抜け毛や薄毛治療は皮膚科で大丈夫?費用や保険について解説
抜け毛が気になりはじめてきた方のなかには、どこで診てもらえばいいか分からないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
頭皮のかゆみや赤みが見られるようであれば皮膚科を受診するのが一般的ですが、頭皮の見た目上は変化がないのに抜け毛が増えているようなら、専門の診療科を受診するのがおすすめです。
こちらの記事では、抜け毛や薄毛が見られる際に受診すべき診療科、薄毛の治療法、費用の目安などについて解説します。
目次
抜け毛や薄毛治療は何科に行くべき?
抜け毛や薄毛が気になる際には、以下5つの診療科を受診する方法があります。
- 皮膚科
- 内科
- 心療内科
- 産婦人科
- AGAクリニック
5つの診療科のなかから、自分の症状に応じて適切な病院やクリニックを選択できるようにしましょう。
皮膚科
抜け毛だけでなく頭皮のかゆみやフケ、炎症、できもの、傷などが見られる方は、まずは皮膚科を受診するのがおすすめです。
誤ったヘアケアやストレス、肌質に合っていないシャンプーやパーマ、ヘアカラーなどが原因で頭皮環境が悪化して細かいフケが増えると、毛穴に詰まって炎症を起こし、粃糠性(ひこうせい)脱毛症を引き起こすケースがあります。
いつも同じ箇所で髪の毛を結んだり分けたりしていると、局所の血行不良が原因で牽引性(けんいんせい)脱毛症を発症するケースも見られます。
抜け毛だけだと病院に行っていいのか分からないケースであっても、明らかに肌のトラブルがあれば皮膚科を受診しやすいでしょう。
皮膚科で治療を受けても、なかなか抜け毛が改善しないようであれば、その他の診療科で相談する方法もあります。
内科
抜け毛に限らず自分の症状をどこで診てもらえばいいのか分からない方は、まず内科を受診するのがおすすめです。
頭皮に何も変化が見られないのに抜け毛が起こっている方は、内科で診察や検査を受け、その結果をもとに適切な診療科を紹介してもらうとよいでしょう。
遺伝が原因の何らかの疾患による薄毛や、甲状腺機能の異常による抜け毛などは、そのまま内科で治療を開始するケースもあります。
心療内科
抜け毛の原因によっては心療内科を受診するケースもあります。
例えば抜毛症(ばつもうしょう)を発症すると、自分で自分の髪の毛をはじめとする体毛を引き抜いてしまいます。
抜毛症の特徴の1つが、自分では悪いと分かっていても抜毛行為を自分の意思で止められない点です。
そのため、認知行動療法などの専門的な治療を受け、適切に対処する必要があります。
産婦人科
出産後の抜け毛がひどい女性は、産婦人科で診てもらう方法もあります。
妊娠中は盛んに分泌されたホルモンが出産を機に激減すると、分娩後(ぶんべんご)脱毛症を発症する方が多い傾向にあります。
出産後に抜け毛が増えるのは、女性ホルモンに髪の毛のハリやコシを生み出し、ヘアサイクルの成長期を維持する働きがあるためです。
分娩後脱毛症は半年から1年ほど経過すると治まる傾向にありますが、長く続く方や、あまりにも抜け毛の量が多い方は、かかりつけの医師に相談するとよいでしょう。
AGAクリニック
上記の症例がないにもかかわらず抜け毛が治まらない方は、AGAをはじめとする脱毛症を発症している可能性が疑われます。
AGAは男性に見られる典型的な脱毛症で、発症するとゆっくりとですが確実に進行する点が特徴です。
早期の治療で年相応の毛髪量を維持する効果が期待できるため、抜け毛や薄毛が気になりはじめたらAGAクリニックで診てもらうのがおすすめです。
女性に見られるFAGAも、AGAクリニックで診てもらえるケースがあります。
皮膚科での抜け毛・薄毛治療とは?
