頭皮のフケを一瞬でなくす方法はあるの?治らない場合の対処法も解説
フケはターンオーバーによって表皮の角層が剥がれ落ちたものであり、誰にでも見られる生理現象の一種ですが、あまりにもフケが目立つ方は何らかの皮膚疾患を発症している疑いもあるため注意が必要です。
こちらの記事ではフケができる男女別の原因やフケの種類、および考えられる皮膚疾患の可能性について解説しています。記事の後半ではフケが治らない場合の対処法も紹介しているため、フケにお悩みの方は参考にしてください。
目次
頭皮のフケを一瞬でなくすのは難しい
頭皮のフケが気になりはじめると、すぐに改善したくなるものですが、残念ながらフケを一瞬で治すのは難しいでしょう。まずは以下の2点について理解しておき、適切に対処することが重要です。
- フケとは
- フケの種類
はじめに、フケに関する基礎知識について解説します。
フケとは
フケは一言で説明すると表皮の角層が剥がれ落ちたものです。表皮は外側から角層・顆粒(かりゅう)層・有棘層・基底層で構成されており、基底層では毎日新たな細胞が生み出され、分裂を繰り返しながら上層へと押し上げられ、やがて数層から十数層の角層を構成します。
古くなった角層はやがて剥がれ落ちますが、剥がれ落ちた角層を皮膚ではアカ、頭皮ではフケと呼んでいます。つまり、フケは誰にでも当たり前のように見られる生理現象という訳です。
しかし、フケの量があまりにも多い方や、フケが目立つ方はターンオーバーの乱れにより、何らかの皮膚疾患を発症している可能性があるため注意が必要です。
フケの種類
フケは大きく乾性フケと脂性フケの2種類に分けられ、それぞれ以下のような特徴があります。
- フケの種類
- 色
- 大きさ
- 状態
- 乾性フケ
- 白っぽい
- 粒が小さい
- カサカサしている
- 脂性フケ
- 黄色っぽい
- 粒が大きい
- ベタベタしている
乾性フケはカサカサとして粒が小さく、白っぽい色をしているため襟足や肩口などに積もりやすい傾向にあります。脂性フケはベタベタとして粒が大きいため、頭皮や髪の毛の間などに付着して不潔な印象を与えがちです。
フケができる原因は?詳しく解説
フケは誰にでも見られるものですが、異常に目立つ場合には主に以下2つの原因が考えられます。
- シャンプーのしすぎ
- ストレスや生活習慣
ここでは、フケができる2つの原因について詳しく解説します。
シャンプーのしすぎ
フケは不潔にしていると増えるイメージを持っている方もいるでしょうが、シャンプーのしすぎによってフケができるリスクを高める可能性もあるため注意が必要です。
頭皮は皮脂と汗が混じり合ってできた皮脂膜で覆われており、細菌など外部からの侵入者、および機械的刺激から皮膚を守るバリア機能を備えています。
しかし、シャンプーのしすぎによって頭皮を守るべき皮脂膜が失われると、頭皮がカサカサと乾燥して乾性フケが出やすくなります。
市販のシャンプーには合成界面活性剤など洗浄力の強い成分が含まれていることも多いため、1日に何度もシャンプーをすると頭皮から皮脂膜が奪われ、結果として多くのフケができるリスクを高めてしまうのです。
ストレスや生活習慣
ストレスや生活習慣も、フケができる原因の1つです。大手化粧品メーカーの調査では、ストレス状態が継続すると、皮脂の分泌量が増加する傾向にあることが分かっています。
ストレスは仕事上のトラブルや人間関係の悩みだけではありません。急激な温度変化や騒音、排ガスなど身体的ストレスも皮脂の分泌量を増加させる可能性があるため注意が必要です。
皮脂の分泌量が増加すると、剥がれ落ちた角質と混じり合って脂性フケができるリスクを高めます。また、普段から脂っこい食べ物やジャンクフード、スナック菓子を好んで食べる方も皮脂の分泌量が増加する傾向にあります。
