フケに湯シャンは効果的?フケの量や臭いの変化、正しいやり方について解説
毎日の洗髪にはシャンプーを用いるのが一般的ですが、近年では頭皮環境を改善する目的で湯シャンを取り入れる方が増加傾向にあります。そもそもシャンプーの目的は頭皮や髪の毛の洗浄であり、頭皮環境の改善・維持ではありません。
頭皮への刺激が少ない湯シャンに切り替えると、気になるフケを改善・予防する効果が期待できます。
こちらの記事では、湯シャンがフケ解消に効果的な理由や正しいやり方、続ける際に注意したいポイントについて解説します。フケが止まらないことに悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
湯シャンとは?
湯シャンは、お湯もしくはぬるま湯だけで頭皮や髪の毛を洗う洗髪方法です。湯シャンの特徴は、シャンプーやリンス、コンディショナーなどのヘアケア用品を用いない点にあります。
市販のシャンプーの多くは髪の毛や頭皮を洗浄するための商品であり、頭皮環境の改善や維持を目的とはしていません。
そのため、人によってはシャンプーに含まれている成分が頭皮にとっての負担となり、頭皮環境の悪化を引き起こす可能性があります。
湯シャンを行うとシャンプーに含まれる成分による頭皮のダメージが避けられるため、頭皮環境の改善・維持が期待できます。
すべての方におすすめできる方法ではありませんが、市販のシャンプーで毎日洗髪しているにもかかわらず頭皮のかゆみや赤みが出る方には効果的です。
湯シャンがフケ解消に効果的なのはなぜ?
湯シャンは、頭皮へのダメージを防ぐ新しい洗髪法の1つです。特に、以下4つの理由からフケの解消に効果的と考えられています。
- 乾燥フケの予防ができる
- 頭皮への刺激が少ない
- 皮脂の過剰分泌を抑える
- 頭皮環境を整える
はじめに、湯シャンがフケ解消に効果的とされる4つの理由について解説します。
乾燥フケの予防ができる
湯シャンは、乾燥フケの予防に効果的な洗髪法です。フケには乾性フケと脂性フケの2種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
乾性フケ |
脂性フケ |
|
大きさ |
小さい |
大きい |
色 |
白っぽい |
黄色っぽい |
状態 |
カサカサしている |
ベタベタしている |
目立つ箇所 |
襟元や肩口 |
頭皮や髪の毛の根元 |
乾性フケは主に頭皮の乾燥によって生じますが、原因の1つが洗浄力の強すぎるシャンプーです。頭皮の表面には角質内部の水分蒸散を防ぐための皮脂膜が存在しています。
しかし、洗浄力が強すぎるシャンプーで洗髪すると、皮脂膜が失われて角質内部の水分が蒸散し、頭皮の乾燥を引き起こしやすくなるのです。
湯シャンはお湯やぬるま湯で洗髪するため、頭皮を守るべき皮脂を洗い流すリスクが低いというメリットがあります。
頭皮への刺激が少ない
湯シャンは市販のシャンプーやコンディショナーを使用しない洗髪法のため、頭皮への刺激が少ない点が特徴です。
市販のシャンプーやコンディショナーに含まれる成分で頭皮が刺激されると、頭皮環境が悪化してターンオーバーの乱れを引き起こしやすくなります。
ターンオーバーの周期が短くなると未熟な角層が剥がれ落ち、乾性フケが目立ちやすくなります。
一方、ターンオーバーの周期が長くなり、本来であれば剥がれ落ちるべき角質が表皮に留まると、皮脂と混じり合い脂性フケが増えがちです。
湯シャンは頭皮への刺激が少なく、ターンオーバーの周期を乱しにくいため、乾性フケ・脂性フケの両方を予防する効果が期待できます。
皮脂の過剰分泌を抑える
湯シャンを行うと皮脂の過剰な分泌の抑制につながります。皮脂の過剰分泌にはいくつか原因がありますが、洗浄力の強いシャンプーもその1つです。
洗浄力の強いシャンプーで洗髪すると、頭皮を守るべき皮脂膜が失われます。頭皮を守るべき皮脂膜が失われると、バリア機能を維持するためかえって皮脂の分泌量が増加するケースが少なくないのです。
自分ではオイリー肌と思っている方のなかには、角質内部の乾燥により皮脂の過剰な分泌を招いているインナードライ肌の方も少なくありません。
おでこや鼻筋などのTゾーンはテカっているのに、目や口のまわりなどは乾燥している方は、インナードライ肌の可能性があります。
頭皮環境を整える
湯シャンでフケを予防できる理由の1つが、頭皮環境を整えられるためです。頭皮環境の悪化はさまざまな原因で起こりますが、不適切な頭皮ケアがそのうちの1つです。
湯シャンは頭皮への刺激が非常に少ない洗髪法のため、市販のシャンプーなどで乱れた頭皮環境を整え、フケを予防・改善する効果が期待できます。
湯シャンを続けるとフケはどうなる?
