AGAの原因はストレスやホルモンバランス?なりやすい人や治療法などを解説
AGAは男性に見られる代表的な脱毛症の1つで、発症すると徐々に進行する点が特徴です。主に遺伝が原因となって発症しますが、遺伝だけが原因で発症するというよりは、生活習慣やホルモンバランスの変化、誤ったヘアケアなどの外的要因が加わって発症リスクが増加します。
こちらの記事ではAGAの原因やなりやすい人、効果的な対処法について解説します。記事の後半ではAGAが急激に進行した場合の対処法についても紹介しているので、AGAに悩んでいる方は参考にしてください。
目次
そもそもAGAとは?
AGAの原因やなりやすい人などについて解説する前に、そもそもAGAとはどのような脱毛症なのかについて知っておきましょう。
AGAは英語の「Androgenetic Alopecia」の略で、直訳すると男性ホルモンに起因する遺伝的な脱毛症との意味ですが、日本では単に男性型脱毛症と呼ばれることが一般的です。
AGAの発症には体内の酵素の一種である5α-リダクターゼが関わっていますが、5α-リダクターゼは頭頂部や前頭部の毛包に多く分布しています。
そのため、AGAを発症すると額の両サイドから後退するM字ハゲを発症したり、つむじまわりから薄毛が進行するO字ハゲを発症したりする点が特徴です。
AGAは発症したら終わり?年齢は関係しているのか?
日本皮膚科学会が策定する男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、AGAについて思春期以降に発症し徐々に進行する脱毛症と記載しています。
そのため、早い方は10代の終りや20代の前半でAGAを発症することもあります。また、年齢を重ねるにつれてAGAの発症リスクは増加し、50代以上になると5人に2人以上がAGAを発症すると考えられています。
AGAは進行型の脱毛症のため、治療をしないで放置するとゆっくりとですが確実に進行する点が特徴です。そのため、AGAは発症したら終わりと言われますが、適切な治療により症状の進行を遅らせ、年齢相応の毛髪量を取り戻す効果が期待できます。
AGAになりやすい人・その原因とは?
AGAになりやすい人やその原因としては以下の5つが挙げられます。
- 男性ホルモン
- 遺伝
- ストレス
- 生活習慣
- 外的要因
ここでは、AGAの発症リスクを高める原因および習慣について解説します。
男性ホルモン
AGAの発症リスクは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)によって左右されることが分かっています。
DHTは男性ホルモンの一種であるテストステロンから変化したもので、アンドロゲン受容体と結合してTGF-βを生成します。
TGF-βは退行期誘発因子とも呼ばれており、ヘアサイクルの成長期を短縮させ、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちる点が特徴です。
DHTは胎児の外生殖器を成長させるのに必要なホルモンではあるのですが、思春期以降には皮脂の分泌量を増加させたり、AGAや前立腺肥大症の発症リスクを高めたりします。
また、運動不足などが原因でテストステロンの分泌量が減少すると、テストステロンの働きを補うためにDHTの分泌量が増加するケースもあります。
遺伝
AGAには遺伝的な要因が深く関わることが分かっています。AGA発症のメカニズムを簡単に解説すると以下の通りです。
- 男性ホルモンの一種であるテストステロンが、活性の高いDHTへと変化する
- DHTがアンドロゲン受容体と結合してTGF-βを生成する
- TGF-βによってヘアサイクルの成長期が短縮され抜け毛を引き起こす
テストステロンがDGTへと変化する際に、触媒として重要な働きをするのが体内の酵素の一種である5α-リダクターゼです。
5αリダクターゼの活性度、およびアンドロゲン受容体の感受性は父母から受け継いだ遺伝子によって左右されることが分かっています。
遺伝的に5α-リダクターゼの活性度が高く、なおかつアンドロゲン受容体の感受性が高いと、AGAの発症リスクが増加します。
ストレス
ストレスはAGAを引き起こす直接的な原因ではありませんが、自律神経のバランスを乱して血行不良を招き、髪の毛の成長に悪影響を与える可能性があります。
ストレス状態が続くと自律神経のうち交感神経が優位に傾き、血管が収縮して血液の循環が阻害され、栄養状態の低下を招きます。
頭皮に送られる栄養が不足すると、髪の毛を成長させるためのエネルギーが不足するため、結果として抜け毛のリスクを高めるのです。
生活習慣
偏った栄養バランスの食事やお酒の飲みすぎ、喫煙、睡眠不足などの生活習慣も、AGAにともなう抜け毛のリスクを増加させる原因の1つです。
髪の毛は食事から摂取した栄養素により作られるため、過度のダイエットや偏った栄養バランスの食事によりタンパク質や亜鉛が不足すると、髪の毛の成長に悪影響をおよぼします。
お酒を飲みすぎると利尿作用により体内の水分が不足し、血行不良による栄養状態の低下を招きます。また、アルコールが代謝される際に亜鉛が失われるため、抜け毛のリスクを高める点も知っておかなければなりません。
たばこに含まれるニコチンには毛細血管を収縮させる作用があるため、毛細血管が多く分布する頭皮に送られる栄養が不足しやすくなります。
睡眠不足や睡眠の質の低下は夜間の成長ホルモンの分泌量を減少させ、毛母細胞の活発な分裂を妨げるため、AGAによる抜け毛のリスクが増加します。
外的要因
毎日シャンプーしているのにかゆみがでる方は、肌質に合っていないシャンプーによって頭皮環境の悪化を引き起こしている可能性があります。
頭皮環境が悪化すると髪の毛の健全な成長が妨げられるため、抜け毛や薄毛のリスクを高めやすくなります。
また、ヘアカラーやパーマを頻繁に行うと、薬剤によって頭皮がダメージを受け、髪の毛の成長に影響を与える恐れがあるため注意が必要です。
AGAに効果的な対処法は?セルフケアもできるのか?
