フケの対処は皮膚科に行くべき?効果的なシャンプーや薬について解説
フケは誰にでも見られる生理現象の一種ですが、あまりにも目立つ方はフケ症を発症している可能性が疑われます。フケ症を治療するには皮膚科を受診して薬物療法を行うのが一般的ですが、抜け毛をともなう際にはAGAクリニックの受診がおすすめです。
こちらの記事では、皮膚科でのフケ治療に用いられる医薬品の種類や、予防するためのセルフケアのやり方、フケと薄毛・AGAとの関係性について解説しています。男女を問わずフケや抜け毛にお悩みの方は参考にしてください。
目次
フケが治らない時は、何科に行くべき?
フケは表皮の角質細胞が剥がれ落ちたもので、誰にでも見られる生理現象の一種です。角質細胞は非常に小さいため、通常はフケとなって剥がれ落ちても目には見えません。
しかし、あまりにも多くのフケが目立つ方は、頭部粃糠疹(ひこうしん)や脂漏性皮膚炎を発症している可能性が疑われます。
頭部粃糠疹の発症初期には、髪の毛をブラシでとかした際に、肩口や襟元にパラパラとフケが落ちてくる程度です。症状が進行すると肩口や襟元だけでなく、枕も真っ白になり部屋中にフケが目立ちはじめます。
かゆみをともなうケースも多く、無意識に頭皮をかいてさらにフケが落ちやすくなるといった悪循環に陥る方も少なくありません。
脂漏性皮膚炎を発症すると、ベタベタとした粒の大きなフケが増える点が特徴です。頭部粃糠疹とは異なりかゆみをともなわないケースも多く、しばしば慢性的な経過をたどるため注意が必要です。
頭部粃糠疹は自然に治癒するケースもありますが、脂漏性皮膚炎は自力での改善が困難なため、なるべく早めに皮膚科を受診するのがおすすめです。
皮膚科でのフケ治療は何をするの?
フケ症の発症が疑われる場合、皮膚科では外用薬・内服薬を用いた薬物療法で改善を図るのが一般的です。フケ症の治療に用いられる主な薬剤やその特徴、副作用の可能性などについて解説します。
外用薬の処方
フケ症の発症が疑われる際には、ステロイドやケトコナゾール、ニゾラールなどの外用薬で改善を図るのが一般的です。それぞれの治療薬には以下の特徴や副作用のリスクがあります。
治療薬 |
特徴 |
副作用 |
こんな方におすすめ |
ステロイド |
抗炎症作用・免疫抑制作用に優れている |
皮膚が薄くなる・紅斑・かぶれ・局所の多毛など |
炎症を早く鎮めたい方 |
ケトコナゾール |
皮膚カンジダ症の改善効果が高い |
刺激感・かゆみ・発赤・かぶれ・水泡など |
頭部白癬(とうぶはくせん・しらくも)を発症している方 |
ニゾラール |
抗真菌作用に優れている |
刺激感・かゆみ・発赤・かぶれ・水泡など |
脂漏性皮膚炎を発症している方 |
脂漏性皮膚炎によるフケが出ている際には、ステロイド外用剤で改善を図るのが一般的です。ステロイド製剤には高い抗炎症・免疫抑制効果があるため、脂漏性皮膚炎にともなう炎症を早く鎮めたい方におすすめです。
ただし、ステロイド外用剤を長期にわたって用いると皮膚が薄くなる可能性があるため、近年ではケトコナゾールやニゾラールを使用するケースも増えてきています。
ケトコナゾールやニゾラールには真菌の繁殖を抑制し、脂漏性皮膚炎やカンジダなどの真菌感染症を緩やかに改善する効果が期待できます。
内服薬の処方
頭部粃糠疹にともなうかゆみが強い際には、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などが処方されるケースもあります。代表的な抗アレルギー薬はフェキソフェナジン(アレグラ)やエピナスチン(アレジオン)などです。
脂漏性皮膚炎の原因菌であるマラセチアは皮脂をエサとして繁殖するため、皮脂分泌量を減少させる目的でビタミン剤が処方されるケースもあります。
フケの種類に合わせたセルフケアの方法はあるの?
