おでこが広いタイプのはげはどう治療する?はげの基準や対処法を紹介
髪の毛の生え際が後退するとおでこはげと言われることがありますが、おでこの広さには個人差があるため、眉毛から生え際まで何センチ離れていると危険と断言はできません。
おでこや生え際の薄毛は男性だけでなく、女性や中高校生にも起こるため、原因を知ったうえで適切に対処することが重要です。
本記事ではおでこはげの原因や見分け方、治療方法や対処法などについて解説します。額の生え際が気になる男性・女性の方や中高校生の方は参考にしてください。
目次
おでこが広いタイプのはげで考えられる原因
おでこが広いタイプのはげで考えられる主な原因は以下の5つです。
- 遺伝的要因・AGA(男性型脱毛症)
- FAGA(女性型脱毛症)
- 牽引性脱毛症
- 生まれつき
- 生活習慣やホルモンバランスの乱れ
自分のおでこが広いのは個性なのか、それとも薄毛なのか原因を知ったうえで適切に対処しましょう。
遺伝的要因・AGA(男性型脱毛症)
男性のおでこが広いタイプのはげは、遺伝的要因の可能性があります。
特にAGA(男性型脱毛症)を発症すると、額の両サイドから徐々に後退するのが特徴です。
AGAを発症するメカニズムは次の通りです。
- 男性ホルモンの一種であるテストステロンが、活性の高いジヒドロテストステロンへと変化する
- ジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体と結合してTGF-βを生成する
- TGF-βによってヘアサイクルの成長期が短縮され抜け毛が増える
テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際に、触媒としてはたらく酵素が5αリダクターゼです。
5αリダクターゼの活発度やアンドロゲン受容体の感受性は遺伝によって左右されるため、父親もしくは祖父がおでこはげの場合、自分もAGAを発症するリスクが高いと考えられます。
FAGA(女性型脱毛症)
女性の男性のおでこが広いタイプのはげは、FAGA(女性型脱毛症)の可能性があります。
FAGAは英語の「Female Androgenetic Alopecia」の頭文字を取ったものです。
日本語に直訳すると、女性に見られる男性ホルモンに起因する脱毛症です。
女性の体内でもわずかながら男性ホルモンが分泌されており、何らかの理由で女性ホルモンの分泌量が減少するとFAGAの発症リスクが増加します。
出産後や更年期などに女性ホルモンの分泌量が減少すると、抜け毛の量が増えるのはそのためです。
牽引性脱毛症
年齢や性別を問わず見られるおでこはげの原因としては、牽引性(けんいんせい)脱毛症が挙げられます。
特にポニーテールなどおでこが引っ張られる髪形をしていると、局所の血行不良にともない髪の毛の成長が阻害され、おでこはげのリスクが増加します。
通常は髪形を変えると改善が見られますが、毛穴の奥深くにまでダメージが加わると、2度と髪の毛が生えなくなる恐れもあるため注意が必要です。
生まれつき
おでこはげは生まれつきのケースもあります。
例えば前髪の生え際の中央部に髪の毛が多く、両サイドにかけて緩やかな弧を描く富士額は優性遺伝のため、両親のいずれかから受け継ぐ可能性があります。
富士額はかつて女性の美しさの象徴とも言われており、おでこが広いからといって薄毛と断定できません。
生活習慣やホルモンバランスの乱れ
生活習慣やホルモンバランスの乱れも、おでこはげの原因の1つです。
おでこはげのリスクを高める生活習慣や、ホルモンバランスの乱れを引き起こす原因としては以下の例が挙げられます。
- 暴飲暴食
- 誤ったヘアケア
- 睡眠不足・運動不足
- 過度のダイエット
- ストレス
- 自律神経の乱れなど
おでこのはげの治療方法や対処法
おでこはげの原因は人によりさまざまなため、以下から自分に合った適切な治療法もしくは対処法を実施する必要があります。
- AGA治療を受ける
- ヘアスタイルを変える
- 生活習慣を改善する
- 頭皮ケアを見直す
ここでは、おでこのはげを改善するための治療方法や対処法について解説します。
AGA治療を受ける
おでこはげの原因がAGAの場合、速やかに治療を開始する必要があります。
日本皮膚科学会が策定する男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、AGAについて思春期以降に発症して徐々に進行する脱毛症と定義されています。
いったん発症すると完治する可能性はないため、AGA治療専門のクリニックを受診して、適切な治療を受けることが欠かせません。
適切な治療によりAGAの原因となる5αリダクターゼのはたらきを阻害すると、薄毛の進行を抑制したり、年齢相応の毛髪量を維持したりする効果が期待できます。
薄毛の範囲が広くなればなるほど改善までに時間がかかるため、可能な限り早めに治療を始めるのがポイントです。
AGAの治療方法としては主に以下の3つが挙げられます。
- AGA治療薬
- メソセラピー
- 自毛植毛
それぞれについてさらに詳しく解説します。
AGA治療薬
AGAを改善する際は、治療薬を用いるのが一般的です。
主な治療薬としてはフィナステリド内服薬、デュタステリド内服薬、ミノキシジル外用薬、ミノキシジル内服薬が挙げられます。
それぞれの効果や起こり得る副作用は以下のとおりです。
治療薬 | 効果 | 起こり得る副作用 |
フィナステリド内服薬 | 抜け毛を予防する | 男性機能の低下など |
デュタステリド内服薬 | 抜け毛を強く予防する | 男性機能の低下など |
ミノキシジル外用薬 | 発毛を促進する | 頭皮のかゆみ・あかみなど |
