前頭部の薄毛の原因は?地肌が見えるのは危険サインなのか
前頭部の薄毛は男性だけでなく、女性にとっても悩ましい問題の1つです。男性の前頭部の薄毛は主にAGAに起因しますが、女性の薄毛はさまざまな原因が複雑に絡み合った結果として起こるケースが多いです。
本記事では、前頭部の地肌が見える原因や薄毛のサイン、考えられる病気の可能性、改善法や目立たなくさせる方法について解説します。前頭部の薄毛に悩まされている男性・女性の方は参考にしてください。
目次
前頭部の地肌が見えるのは薄毛のサイン?
前頭部の地肌がどの程度見えるかは個人によりさまざまです。生まれつき額が広い方や富士額の方は、前頭部の地肌が広い範囲で見える傾向にあります。
前頭部の地肌の露出が薄毛に起因しているのかに関しては、以下の点をチェックしてみてください。
- 額の両側が後退してアルファベットの「M」のように見える
- 以前と比べておでこが広くなった気がする
- 下ろした前髪がスカスカで隙間から額が見える
- おでこの生え際に産毛が目立つ
- 後ろで髪の毛を結ぶとおでこの生え際あたりが薄く見える
上記に該当する方は、薄毛を発症している可能性が疑われます。もともと額が広い方は過度に心配する必要はありませんが、以前と比べて目立つようになってきた方は要注意です。
前頭部の薄毛の原因とは?
以前と比べて額の後退が目立つ方は、前頭部に薄毛を発症している可能性が疑われます。前頭部の薄毛を発症する主な原因は以下の4つです。
- 遺伝
- ホルモンバランスの乱れ
- 栄養不足
- ストレス
それぞれについて詳しく解説します。
遺伝
前頭部に薄毛を発症する原因の1つが遺伝です。特に男性に多く見られるAGA(男性型脱毛症)は、発症に遺伝的要因が深く関わっています。AGAを発症するメカニズムは以下の通りです。
- 男性ホルモンの一種であるテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変化する
- ジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体に結合しTGF-βを生成する
- TGF-βによりヘアサイクルの成長期が短縮され抜け毛リスクが増加する
テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際に、触媒として働くのが5αリダクターゼと呼ばれる酵素で活発度が遺伝に左右されます。
また、アンドロゲン受容体の感受性も遺伝的に受け継がれるため、双方の遺伝子を親から受け継いでいるとAGAの発症リスクが増加します。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れも、前頭部に薄毛を発症する原因の1つです。特に女性は産後や更年期にホルモンバランスが乱れると、薄毛を発症しやすいことが分かっています。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンには髪の毛のハリやコシを生み出すはたらきがあり、プロゲステロンにはヘアサイクルの成長期を維持するはたらきがあります。
しかし、産後や更年期になると女性ホルモンの分泌量が減少するため、抜け毛が増えたり髪の毛全体のボリュームダウンを招いたりするのです。
栄養不足
前頭部の薄毛の原因としては栄養不足も挙げられます。髪の毛は食事から摂取した栄養素をもとに作られるため、偏った栄養バランスの食事を続けると、ヘアサイクルが乱れて抜け毛リスクを高めます。
若い女性であっても極端なダイエットで栄養不足に陥ると、前頭部の薄毛を発症する恐れがあるため注意が必要です。
髪の毛の成長に必要な栄養が不足する要因としては、頭皮が引っ張られる髪形も挙げられます。いつも後ろで髪の毛を結んでいると、引っ張られた箇所で血行不良を起こし、髪の毛の成長を妨げてしまうためです。
ストレス
ストレスも前頭部の薄毛リスクを高める原因の1つです。ストレスが蓄積すると自律神経のうち交感神経が優位に傾き、血管収縮・血行不良を招き、頭皮に送られる栄養が不足するためです。
夜になっても交感神経優位の状態が続くと睡眠の質が低下するため、夜間の毛母細胞の分裂が妨げられ、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。
慢性的にストレスを抱えていると、ホルモンバランスにも影響するため注意が必要です。
前頭部の薄毛で考えられる病気は?