【男女別】フケの原因
フケは主にシャンプーのしすぎやストレス、食生活など日常の生活習慣によって増加する傾向にありますが、男性と女性に特有の原因もあるため知っておくことが重要です。
男性の場合
フケができる男性に特有の原因が、女性に比べて皮脂の分泌量が多い点です。大手化粧品メーカーの調査によると、男性の皮脂の分泌量は、女性に比べておよそ3倍と圧倒的に多いことが分かっています。
皮脂の分泌量が多ければ多いほど、剥がれ落ちた角質と混じり合い脂性フケができるリスクを増加させます。また、男性は女性に比べて保水力が低いことも知っておかなければなりません。
男性の肌は女性に比べて水分蒸散量が2倍と多いため、保水力が低く乾燥を招きやすいことが指摘されています。頭皮の乾燥が続くと乾性フケができやすくなる点は冒頭で記載した通りです。
自分ではオイリー肌と思っている男性のなかには、乾燥によってかえって皮脂の分泌量が増加するインナードライ肌の方もいるため、自分の判断ではなく専門医のアドバイスを受けることがおすすめです。
女性の場合
フケができる女性に特有の原因が、ホルモンバランスの変化です。女性は生涯に何度も大きなホルモンバランスの変化に見舞われますが、何らかの原因によって女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が減少すると、肌の乾燥により乾性フケができるリスクが増加します。
また、女性の体内でもわずかながら男性ホルモンが分泌されていますが、更年期に入り女性ホルモンの分泌量が減少すると、相対的に男性ホルモンの割合が増加します。
男性ホルモンには皮脂の分泌を活発化させる働きがあるため、女性ホルモンの分泌量が減少すると、乾性フケではなく脂性フケの増加につながるため注意が必要です。
頭皮に大きいかさぶたやフケなどができるのは乾燥が原因?
頭皮は髪の毛で覆われているためトラブルに気づくのが遅れることも少なくありませんが、大きいかさぶたやフケが目立つ場合には以下の原因も考えられます。
- 乾燥性湿疹
- 脂漏性皮膚炎
- 乾癬(かんせん)
- 白癬菌
ここでは、頭皮に大きいかさぶたやフケができる際に考えられる皮膚疾患の可能性について解説します。
乾燥性湿疹
皮膚の乾燥状態を放置すると、カサカサとしたひび割れやかゆみをともなう乾燥性湿疹を発症する恐れがあります。乾燥性湿疹は主にかかとや肘など角質化しやすい箇所に多く見られますが、頭部にも発症する可能性があるため注意が必要です。
ひび割れや強いかゆみをともなうことからアトピー性皮膚炎と間違われるケースも少なくありません。乾燥性湿疹の原因としては主にバリア機能の低下があげられます。
頭皮のバリア機能が低下すると細菌や花粉などの外部からの侵入者、および摩擦などの機械的刺激により炎症を起こし、かゆみや赤みが生じやすくなります。
脂漏性皮膚炎
脂漏性(しろうせい)皮膚炎は、皮脂の過剰な分泌が原因となって起こる炎症性の皮膚疾患です。頭皮の常在菌であるマラセチアが過剰に分泌された皮脂をエサとして異常繁殖することで、頭皮の赤みやフケを引き起こす点が特徴です。
脂漏性皮膚炎を発症した場合、黄色っぽくて粒が大きい脂性フケが多く見られます。また、脂漏性皮膚炎はAGAを始めとする脱毛症とも関わりがあるため注意が必要です。
その他の皮膚疾患とは異なり、脂漏性皮膚炎はかゆみがないか、あっても軽微であることが多いため、発症に気づくのが遅れるケースも少なくありません。
脂漏性皮膚炎は自然治癒が期待できず、しばしば慢性化の経過をたどるため、皮脂の過剰な分泌によって頭皮の赤みや脂性フケが見られる方は早めに専門医に相談しましょう。
