薬も販売されているので、現状維持目的であれば年間の費用を50,000円程度に抑えられる可能性もあります。
ただ積極的に発毛治療を行う場合や、自毛植毛を行う場合などは、年間に数十万円から100万円かかることも珍しくありません。そこで、AGAの医療費控除に関してよくある2つの質問についてご紹介します。
AGA治療薬のミノキシジルの医療費控除は?
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として、1960年代のアメリカで開発されました。ところが、ミノキシジルを服用した方の多くに発毛や多毛症といった副反応が見られたため、低用量のミノキシジル外用薬が開発・製造されました。
ミノキシジルには発毛シグナルを促進する作用があり、厚生労働省からも発毛効果がある数少ない有効成分として認められています。ただミノキシジル外用薬は、自由診療であるAGA治療に用いられる医薬品であるため、健康保険が適用されません。当然のことながら、医療費控除も対象外となっています。
女性の薄毛治療も医療費控除は受けられない?
薄毛と言うと男性のお悩みのように思われる傾向があるのですが、女性の中にも薄毛に悩まされている方が少なくありません。医療費控除に関して申し上げますと、男性の薄毛治療同様、女性の薄毛治療に関しても医療費控除が適用されることはありません。
ただし、先述の通り円形脱毛症に伴う薄毛と判断された場合、円形脱毛症の治療範囲で医療費控除を受けられる可能性があります。自分の薄毛が円形脱毛症によるものかどうか判断できない場合は、できるだけ早めに専門医の診断を受けることが重要です。
医療費控除が適用されないAGAの治療費はどれくらい?
ここまでの解説でもお分かりのように、AGA治療に関しては健康保険が適用されないだけでなく、医療費控除が適用されることもありません。そのため、AGA治療にかかる費用はすべて自己負担となります。
ただ自由診療の場合、病院やクリニックごとに治療費や薬価が異なっているのが一般的です。そこで、AGA治療にかかる費用の目安について、以下の表で簡単にご紹介します。
初診料 | 0円~5,000円 |
再診料 | 1,000円~3,000円 |
検査料 | 5,000円~10,000円(治療を受ける場合は無料のケースも) |
薬代 | 現状維持目的:4,500円~7,000円 発毛促進目的:7,500円~12,000円 |
AGAの1ケ月あたりの治療費は、平均すると15,000円〜30,000円が相場となっています。ただ、最近ではオンライン診療でジェネリックだけ処方するクリニックもあるため、1ケ月の治療費を5,000円程度に抑えられる可能性もあります。
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AGA治療に関するご相談なら
AGAの治療は美容整形や歯列矯正などと同様、審美目的で行われるため、健康保健や医療費控除が適用されません。そのため、継続して治療を受けられるクリニックを選ぶことが重要といえるでしょう。
新宿AGAクリニックでは、現状維持目的の治療であれば、1ケ月あたり4,620円から受けていただくことが可能です。また、初月は1,800円からAGA治療をお試し頂けるので、治療を受けるかどうかお悩みの方は、試しに1ヶ月だけAGA治療を受けてみる方法もあります。
治療法に関するご質問や、費用に関するご相談などは無料カウンセリングで何でも承っております。ご予算の範囲で最大限の治療効果を出せるよう、私たちと二人三脚で症状の改善に取り組んでいきましょう。
【監修者】
大藪顕(新宿AGAクリニック院長)
経歴
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長
多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
資格
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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