前頭部の薄毛で考えられる主な病気は以下の5つです。
- 男性型脱毛症 (AGA)
- 女性型脱毛症(FAGA)
- 牽引性脱毛症
- 円形脱毛症
- 脂漏性皮膚炎
それぞれの特徴や原因について解説します。
男性型脱毛症 (AGA)
男性の前頭部の薄毛は、男性型脱毛症(AGA)に起因するケースが多いです。男性型脱毛症は思春期以降に発症し、徐々に進行する脱毛症と定義されています。
いったん発症すると完治する可能性はないため、なるべく早めに対処しなければなりません。男性型脱毛症の特徴は、前頭部や頭頂部から薄毛が進行する点です。
男性型脱毛症はジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体と結合し、TGF-βを生成することで発症・進行します。
ジヒドロテストステロンの生成に5αリダクターゼが関わっている点については先述の通りです。
5αリダクターゼは前頭部や頭頂部の毛包に多く分布しているため、男性型脱毛症を発症するといわゆる「M字はげ」や「O字はげ」など特徴的な薄毛の様相を呈します。
男性型脱毛症は主に遺伝が原因で発症するため生活習慣や食習慣、ヘアケアの見直しでは改善が困難です。
女性型脱毛症(FAGA)
女性型脱毛症(FAGA)は、更年期前後の女性に多く見られる脱毛症の1つです。AGAによる抜け毛がジヒドロテストステロンに起因するのと同様に、FAGAにもジヒドロテストステロンが関わっています。
女性の体内でもわずかながら男性ホルモンが分泌されているため、ジヒドロテストステロンの分泌量が増加すると抜け毛リスクが高くなるのです。
特に更年期に入ると女性ホルモンの分泌量が減少し、相対的に男性ホルモンの量が増加するため、抜け毛リスクが高くなると考えられます。
牽引性脱毛症
牽引(けんいん)性脱毛症は男女を問わず見られる薄毛の一種です。いつも同じ箇所で髪の毛を分けたり結んだりしていると、引っ張られた箇所に血行不良を起こし髪の毛の成長が妨げられます。
牽引と言う文字から髪の毛が引っ張られて抜けるイメージを持つ方も多いですが、実際には血行不良にともなう栄養不足が抜け毛リスクを高めると知っておいてください。
通常は髪形を変えると次第に症状が改善しますが、毛包の深い箇所にまでダメージが及ぶと、二度と髪の毛が生えて来なくなる恐れもあるため注意しなければなりません。
円形脱毛症
円形脱毛症は年齢や性別を問わず、誰でも発症する可能性がある薄毛の1つです。円形脱毛症の特徴としては、ある日突然のようにまとまった髪の毛がごっそりと抜け落ちる点が挙げられます。
脱毛斑と髪の毛が生えている箇所の境界線が明確な点も、その他の脱毛症と異なる円形脱毛症の特徴です。
発症者のおよそ25%が15歳とも言われているため、若い方でも急激に抜け毛の量が増えている場合は気をつける必要があります。
円形脱毛症の原因に関しては明らかにされていませんが、現在では自己免疫疾患説が有力視されています。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は常在菌の一種であるマラセチアが異常繁殖し、頭皮に赤みやかゆみを生じる炎症性の皮膚疾患です。
発症したからすぐに抜け毛が増える訳ではありませんが、頭皮環境が悪化した状態が続くと、髪の毛の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
脂漏性皮膚炎の直接的な原因は皮脂の過剰な分泌です。皮脂が過剰に分泌される原因としては、脂質が多い食事やストレス、誤ったヘアケアなどが挙げられます。
前頭部の薄毛を改善する方法は?
前頭部の薄毛はさまざまな原因で起こりますが、抜け毛が気になりはじめたら以下の対処を講じるのがおすすめです。
- 正しいシャンプーをする
- 髪形を変える
- 薄毛治療を受ける
ここでは、前頭部の薄毛を改善する3つの方法について解説します。
正しいシャンプーをする
前頭部の薄毛が気になりはじめたら、シャンプーのやり方を見直してみる必要があります。正しいシャンプーのやり方は以下の通りです。
-
- シャンプーの前にブラシで髪をとかしておく
- 髪の毛だけでなく頭皮も予洗いする
- シャンプーを手のひらで十分に泡立ててから数箇所につける
- 指の腹でマッサージするように優しく頭皮を洗う
- シャンプーを残さないようしっかりと洗い流す
シャンプーの前にブラシで髪の毛をとかしておくと、洗う際に絡みにくくなり抜け毛リスクを下げられます。
髪の毛だけでなく頭皮も予洗いしておくと、余分な皮脂や汚れなどが落ちるため、シャンプーをする時間の短縮が可能です。
シャンプーを十分に泡立てるとすすぎやすくなるため、洗い残しのリスクを下げられます。洗髪の際には指の腹で頭皮をマッサージするように洗うのがポイントです。
髪形を変える
前頭部の薄毛が気になる方は、髪形を変えて目立たなくさせる方法があります。薄毛が改善するまでの間、自分に合った髪形で過ごすとストレスからも解放されやすくなります。
薄毛の男性におすすめの髪形はショートカットやソフトモヒカン、おしゃれ坊主、ニュアンスパーマなどです。
薄毛が気になる女性の場合はベリーショートやゆるふわパーマ、ショートボブやレイヤーカットなどがおすすめです。
いつも同じ箇所で髪の毛を分けている方は、分け目を変えたり分け目がないヘアスタイルに変更し、頭皮にかかる負担を減らすと良いでしょう。
薄毛治療を受ける
生活習慣の見直しやヘアケア方法の変更などセルフケアで抜け毛が改善しない方は、専門のクリニックで薄毛治療を受けるのがおすすめです。
特に男性に見られる男性型脱毛症(AGA)は進行型の特徴があり、発症にもかかわらず手をこまねいていると症状がゆっくりとですが確実に進行します。
女性の抜け毛はさまざまな要因が複雑に絡み合って発症するため、まずは専門医に相談して抜け毛の原因を特定することが重要です。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
AGAやFAGAに関するご相談なら、新宿AGAクリニックまでお気軽にお問い合わせください。新宿AGAクリニックでは男性の薄毛だけでなく、女性の脱毛症や円形脱毛症など薄毛全般の治療を専門的に行っています。
また、新宿AGAクリニックでは治療を検討している方に向け、無料カウンセリングを行っています。治療法に関するご質問や費用に関するご相談など、専門のカウンセラーに何でもお問い合わせください。

【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医