ミノキシジルを半年服用しても効かない人はいる?その原因や対処法とは
ミノキシジル外用薬はフィナステリド内服薬、デュタステリド内服薬と同様に、厚生労働省によってAGAに対する効果を承認されている数少ない治療薬の1つです。
内服タイプのミノキシジルに関しては国内未承認ですが、外用薬よりも高い発毛効果が期待できるため、多くのAGAクリニックでは副作用のリスクに注意しながら処方を行っています。
AGA治療においては攻めの治療薬に位置づけられるミノキシジルですが、中には服用目安となる半年を経過しても発毛効果が実感できない人もいるようです。
こちらの記事では、ミノキシジルが効かない際に考えられる5つの理由や対処法、効果に関して多く寄せられている疑問について解説します。
目次
ミノキシジルを半年服用しても効かない人はいる?
ミノキシジル外用薬の効果があらわれるまでの期間には個人差がありますが、臨床試験のデータによると6ヶ月あたりから著明な改善を実感する人が出はじめ、使用を継続すると次第に発毛効果を実感する人が増加していきます。
内服タイプのミノキシジルは外用薬よりも高い効果が期待できますが、半年服用しても効かない人は以下の5点に該当しないか確認してみましょう。
- 用法用量が間違っている
- 生活習慣が乱れている
- 正規品を使用していない
- 初期脱毛への理解ができていない
- AGAではない
はじめに、ミノキシジルを半年服用しても効かない際に考えられる5つの理由について解説します。
用法用量が間違っている
ミノキシジルを半年服用しても効かない人は、用法用量が間違っていないか確認してみましょう。ミノキシジル内服薬は通常1日1錠を決まったタイミングで服用します。
1日1錠を服用するため、飲み忘れがあると期待した効果を得られない可能性があります。ただし、飲み忘れたからといって次の日に2錠服用するのはNGです。
規定量より多く服用しても効果が得られないばかりか、副作用のリスクが高くなるため注意が必要です。また、ミノキシジル内服薬は水かぬるま湯で服用してください。
例えば牛乳などの乳製品で服用すると、胃や腸に膜が張られて有効成分の吸収を阻害する恐れがあります。また、グレープフルーツは有効成分の代謝を妨げるため、ミノキシジル服用時の摂取は避けてください。
生活習慣が乱れている
ミノキシジルには血管を拡張して血液の循環をスムーズにして、発毛シグナルを促進する作用があるため、薄毛治療に効果的とされています。しかし、ミノキシジルだけに頼っていては十分な発毛効果が期待できません。
いくらミノキシジルの服用で血液の循環がスムーズになっても、ストレスや睡眠不足などが原因で自律神経のバランスが乱れると、血管が収縮して血行不良を招きやすくなるため十分な効果が得られません。
揚げ物やスナック菓子、生クリームやバターを多く含む洋菓子などを好んで食べていると、動脈硬化が進行して血行不良を引き起こすリスクが増加します。
また、肌質に合わないシャンプーや誤った頭皮の洗い方を続けていると、頭皮環境の悪化による抜け毛を引き起こしやすくなります。
抜け毛の原因は人によりさまざまなため、ミノキシジルの服用だけでなく生活習慣や食習慣の見直しも欠かせません。
正規品を使用していない
ミノキシジルの服用を半年続けても効果が出ない人は、正規品を使用していない可能性があります。特に海外の通販サイトから個人輸入でミノキシジル内服薬やジェネリック医薬品を購入している人は要注意です。
海外製の医薬品やジェネリックには偽造薬剤や粗悪品が混じっているケースが少なくありません。偽造薬剤や粗悪品を服用しても十分な効果が得られないうえ、副作用のリスクが増加する傾向にあります。
海外製の医薬品を服用して重篤な副作用が起こったとしても、国による医薬品副作用被害救済制度が適用されないため、自分の判断で海外製の医薬品を服用しないようにしましょう。
初期脱毛への理解ができていない
ミノキシジルが効かないと感じる人のなかには、初期脱毛に関する理解が欠けている人も少なくありません。初期脱毛は、ミノキシジルの服用を開始して2週間から1ヶ月程度で起こる一時的な抜け毛量の増加を意味します。
ミノキシジルを服用すると発毛シグナルが促進されるため、新しく生えてきた髪の毛により、弱々しく細い髪の毛が押しだされて抜け落ちやすくなります。
初期脱毛は2ヶ月から3ヶ月ほどで落ち着くのが一般的です。初期脱毛はミノキシジルの効果が出ている裏返しのため、自分の判断で服用を中断するのはNGです。
AGAではない
薄毛にはさまざまなタイプがありますが、ミノキシジルが効果的なのは基本的にAGA(男性型脱毛症)FAGA、円形脱毛症に対してのみです。脂漏性脱毛症に対しては、ミノキシジルの効果が期待できないと考えられています。
1年以上にわたりミノキシジルの服用を続けてもまったく発毛が見られないようであれば、他の治療法を検討する必要があります。
ミノキシジルが効かない人は?