市販のシャンプーを使わずに湯シャンを続けた場合、フケの量や頭皮の匂いに変化が出始めます。ここでは、湯シャンによりフケの量や頭皮の匂いがどのように変化するのか解説します。
フケの量
湯シャンを続けると頭皮環境が整うため、フケの量を減らす効果が期待できます。ただし、肌質によっては効果が実感できない可能性もあります。
例えば、あまりにも皮脂の分泌量が多い方の場合、湯シャンだけでは十分に皮脂を落とすことができず、かえって脂性フケが増加する恐れがあるため注意が必要です。
乾燥肌の方に関しても、すぐにフケの量が減るとは限りません。フケは角質細胞が剥がれ落ちたものであり、正常なヘアサイクルであれば非常に小さいため目で見ることができません。
湯シャンによってヘアサイクルが整うまでには数週間から数ヶ月程度かかるため、根気強く取り組むことが重要です。
頭皮の匂い
湯シャンを続けて頭皮環境が整うと、不快な匂いを予防・改善できる可能性があります。頭皮に匂いが生じる原因の1つが皮脂や汗です。
皮脂や汗は本来無色透明なのですが、皮膚の常在菌によって皮脂や汗のアミノ酸やたんぱく質が分解されると、独特の臭気を放ちはじめます。
つまり、過剰な皮脂や汗の分泌を抑制できれば、頭皮の匂いを予防・改善できるわけです。湯シャンを続けると皮脂の分泌量を抑制できるため、頭皮の匂いを改善する効果が期待できます。
ただし、大量に汗をかく方や脂性肌の方、スタイリング剤を使用する方は逆効果になる恐れもあるため注意が必要です。
湯シャンの正しい方法とは?
湯シャンによって頭皮環境を整え、皮脂の分泌量を抑制するためには、以下の手順を守って正しく洗髪する必要があります。
- 湯シャンの前にブラッシングをする
- ぬるま湯で流す
- 頭皮をマッサージするように洗う
- トリートメントで保湿をする
- ドライヤーでしっかり乾かす
ここでは、湯シャンの正しいやり方のポイントについて解説します。
湯シャンの前にブラッシングをする
湯シャンを行う前に、必ずブラッシングをしておきましょう。湯シャンはシャンプーを使わずに洗髪する方法のため、ブラッシングをしておかないと洗髪中に髪の毛が絡み、切れ毛や抜け毛のリスクを高める恐れがあります。
湯シャンの前にブラッシングをしておけば髪の毛への指通りが良くなるうえ、湯シャンの前にある程度の汚れやほこりを落とすことが可能です。
ただし、強い力でブラッシングしてしまうと、かえって髪の毛や頭皮にダメージが加わるため気を付けましょう。ブラッシングにはクッション性のあるブラシを利用するのがおすすめです。
クッション性のあるブラシを使うと頭皮にかかる負担が少なく、適度に頭皮を刺激して血行を促進する効果が期待できます。
ぬるま湯で流す
ブラッシングを終えたら髪の毛だけでなく頭皮をしっかりと予洗いしましょう。お湯の温度は38〜40℃に設定するのがポイントです。
40℃以上の熱いお湯で洗うと頭皮を守る皮脂まで洗い流してしまう恐れがあります。反対に、湯温があまりにも低すぎると古い皮脂が頭皮に残ってしまうため注意が必要です。
頭皮をマッサージするように洗う
湯シャンを行う際のポイントの1つが、髪の毛ではなく頭皮を洗う点です。市販のシャンプーで行う洗髪のように、髪の毛をゴシゴシと洗う必要はありません。
また、湯シャンを行う際には頭皮マッサージをするように、指の腹で優しく洗うのがポイントです。爪の先や指で洗うと頭皮を傷つけ、かえって頭皮環境を悪化させる恐れがあるため気を付けてください。
頭皮マッサージのコツは指で頭皮を擦るのではなく、指の腹で頭皮を動かすように洗うことです。指で頭皮を擦ると摩擦によるダメージが生じるため、頭皮自体を動かすイメージを大事にしましょう。
