AGAの見分け方とは?治療のメリット・デメリットなど解説
薄毛にはさまざまな種類がありますが、男性に多く見られる代表的な脱毛症がAGAです。AGAは進行型の脱毛症であるため、発症が疑われるのにも関わらず何ら対策を講じないと薄毛が確実に進行します。
こちらの記事では、AGAの特徴や原因、どのように進行するのかについて解説します。記事の後半ではAGA治療を行うメリットやデメリット、治療に用いられる薬などを紹介しているので、薄毛や抜け毛が気になる方は参考にしてください。
目次
AGAとは何の略?
AGAは英語のAndrogeneticAlopeciaを略したもので、男性ホルモン型脱毛症を意味します。日本では男性型脱毛症と呼ばれており、20代以上の男性の3人に1人がAGAを発症していると言われています。
日本皮膚科学会が策定する男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、AGAについて思春期以降に発症し、徐々に進行する脱毛症と説明しており、適切な措置を怠ると薄毛がゆっくりとかつ確実に進行する点が特徴です。
AGAは男性ホルモンが原因で起こる?
AGAは男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体に結合し、サイトカインの一種であるTGF-βが生成されることで進行する点が特徴です。
AGAが進行するメカニズムについて理解するためには、正常なヘアサイクルとAGAを発症した際のヘアサイクルについて理解しておくことが重要です。
正常なヘアサイクル
髪の毛が生えて抜け落ちるまでの周期をヘアサイクルと呼んでおり、大きく以下の3期に分けられます。
成長期 |
毛母細胞が活発に分裂して髪の毛を太く・強く成長させる時期。 |
退行期 |
毛母細胞の分裂が鈍くなり、髪の毛の成長が滞る時期。 |
休止期 |
毛母細胞の分裂が完全に停止し、髪の毛が抜け落ちるのを待つ時期。 |
髪の毛はおよそ10万本あるとされますが、毛穴1つ1つに異なるヘアサイクルがあるため、1日当たりの抜け毛はおよそ50本〜100本です。
AGAのヘアサイクル
AGAの原因の1つが男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンです。テストステロンが活性化したジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体に結合すると、サイトカインの一種であるTGF-βが生成されます。
TGF-βは退行期誘発因子とも呼ばれており、正しいヘアサイクルの成長期を半年から1年にまで短縮させる点が特徴です。
ヘアサイクルの回数は決まっているため、TGF-βによってヘアサイクルの終りを迎えた毛穴が増えるにつれて次第に薄毛が目立ち始めます。
女性もAGAを発症する?
AGAは男性に見られる薄毛であり、女性が発症することはありません。女性に多く見られる脱毛症としては女性男性型脱毛症:FemaleAndrogeneticAlopeciaが挙げられます。
AGAが遺伝的形質によって発症リスクが増加するのに対し、FAGAは加齢やホルモンバランスの変化、生活習慣、ストレス、誤ったヘアケア、血行不良、過度のダイエットにともなう栄養不足など、さまざまな原因が複雑に絡み合った結果として発症する点が特徴です。
また、AGAを発症すると頭頂部や前頭部に著明な薄毛が見られますが、FAGAの場合は髪の毛全体のボリュームが減少したり、地肌が透けて見えるようになったりします。
AGAの見分け方は?どのように進行していくのか?
AGAには進行型という特徴がありますが、進行パターンを分類したものがハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれる指標です。
しかし、ハミルトン・ノーウッドは欧米人を対象としており日本人には該当しない点もあることから、日本人皮膚科医によって高島分類が作成されました。高島分類ではAGAの進行パターンを以下13類型に分類しています。
I型 |
生え際が後退し始める初期の段階。見た目の変化は少ない |
II型 |
1型が進行して見た目に変化が見られ始める |
II vertex型 |
II型に加え頭頂部のO字ハゲが進行し始める |
IIa型 |
II型に加えて額の生え際の後退が始まる |
III型 |
額の両側が後退してM字に見え始める。髪全体のボリュームも減少する |
III vertex型 |
III型に加えて頭頂部がOの形に透けて見え始める |
III a型 |
M字ハゲが目立ちはじめる |
IV型 |
額の両サイドのM字が進行し、頭頂部のO型もハッキリしてくる |
IVa型 |
額の両サイドのM字が進行するが、頭頂部にはまだ髪の毛が残っている状態 |
V型 |
生え際と頭頂部の薄毛がもう少しでつながりそうな状態 |
Va型 |
生え際と頭頂部の薄毛がつながるが、髪の毛はまばらに残っている状態 |
VI型 |
生え際と頭頂部の薄毛が完全につながり、側頭部と後頭部にだけ髪の毛が残っている状態 |
VII型 |
薄毛の範囲が広がり、襟足ともみあげ部分だけ髪の毛が残っている状態 |
上記の表を参考に、AGAを発症した際に見られるM字タイプ・U字タイプ・O字タイプの薄毛について解説します。
M字タイプ
M字タイプの薄毛は生え際が両サイドから後退し始める点が特徴です。上記の表ではIII型やIIIa型がM字タイプの薄毛に該当します。
U字タイプ
U字タイプの薄毛は額の両サイドがどんどん後退していき、頭頂部の薄毛とつながった状態を指します。上記の表ではVI型がU字タイプの薄毛に該当します。
O字タイプ
O字タイプの薄毛は頭頂部の抜け毛が進行し、アルファベットの「O」のように見える点が特徴です。上記の表ではII vertex型やIII vertex型がO字タイプの薄毛に該当します。
AGAは発症したら終わり?治療後に後悔するのか?