ミノキシジルが効かない人の特徴としては以下の3点が挙げられます。
- 遺伝による薄毛が進行している
- 薄毛の範囲が広い
- 治療を開始するのが遅い
男性の薄毛は主に遺伝的要因によって起こります。特に遺伝的に5αリダクターゼの活性度が高く、アンドロゲン受容体の感受性が高いと遺伝による薄毛を発症しやすいと考えられています。
5αリダクターゼは男性ホルモンの一種であるテストステロンを、活性の高いジヒドロテストステロンへと変化させる酵素の一種です。
ジヒドロテストステロンはアンドロゲン受容体と結合し、抜け毛を引き起こす有害なサイトカインであるTGF-βを生成します。
ミノキシジルには5αリダクターゼの働きを妨げる作用がないため、遺伝的な薄毛の場合はミノキシジルと並行してフィナステリド内服薬、もしくはデュタステリド内服薬を服用しなければなりません。
AGAが進行すると次第に薄毛の範囲が広くなり、治療薬では発毛が追い付かなくなるケースもあります。あまりにも広い範囲の髪の毛が抜け落ちている人は、薬物療法ではなく自毛植毛が効果的です。
また、髪の毛が生えてから抜け落ちる周期であるヘアサイクルは回数に上限があるため、治療を開始するのが遅いと手遅れとなる可能性もあります。
ミノキシジルはだんだん効かなくなるのか?
医薬品を服用していて次第に効かなくなると、薬への耐性がついたといわれるケースがあります。しかし、ミノキシジルの長期的な服用によって耐性がつくかどうかに関しては、エビデンスをともなう報告がありません。
抜け毛の原因はさまざまなため、長期の服用でミノキシジルが効かなくなっていると感じている人は、生活習慣やヘアケアのやり方を見直してみましょう。
セルフケアで抜け毛が改善しない人は、専門のクリニックで相談するのがおすすめです。
ミノキシジルが効かない時の対処法は?
ミノキシジルが効かないと感じる人は、次のように対処するのがおすすめです。
- 1年間はミノキシジルの使用を続ける
- 生活習慣を見直す
- 医師に相談する
1年間はミノキシジルの使用を続ける
ミノキシジルに限った話ではありませんが、発毛剤は半年から1年は使用を継続するのが基本です。発毛剤の使用で髪の毛が新たに生えてくるのは、乱れたヘアサイクルが整うためです。
ヘアサイクルは、髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期で、およそ2年から6年サイクルで繰り返されます。ヘアサイクルの大半を髪の毛の成長期が占めていますが、AGAを発症すると成長期が半年から1年に短縮されるため抜け毛が目立ちはじめます。
ミノキシジルを服用すると毛母細胞の働きが活発化して新たな髪の毛の成長を促しますが、ヘアサイクルは毛穴ごとに異なるため、すぐに発毛効果が実感できるわけではありません。
治療を始めてすぐに効果が見られないからといって自分の判断でミノキシジルの服用を中断せずに、最低でも1年間は使用を続けるのが薄毛を改善するためのポイントです。
生活習慣を見直す
ミノキシジルが効かない際には、生活習慣を見直してみましょう。いくらミノキシジルを服用しても、生活習慣が乱れっぱなしでは発毛効果が期待できません。
例えば睡眠不足や睡眠の質の低下が続くと、夜間に分泌される成長ホルモンの量が減少して細胞分裂が鈍くなるため、髪の毛の成長に悪影響をおよぼします。
適切な睡眠時間に関しては専門家の間でも意見が分かれますが、成人男性は1日に6〜7時間の睡眠をとるよう意識しましょう。
睡眠の質の低下も髪の毛の成長に悪影響をおよぼすため、日中に適度に身体を動かしたり、早起きして朝日を浴びたりして睡眠リズムを整えるのがおすすめです。
髪の毛の成長には栄養が欠かせないため、良質なタンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく含んだ食事を意識することも大切です。
医師に相談する