AGAは主に遺伝的が原因で起こりますが、ホルモンバランスの乱れや栄養不足、睡眠不足、頭皮環境の悪化といった抜け毛リスクを高める要因は自力でも改善・予防が可能です。
そのため、普段から以下の点を意識してAGAによる抜け毛を改善・予防することがおすすめです。
- 栄養バランスを意識した食生活を心がける
- 生活習慣を見直す
- 頭皮環境を整える
ここでは、AGAによる抜け毛が見られる際に効果的な対処法について解説します。
栄養バランスを意識した食生活を心がける
髪の毛を作ったり頭皮環境を整えたりするためには、日常的に以下の栄養素を含む食品を積極的に摂取することがおすすめです。
栄養素 |
期待できる効果 |
多く含む食品 |
タンパク質 |
髪の毛を作る際の原料となる |
肉類・魚類・豆類・乳製品など |
亜鉛 |
アミノ酸を再合成してケラチンに作り替える |
牡蠣・煮干し・しらす干し・タラコ・豚レバー・牛肩ロースなど |
ビタミンB2 |
髪の毛や皮膚などの細胞を再生させる |
納豆・うなぎ・ブロッコリー・鶏卵・牛乳など |
ビタミンB6 |
皮脂の分泌量を適切に保つ |
赤身の魚・脂質の含有量が少ない肉類・バナナ・パプリカ・サツマイモなど |
ビタミンE |
頭皮や髪の毛の老化を予防する |
アーモンド・アボカド・ヒマワリ油・カボチャ・モロヘイヤなど |
食事だけでは上記の栄養素を賄いきれない方は、サプリメントを利用する方法があります。
生活習慣を見直す
髪の毛は毛母細胞が分裂することで成長しますが、毛母細胞の分裂は夜間に成長ホルモンが分泌されることで活発化します。
そのため、1日に6時間から7時間の睡眠時間を確保し、なるべく早寝早起きを心がけ、生活リズムを整えることがおすすめです。
また、たばこやお酒は髪の毛の成長を妨げる一因となるため、可能であれば禁煙および適度な飲酒を心がけましょう。
頭皮環境を整える
市販のシャンプーには洗浄力の強い成分が配合されており、毎日使っていると頭皮を守るべき皮脂まで奪われ、頭皮環境の悪化による抜け毛を引き起こす可能性があります。
シャンプーを欠かさないのに頭皮に赤みやかゆみが見られる方は、アミノ酸系の薬用シャンプー・育毛シャンプーに切り替えるのがおすすめです。
また、頭皮は太陽にもっとも近い箇所にあるため、外出の際には頭皮用の日焼け止めを塗り、帽子をかぶるなど紫外線対策を怠らないようにしましょう。
AGAが急激に進行した場合はどうすればいい?
AGAには思春期以降に発症してゆっくり進行するといった特徴がありますが、仮に抜け毛や薄毛が急激に進行するようであれば、病院や専門のクリニックを受診して適切な治療を受けてください。
AGA治療専門のクリニックでは、主に以下の方法でAGAの改善を図っています。
- 内服薬・外用薬
- 注射・レーザー
ここでは、AGAが急激に進行した場合に行われる主な治療法について解説します。
内服薬や外用薬を処方してもらう
AGAを発症した場合、まずは以下の治療薬を用いて改善を図るのが一般的です。
医薬品名 |
有効成分 |
種別 |
主な効果 |
プロペシア |
フィナステリド |
内服薬 |
DHTの生成を抑制 |
ザガーロ |
デュタステリド |
内服薬 |
DHTの生成を強く抑制 |
ミノキシジル |
ミノキシジル |
外用薬 |
血管を拡張・発毛シグナルを促進 |
AGA治療には原則として健康保険が適用されず、治療費や医薬品代は病院やクリニックごとに異なるため、事前にホームページなどで確認することがおすすめです。
注射やレーザーを用いて治療をする
AGAの症状を早期に改善したい場合、注射やジェットガスを用いてグロースファクターを頭皮下に注入する治療が行われます。
また、投薬治療による副作用が心配な方や、体質により医薬品が使えない方には、低出力のレーザー治療を行うケースがあります。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
AGA治療に関するご相談なら、新宿AGAクリニックまでお気軽にお問い合わせください。AGAは進行型の脱毛症ですが、適切な治療により進行を遅らせたり、年齢相応の毛髪量を取り戻すことは可能です。
新宿AGAクリニックでは投薬治療や注入療法だけでなく自毛植毛も行っているため、広範囲にわたり薄毛が目立つ方でも毛髪量を取り戻す効果が期待できます。
カウンセリングは無料で行っているため、治療法に関するご質問や費用に関するご相談がある方は、カウンセラーまでなんでもお問い合わせください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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