AGAは発症したら終わりと言われることがありますが、治療をしても意味がないという訳ではありません。薄毛医療の技術は日進月歩で進歩していますが、AGAは進行型の脱毛症であるため、確かに現在の医療ではAGAが完治することはありません。
しかし、AGAによる抜け毛のメカニズムは明らかになっているため、抜け毛を引き起こすジヒドロテストステロンの生成を抑えることで症状の進行を遅らせたり、年齢相応の毛量を取り戻す効果は期待できます。
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの一種であるテストステロンが活性化したものであり、活性化に際して5α-リダクターゼと呼ばれる酵素の一種が触媒として働きます。
5α-リダクターゼは頭頂部や前頭部の毛包に多く分布しているため、AGAを発症すると髪の毛がM字型やO字型、U字型に抜け落ちる訳です。
AGAの治療法の1つが医薬品によって5α-リダクターゼの働きを阻害し、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンの生成を抑制することです。
それによって、ヘアサイクルの周期を正常化させ、抜け毛を予防したり発毛を促したりする効果が期待できます。
AGA治療をするメリット・デメリットとは?
AGAは進行型の脱毛症であるため、適切な治療を行わないと薄毛がゆっくりとですが確実に進行します。そこで、AGA治療を行うメリットとデメリットについて紹介します。
AGA治療をするメリット
AGA治療をするメリットの1つが、抜け毛を抑制して年齢相応の毛髪量が維持できる点です。女性にとって髪の毛は命と呼ばれることもありますが、男性にとっても薄毛は非常にデリケートな問題ではないでしょうか。
髪の毛の量が年齢相応になることで自分に自信を取り戻し、仕事や恋愛に積極的になれたという方も少なくありません。
AGAは思春期以降に発症する脱毛症ですが、可能な限り早く治療を開始することで、早期の改善効果が期待できます。
AGA治療をするデメリット
AGA治療をする際に起こり得るデメリットの1つが副作用です。AGA治療薬のなかには男性ホルモンに作用し、性機能の低下をもたらす医薬品があります。
具体的な症状の1つが性欲の減退でAGA治療薬の1つであるフィナステリド錠を服用した方の1%〜5%未満に症状がみられるとのデータがあります。
また、1%未満に勃起機能不全や射精障害、精液量の減少などが見られるため、これから妊活を始めようと検討している男性は注意が必要です。
ただ、男性機能低下の副作用の発現率はそれほど高くないうえ、EDの治療薬を併用することも可能なので、医師に相談して対処するのがおすすめです。
重大な副作用として肝機能障害の可能性が挙げられていますが、医薬品の成分は主に肝臓で代謝されるので、AGA治療薬だけが肝臓に負担を掛ける訳ではありません。
AGA治療で使用する薬とは
AGAを治療する際には主に以下3つの治療薬を用いることが一般的です。
治療薬 |
効果 |
価格の目安 |
プロペシア |
5α-リダクターゼの働きを阻害する |
7,000円~9,000円 |
ザガーロ |
5α-リダクターゼの働きを強く阻害する |
8,000円~10,000円 |
ミノキシジル |
毛母細胞の死滅を抑制して発毛を促す |
5,000円~15,000円 |
ここでは、AGA治療で使用する3つの薬について解説します。
プロペシア
プロペシアは世界で初めて製造されたAGA治療薬で、現在では60ヶ国以上でAGAの治療薬として用いられています。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドの作用は、5α-リダクターゼの働きを阻害してジヒドロテストステロンの生成を抑制し、抜け毛を予防する点です。
国内ではプロペシアの特許期間が過ぎているため、安価で利用できるジェネリックも多く販売されており、価格の目安は4,000円程度となっています。
ザガーロ
ザガーロは2016年の6月に発売開始されたAGA治療薬です。フィナステリドが主に2型の5α-リダクターゼの働きを阻害するのに対し、ザガーロの有効成分であるデュタステリドは1型・2型双方の5α-リダクターゼの働きを阻害する点が特徴です。
そのため、ザガーロにはプロペシアよりも高い抜け毛予防効果が期待されています。また、ザガーロも国内での特許期間を終えているため、各製薬会社から8,000円程度でジェネリック錠が販売されています。
ミノキシジル
日本でAGAの治療効果が期待できるとして厚生労働省に認可されているのは、上記のフィナステリドとデュタステリド以外ではミノキシジルしかありません。
ミノキシジルには血管を拡張して血行を促進する作用があるうえ、毛母細胞の死滅を抑制して発毛を促進する作用が期待されています。
フィナステリド・デュタステリドとは作用機序が異なるため、併用することでさらにAGA治療の効果を高めることが期待できます。
AGA治療には保険が適用されないため、治療費や医薬品代は全額自己負担が原則です。また、クリニックにより用いる治療薬は価格が異なるため、事前にホームページなどで確認しておくのがおすすめです。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
抜け毛や薄毛、AGAに関するお悩みやご質問がある方は、新宿AGAクリニックまでお気軽にお問い合わせください。新宿AGAクリニックでは600パターンにもおよぶ治療法から一人ひとりに合ったオーダーメイドを提供し、効率的に薄毛を改善に導いています。
また、新宿AGAクリニックでは継続して通える価格が不可欠と考えており、患者様の負担が少ない価格設定が特徴です。カウンセリングは無料で受けられるので、まずはメールか電話でお問い合わせください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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