ミノキシジルを長期間服用しても効果が見られない人や、セルフケアでは薄毛・抜け毛が改善しない人は、AGAクリニックの専門医に相談するのがおすすめです。
AGAクリニックの医師は薄毛・抜け毛治療に特化しているため、一人ひとりに最適の治療法を提案してくれます。例えばミノキシジルだけでは発毛効果が見られない場合、フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬を併用する方法があります。
ミノキシジルの効果に関するよくある質問
ミノキシジルの効果に関しては、以下3つの質問が多く寄せられています。
- ミノキシジルは女性には効かない?
- ミノキシジルは頭頂部には効かないって本当?
- ミノキシジルを使用しても産毛止まりなのはなぜ?
ミノキシジルは女性には効かない?
ミノキシジルには塗り薬タイプと内服タイプの2つがありますが、いずれも女性の薄毛に対して効果的です。女性用の塗り薬には、一般的に1%のミノキシジルが配合されています。
女性用のミノキシジル外用薬は、薬局やドラッグストアでも購入可能ですが、自分に合った治療薬を望む人はAGAクリニックで相談するのがおすすめです。
AGAクリニックでは薄毛の程度や体質などを考慮して、ミノキシジル内服薬を処方するケースもあります。ただし、妊婦や妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性はミノキシジル内服薬を服用できません。
ミノキシジルは頭頂部には効かないって本当?
ミノキシジルの効果は頭皮全体に及ぶため、頭頂部だからといって効かない訳ではありません。しかし、頭頂部はAGAの影響を強く受ける箇所の1つです。
先述したように、遺伝的に5αリダクターゼが活発にはたらき、アンドロゲン受容体の感受性が高い場合にAGA発症のリスクが増加します。
5αリダクターゼは頭頂部や前頭部の毛包に多く分布しているため、AGAを発症するとO字はげやM字はげといった特徴的な薄毛を引き起こしやすくなるのです。
ミノキシジルには血行を促進したり、毛母細胞の分裂を促したりする作用がありますが、5αリダクターゼの働きを阻害する作用はありません。
そのため、頭頂部の薄毛を改善したい人はミノキシジルと並行して、5αリダクターゼの働きを阻害するフィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬を服用するのがおすすめです。
ミノキシジルを使用しても産毛止まりなのはなぜ?
ミノキシジルを使用して髪の毛が生えてきても産毛で止まってしまうのは、髪の毛の成長に必要な栄養が足りていなかったり、生活習慣が乱れていたりするためと考えられます。
産毛が生えてくる時点でミノキシジルの効果があらわれている証拠なので、産毛を太く・強く成長させるため、食習慣や生活習慣を見直すことが大切です。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
日本でAGA治療に主に用いられている正規の治療薬は、ミノキシジルとフィナステリド内服薬、デュタステリド内服薬の3つがあります。
フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬がAGA治療において守りの治療薬とされるのに対し、ミノキシジルは高い発毛効果が期待できることから攻めの治療薬に位置付けられています。
ミノキシジルが効かないと感じる人は服用方法や生活習慣、普段のヘアケアなどを見直すことが大切です。セルフケアで改善が見られない人は、新宿AGAクリニックまでお気軽にご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
«前へ「女性のフケの原因は乾燥?ストレス?年代別の原因、対処法を解説!」 | 「ミノキシジルの効果とは?その副作用ややめるとどうなるのか?」次へ»