乾癬(かんせん)
乾癬は銀白色をした鱗屑(りんせつ)と、境界が明白な盛り上がった紅斑(こうはん)が特徴の皮膚疾患です。頭部を始め肘やひざなど機械的刺激を受けやすい場所に多く見られる傾向があります。
頭皮に乾癬を発症した場合、銀白色の鱗屑がフケのように見える点も特徴です。乾癬を発症すると頭部以外にも症状が見られることが一般的なので、その他の皮膚疾患と見分けるうえでの参考になります。
乾癬に関しては原因が明らかにされていませんが、遺伝的な要因に乱れた生活習慣や偏った栄養バランスの食事、ストレス、肥満などの環境的要因が加わることで発症リスクを高めるのではないかと考えられています。
白癬菌
白癬菌(はくせんきん)に感染して発症する頭部の皮膚炎のことを頭部白癬、もしくはしらくもと呼んでいます。白癬菌は真菌の一種で、足にできる水虫がよく知られています。
頭部が白癬菌に感染すると頭皮にカサカサとしたウロコ模様のまだらや、まだら状の脱毛を認めることが一般的です。かゆみなどの自覚症状がないため、発見に気づくことが遅れるケースも少なくありません。
フケが治らない場合は医療機関を受診する
生活習慣の改善やシャンプーの変更といった対処でフケが治らない場合は、以下の点を確認して専門の医療機関を受診することがおすすめです。
- 頭皮に炎症が起きている場合は皮膚科に行くべき
- 抜け毛が気になる場合は薄毛治療専門のクリニックに行くべき
フケが治らない場合、どのような点に注意して医療機関を選択すれば良いか解説します。
頭皮に炎症が起きている場合は皮膚科に行くべき
皮膚科は器具などを使わずに皮膚の病変を肉眼で観察する、炎症性の皮膚疾患を治療対象とした診療科です。そのため、頭皮に炎症が起きているようであれば、まずは皮膚科を受診するのがおすすめです。
皮膚科の中には患者の身体的特徴や社会的な背景なども総合的に勘案してくれるところもあるため、内科系の疾患を早期に発見できる可能性もあります。
頭皮が髪の毛で覆われている方の場合、かゆみがないと頭皮をチェックしない可能性もあるため、フケが治まらないようであれば髪の毛をかき上げ、皮膚が赤くなっていないか確認すると良いでしょう。
抜け毛が気になる場合は薄毛治療専門のクリニックに行くべき
フケや頭皮のかゆみ、赤みだけでなく抜け毛も見られるようであれば、薄毛治療を専門とするクリニックで見てもらうことがおすすめです。
皮膚科医は炎症性の皮膚疾患を専門としていますが、AGAを始めとする脱毛症に対しても知識が深いとは限りません。
薄毛治療を専門とするクリニックであれば問診や視診、ファイバースコープなどを用いた検査により、脱毛症の発症の有無を判断することが可能です。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
フケはターンオーバーの一環として起こるものであり、誰にでも見られる生理現象の一種です。しかし、フケの量があまりにも多い場合には、何らかの皮膚疾患や脱毛症を発症しているかの意性も疑いもあるため注意が必要です。
頭皮のかゆみや赤みにともなって抜け毛が起こっているようであれば、なるべく早めに薄毛治療専門のクリニックを受診することがおすすめです。
新宿AGAクリニックでは男性の薄毛だけでなく、女性の髪や頭皮に関するお悩みにもお応えしています。早期治療が早期改善につながるため、まずは無料カウンセリングまでお気軽にご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
«前へ「ヘッドスパは効果がない?死亡する危険性がある?注意すべきポイントを解説」 | 「スカルプケアの効果は?男性・女性や年齢に関わらずケアしよう」次へ»