抜け毛や薄毛を皮膚科で治療する場合、男性のケースでは注入療法や薬物療法が、女性のケースでは光線療法や薬物療法を行うのが一般的です。
男性の場合
皮膚科で男性の抜け毛や薄毛を治療する際には、メソセラピーと呼ばれる注入療法や薬物療法で改善を図るのが一般的です。
治療
皮膚科で行われる注入療法の1つがメソセラピーです。抜け毛や薄毛を改善する際には、頭皮下にグロースファクター(髪の毛の成長に必要な因子)を注射器などを用いて注入します。
グロースファクターを頭皮下に直接注入するため、薬物療法に比べると早期に発毛効果を実感する方が多い印象です。
ただし、メソセラピーをはじめとする成長因子導入術は先進医療の段階であり、安全性や有効性は十分に検証されているとは言えない段階です。
そのため、日本皮膚科学会が策定する男性型および女性型診療ガイドラインでも、現在のところは行わない方がよいC2ランクの治療法に位置付けられています。
治療薬
男性の薄毛を皮膚科で治療する際には、主にプロペシアやザガーロ、ミノキシジル外用薬、ミノキシジル内服薬などで改善を図ります。
治療薬名 | 有効成分 | 期待できる効果 | 主な副作用 |
プロペシア | フィナステリド | 2型の5α-リダクターゼを阻害 | リビドー減退など |
ザガーロ | デュタステリド内服薬 | 1型・2型両方の5α-リダクターゼを阻害 | 精子量の減少など |
ミノキシジル外用薬 | ミノキシジル | 頭皮の血行を促進毛母細胞の死滅を抑制 | 頭皮のかゆみや赤みなど |
ミノキシジル内服薬 | ミノキシジル | 全身の血行を促進発毛シグナルを促進 | 動悸(どうき)・息切れ・めまいなど |
プロペシアやザガーロには、AGAの原因となる5α-リダクターゼの働きを阻害し、抜け毛を防止する作用があります。
ミノキシジルには血管を拡張し、血液の循環を阻害する作用があります。また、毛母細胞の死滅を抑制し、発毛シグナルを促進する点も特徴です。
AGA治療においてはプロペシアやザガーロが守りの治療薬に、ミノキシジル外用薬や内服薬は攻めの治療薬に位置付けられています。
女性の場合
女性の抜け毛や薄毛治療を皮膚科で行う際には、LEDなどの光治療や内服薬、外用薬などで改善を図るのが一般的です。
治療
女性の抜け毛や薄毛を皮膚科で改善する方法の1つがLED照射です。頭皮にLEDを照射すると、毛母細胞に酸素や栄養を供給する効果が期待できます。
LED照射は副作用のリスクが低いため、体質などが原因で薬物療法を受けられない方におすすめの治療法です。
LEDや低出力レーザーの治療は、男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでも、行うよう勧めるBランクの治療に位置付けられています。
治療薬
女性の抜け毛や薄毛は以下の治療薬で改善を図るケースもあります。
治療薬名 | 期待できる効果 | 主な副作用 |
パントガール | 髪質改善 | 頭痛・腹痛・めまいなど |
スピロノラクトン | 男性ホルモンの抑制 | 頻尿・低血圧・頭痛など |
ミノキシジル外用薬 | 血行促進 | 頭皮のかゆみや赤み |
ルグゼバイブ | 抜け毛予防 | イライラ・動悸・不眠など |
男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、現在のところミノキシジル外用薬だけが行うよう強く勧めるAランクの治療法に位置付けられています。
皮膚科での抜け毛・薄毛治療にかかる費用は?
皮膚科で抜け毛や薄毛の治療を行う際には、1ヶ月あたり15,000円〜25,000円程度の費用が必要です。
抜け毛や薄毛治療を皮膚科で行うと、治療費や医薬品代以外に、初診料や再診料、検査料などがかかります。
また、投薬治療以外の治療を並行して行うと、さらに高額の治療費が必要です。
抜け毛・薄毛治療に保険は適用される?
一般的な炎症性皮膚疾患の治療とは異なり、抜け毛や薄毛の治療には原則として健康保険が適用されません。
初診料や再診料はもちろん、治療薬の費用や検査代も全額自己負担が原則です。
AGAクリニックではなく皮膚科であれば保険が使えると思う方もいますが、薄毛治療は基本的に自由診療のため保険は使えません。
例外的に円形脱毛症の治療の保険が適用されるケースはあります。
また、皮膚科ごとに抜け毛や薄毛治療に必要な費用は異なります。
なぜなら、抜け毛や薄毛治療は自由診療のため、皮膚科やクリニックごとに自由に料金を設定できるためです。
なぜ抜け毛・薄毛治療はAGAクリニックがおすすめなのか?
内臓疾患などが原因で抜け毛が起こっているケースを除き、抜け毛や薄毛治療ならAGAクリニックを受診するのがおすすめです。
抜け毛や薄毛治療は皮膚科でも受けられますが、皮膚科医がAGAやFAGAなどの脱毛症に精通しているとは限りません。
AGAクリニックの医師は抜け毛や薄毛治療に特化しているため、その他の病院よりも専門的な治療を受けられる点がメリットの1つです。
また、AGA治療に用いられる医薬品は皮膚科でもAGAクリニックでも共通しており、AGAクリニックの方が安価に提供している傾向にあります。
AGAは進行型の脱毛症のため、いったん発症すると根気強く治療を続ける必要があるため、毎月の医薬品代が経済的に大きくのしかかってきます。
そのため、予算に応じた豊富な治療パターンを用意しているAGAクリニックを選ぶのがおすすめです。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
抜け毛はさまざまな原因により生じますが、内科系・心療内科系の疾患がないのに抜け毛が増えている方は、何らかの脱毛症を発症している可能性があります。
抜け毛や薄毛治療自体は皮膚科でも受けられますが、皮膚疾患が原因でない方はAGAクリニックの受診がおすすめです。
新宿AGAクリニックでは、600パターンにもおよぶ治療法から、一人ひとりに最適な治療を提供しています。
カウンセリングは無料で受けられるため、抜け毛が気になっていてどこで診てもらえばいいのか分からない方は、お気軽にご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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