トリートメントで保湿をする
湯シャンを終えたらトリートメントで保湿しましょう。湯シャンだけで洗髪を終えると髪の毛に必要な油分が不足し、パサつきやうねりが生じる恐れがあります。
ただし、トリートメントを使用する際には頭皮に付着しないよう気を付けてください。トリートメントの油分が頭皮に付着すると、かえって頭皮環境を悪化させる恐れがあります。
トリートメントは髪の毛の中間から毛先にかけて用いるのがポイントです。そもそも髪の毛の根元は生えてきたばかりの髪の毛なので、トリートメントで保護する必要がありません。
ドライヤーでしっかり乾かす
湯シャンを終えたらドライヤーでしっかりと乾かしましょう。髪の毛や頭皮がぬれている時間が長いと、雑菌が繁殖する温床となり、不快な匂いを生じるリスクが増加します。
ドライヤーは頭皮から20センチメートルほど離し、髪の毛を手で持ち上げるようにして根元から乾かすのがポイントです。8割ほど乾いたら冷風に切り替えて仕上げましょう。
湯シャンを行う際に注意するポイントは?
湯シャンを続けて頭皮環境を改善するためには、以下の3点を押さえておく必要があります。
- いきなり湯シャンに切り替えない
- 手に脂がついている場合はタオルで拭き取る
- 効果が出るまで毎日続ける
ここでは、湯シャンを行う際に注意したい3つのポイントについて解説します。
いきなり湯シャンに切り替えない
湯シャンは頭皮環境を整え、フケの改善・予防が期待できる洗髪法です。しかし、毎日シャンプーで洗髪していた方が、いきなり湯シャンに切り替えるのはおすすめできません。
シャンプーを使った洗髪になれていると、湯シャンだけに切り替えることで汚れや皮脂が落ちている気がせず、ストレスになる可能性があります。
はじめは週に1〜2回湯シャンで髪の毛や頭皮を洗い、慣れてきたら湯シャンの回数を増やしていくのがおすすめです。
手に脂がついている場合はタオルで拭き取る
湯シャンを行う前には、手を洗って清潔にしておきましょう。手に脂が付着していると湯シャンをしても、いつまでも頭皮が落ちないように感じる可能性があります。
ハンドソープで手を洗ったら清潔なタオルでふき取っておくのがポイントです。手を清潔にしておけば、手の汚れや細菌が頭皮に付着するリスクも減少します。
効果が出るまで毎日続ける
湯シャンには頭皮環境を整え、フケを予防・改善する効果が期待できます。しかし、頭皮環境が数日で良くなることはありません。
ターンオーバーはおよそ年齢×1.5日で繰り返されるため、効果が出るまで根気強く湯シャンを続けるのがポイントです。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
湯シャンは頭皮環境を整え、フケの予防・改善が期待できる洗髪方法の1つです。正しいやり方で続けるとシャンプーを使用しなくても良好な頭皮環境を保つことが可能です。
市販のシャンプーで毎日洗髪しているにもかかわらず頭皮のかゆみや赤みが出る方は、記事を参考に湯シャンを試してみるのがおすすめです。
シャンプーのやり方を変えてもフケが治まらない方は、新宿AGAクリニックまでご相談ください。新宿AGAクリニックでは、無料カウンセリングで髪の毛や頭皮に関するお悩みにお答えしています。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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