ミノキシジル内服薬 | 発毛を強く促進する | 動悸・息切れ・多毛・むくみなど |
メソセラピー
メソセラピーは医薬品や何らかの成分を皮下に注入する治療法です。
おでこはげに対してはグロースファクター(成長因子)やビタミンなどを頭皮下に注入し、髪の毛の成長をサポートします。
投薬治療に比べると副作用のリスクが低く、効果が実感できるまでの期間が比較的短いメリットがあります。
自毛植毛
自毛植毛は健康な髪の毛を毛穴ごと採取して、薄毛が気になる箇所に移植する外科手術の一種です。
薄毛の範囲が広くなり投薬治療では効果が期待できない場合、自毛植毛を検討する必要があります。
ヘアスタイルを変える
おでこはげの原因が牽引性脱毛症の場合、ヘアスタイルを変えると改善が見られるケースもあります。
特に後ろで髪の毛を結んでいる方は、額の生え際が引っ張られない髪形に変更する必要があります。
生活習慣を改善する
おでこはげの原因が睡眠不足や栄養不足などの場合は、生活習慣の見直しで改善が期待できるケースもあります。
規則正しい生活を送り、栄養バランスを考えた食事を朝・昼・晩の3回摂取し、質の良い睡眠を十分に確保することが重要です。
ストレスも抜け毛のリスクを高めるため、自分なりの発散法に取り組むことも求められます。
頭皮ケアを見直す
シャンプーのやり方やドライヤーのかけ方が悪い方は、頭皮ケアを見直す必要があります。
市販のシャンプーのなかには髪の毛や頭皮に与えるダメージが大きい商品もあるため、薬用シャンプーや育毛用シャンプーに切り替える方法もあります。
乾燥肌の方は頭皮専用のローションやクリームで保湿を行い、頭皮環境を良好に保ちましょう。
広いおでこが「はげ」かどうかを調べる基準
広いおでこが「はげ」かどうかを調べるのは難しいですが「指の幅〇本以上の場合ははげの可能性がある」などと言われるケースがあります。
ここではおでこはげを見極める基準について解説します。
平均的なおでこの広さは?
おでこ(額)は一般的に前髪の生え際からおでこまでの範囲を指します。
日本人の平均的なおでこの広さはおよそ5〜6センチメートルとされています。
顔全体で見るとおでこの範囲は3分の1程度です。
おでこの広さには個人差がある
おでこはげを見極める基準はさまざまですが、おでこの広さには個人差があるため、一概に何センチメートル以上が薄毛と断定するのは困難です。
おでこの広さが6センチメートル以上であっても、顔自体が長ければおでこはげには該当しないケースも珍しくありません。
反対に顔全体が小さければ、おでこの広さが5センチメートル以下であっても、おでこはげにあたるケースもあるでしょう。
おでこの広さだけで「はげ」かどうかの判断はできない
上記の考察からもわかるように、おでこの広さだけで「はげ」かどうかを判断するのは困難です。
生まれつきおでこが広い方もいれば、顔が縦に長いため相対的におでこの範囲が広くなるケースもあります。
おでこはげかどうかを判断するためには、以下の点をチェックしてみましょう。
- 以前に比べておでこの範囲が広くなってきた
- 生え際の位置が明らかに後退している
- おでこを前から見た際に両サイドがアルファベットのM字になっている
- 生え際に産毛が目立つようになってきた
- おでこの広さだけでなく抜け毛量の増加が気になる
以前に比べておでこの範囲が広くなってきており、抜け毛量の増加が気になる方は、AGAやFAGAなどの脱毛症を発症している可能性が疑われます。
特にAGAは進行型の脱毛症のため、額の両サイドの後退が明らかな場合は、速やかに治療を始める必要があります。
おでこや生え際の薄毛は女性や中高校生にも起こる
おでこや生え際の薄毛は女性や中高校生にも起こり得るため注意が必要です。
例えばロングヘアーの長い女性が後ろで髪の毛を束ねていると、額の生え際が引っ張られて牽引性脱毛症の発症リスクが増加します。
牽引性の文字から引っ張られて髪の毛が抜けるイメージを持つ方も多いですが、実際には局所の血行不良が抜け毛の原因です。
また、AGAは思春期以降に見られる脱毛症のため、高校生や10代後半の男性でも発症する可能性があります。
AGAならなるべく早めに専門クリニックに相談
おでこはげがAGAの発症による場合は、なるべく早めに専門のクリニックに相談することが重要です。
AGAは進行型の脱毛症で、いったん発症すると完治する可能性はありません。
そのため、適切な治療により進行を遅らせ、年齢相応の毛髪量を維持することが重要です。
AGAの治療自体は皮膚科でも行っていますが、基本的に投薬治療しか受けられません。
専門クリニックなら投薬治療だけでなく、メソセラピーや自毛植毛など個人の状況に合わせた治療を受けられる点がメリットとなっています。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
骨格は個人によりさまざまなため、額が広いからといって一概におでこはげと断言できません。
ただし、以前と比べて明らかにおでこが広くなっており、抜け毛が増えている自覚がある方は、AGAなどの脱毛症の疑いがあります。
特に男性に見られる代表的な薄毛であるAGAは進行型のため、適切な治療により進行を遅らせることが大切です。
新宿AGAクリニックではAGAだけでなくFAGAや円形脱毛症も専門に扱っています。おでこの広さや抜け毛に関するお悩みがある方は、無料カウンセリングまでお気軽にお問い合わせください。

【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
«前へ「マカを含む食べ物にはどんなものがある?マカの成分と摂取する方法」 | 「頭皮ケアにホホバオイルはよくない?頭皮に問題が起きる理由と正しい使い方」次へ»