フケは大きく乾性フケと脂性フケとに分けられます。それぞれの特徴やセルフケアのポイントは以下の通りです。
乾性フケ |
脂性フケ |
|
大きさ |
粒が小さい |
粒が大きい |
色 |
白っぽい |
黄色っぽい |
状態 |
カサカサしている |
ベタベタしている |
目立つ箇所 |
襟元や肩口 |
頭皮や髪の毛の根元 |
セルフケアのポイント |
シャンプーの回数を見直す シャワーやドライヤーの温度に注意する 紫外線対策を怠らない |
生活習慣を見直す 食事を改善する 正しいシャンプーのやり方を身につける |
次にフケの種類に応じたセルフケアの方法について詳しく解説します。
乾性フケ(細かいフケ)
乾性フケは粒が小さくて白っぽい見た目をしており、カサカサしている点が特徴です。乾性フケが増えると襟元や肩口に積もって不潔な印象を与えます。
乾性フケの原因は頭皮の乾燥やバリア機能の低下、紫外線による頭皮へのダメージなどです。例えばシャンプーの回数が多すぎると、頭皮を守るべき皮脂膜が失われて乾燥を引き起こしやすくなります。
冬場の乾燥した時期に手の甲がカサカサと白く粉を吹いたようになるように、頭皮が乾燥すると白くて小さいフケが目立ちやすくなります。シャンプーは基本的に1日に1回、就寝前に行うのが基本です。
頭皮を乾燥から守るためには、シャワーやドライヤーの温度にも気を付けなければなりません。シャワーの温度が高いと頭皮を守るべき皮脂が失われ、ドライヤーの温度が高いと頭皮の乾燥を招きやすくなります。
シャワーの温度は36〜38℃に設定し、ドライヤーは髪の毛や頭皮から20センチメートルほど離すよう心がけましょう。髪の毛が8割ほど乾いたら、冷風に切り替えて仕上げるのもポイントの1つです。
また、頭皮が乾燥するとバリア機能が低下し、外部の刺激によりターンオーバーの周期が乱れやすくなります。ターンオーバーの周期が乱れると未熟な表皮細胞が角層の表面を覆うため、さらにダメージを受けやすいといった悪循環に陥りがちです。
ターンオーバーの周期を正常に保つためには、十分な睡眠時間を確保することが欠かせません。適切な睡眠時間については諸説ありますが、厚生労働省では1日に6〜8時間の睡眠を推奨しています。
紫外線によるダメージも頭皮の乾燥を招く原因の1つです。外出の際には頭皮用の日焼け止めを塗布し、日傘や帽子で頭皮を紫外線から守るよう意識しましょう。
おすすめのシャンプー
頭皮を乾燥から守るためには、保湿力の高い商品を選ぶのがポイントです。また、洗髪の前にしっかりと予洗いを行い、シャンプーを手のひらで十分に泡立ててから使用しましょう。
脂性フケ(大きいフケ)
脂性フケは主に皮脂の過剰な分泌によって増加する傾向にあります。脂っこい食べ物やスナック菓子、洋菓子などは脂質を多く含むため食べ過ぎないよう注意してください。
ストレスも皮脂が増加する原因の1つのため、日頃から適度に発散するよう心がけましょう。ストレスを発散するには適度に身体を動かしたり、趣味に没頭する時間を設けたりするのがおすすめです。
皮脂をしっかりと洗い流すためには、十分に泡立てたシャンプーに皮脂を吸着させ、しっかりとすすぐのがポイントです。
おすすめのシャンプー
脂性フケの増加している方は脂漏性皮膚炎を発症している可能性があるため、抗真菌成分が含まれたシャンプーを使用するのがおすすめです。
ただし、脂漏性皮膚炎は自覚症状をともなわずに経過するケースも多いため、まずは専門医の診察を受けるのが重要です。
フケと薄毛・AGAとの関係性は?
フケが増えている方のなかには、薄毛とAGAの発症につながらないか心配な方もいるでしょう。ここでは、フケと薄毛・AGAとの関係性について解説します。
薄毛との関係性
冒頭でもお話した通り、フケは表皮の角質細胞が剥がれ落ちたものであり、誰にでも見られる生理現象の一種です。そのため、フケが出ているからといって必ずしも薄毛になるとは限りません。
しかし、フケが大量に出るような頭皮の悪いコンディションが続くと、髪の毛の成長に悪影響をおよぼし、薄毛リスクを高める可能性があるため注意が必要です。
フケが出ている状態は頭皮環境が悪化しているサインと受け取り、なるべく早めに対処するのが薄毛を予防する結果につながると言えるでしょう。
AGAとの関係性
AGAは男性に見られる代表的な脱毛症で、思春期以降に発症してゆっくりと進行する点が特徴です。日本皮膚科学会が策定する男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、日本人男性のおよそ3人に1人がAGAを発症するとされています。
AGAの直接的な原因は男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンで、アンドロゲン受容体と結合して抜け毛を引き起こす有害なサイトカインを生成します。
その意味では、フケとAGAの間に直接的な関係性はありません。しかし、脂漏性皮膚炎が悪化して脂漏性脱毛症を発症した方のなかには、AGAを併発している方も多い傾向にあります。
頭皮のフケに関するQ&A
頭皮のフケに関しては以下2つの質問が多く寄せられています。
- 皮膚科での治療にかかる料金はどのくらい?
- 頭皮のフケを一瞬でなくす方法はある?
頭皮のフケが気になる方は参考にしてください。
皮膚科での治療にかかる料金はどのくらい?
フケが頭部粃糠疹や脂漏性皮膚炎によって起こっている場合は保険診療が受けられます。一般的な皮膚科では診察料と処方箋を合わせて1,100円前後で治療が受けられます(3割負担の場合)。
ただし、ステロイド外用剤を用いる場合とニゾラールクリームなどの抗真菌薬を用いる場合では、薬局で支払う薬代が異なるため注意が必要です。
頭皮のフケを一瞬でなくす方法はある?
頭皮のフケを一瞬でなくすような方法はありません。なぜなら、頭皮のフケはターンオーバーの周期の乱れによって生じるケースがほとんどのためです。
ターンオーバーは角質細胞が生み出されてからアカやフケとなって剥がれ落ちるまでの周期を意味しており、およそ【年齢×1.5日】周期でサイクルしています。
皮膚科ではステロイド外用剤や抗真菌薬によるフケの改善を図りますが、症状が気にならなくなるまでには、およそ年齢×1.5日が必要だと覚えておきましょう。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
フケは角質細胞が剥がれ落ちたもので、誰にでも見られる生理現象の一種です。しかし、通常であれば目に見えない角質細胞がフケとして目立つようであれば、頭部粃糠疹や脂漏性皮膚炎を発症している可能性があります。
中でも脂漏性皮膚炎はかゆみをともなわないケースが多く、知らない間に進行すると脂漏性脱毛症を引き起こす恐れもあるため注意が必要です。
また、脂漏性脱毛症はしばしばAGAを併発するため、ベタベタしたフケと抜け毛の両方が気になる方は、新宿AGAクリニックまでお気軽にご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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