円形脱毛症の初期症状から回復までの流れについて
円形脱毛症は髪の毛が急に円形またはびまん的に抜け落ちてしまう症状です。
脱毛部分は一か所から多発する場合がありそれぞれが結合して大きく脱毛する場合や全頭に及ぶ場合もあります。
症状によっては眉毛やまつ毛など全身の体毛まで抜けてしまう場合があります。
今回は円形脱毛症の初期症状から回復までの流れについて解説致します。
目次
円形脱毛症の種類
円形脱毛症にも様々な種類があります。
ここでは円形脱毛症の種類について解説します。
単発型・多発型
頭皮に円形や楕円形の脱毛斑が1つだけできる症状を「単発型円形脱毛症」と言います。
円形脱毛症の中では最も多くみられるタイプの症状です。
単発型は放っておいて治るケースもありますが脱毛斑が広がって大きくなる場合や脱毛部位が増える「多発型円形脱毛症」になるケースもあります。また脱毛斑どうしが広がる事で頭部全体にまだら模様に広がるケースもあります。
いきなり多発型の円形脱毛症になる事もありますが単発型の円形脱毛症から多発型の円形脱毛症に移行する場合もあります。
抜け毛の範囲が広ければ広い程、治療に要する期間も長くなります。
全頭型
多発型から症状が進み頭部全体の毛髪がすべて抜け落ちてしまうタイプの円形脱毛症を「全頭型脱毛症」といいます。抜け毛の範囲が頭全体の25%を超えた場合、重症の円形脱毛症と診断されます。
非常に治りにくいケースが多く長期に渡って治療を行う必要があります。
ウィッグなどを使用し円形脱毛症と上手に付き合っていく工夫が必要となります。
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汎発型(はんぱつがた)
汎発型脱毛症は、抜け毛の範囲が眉毛やまつ毛や体毛など全身に及ぶのが特徴です。
円毛脱毛症の中でももっとも重症例であり治療が長期に渡り、円形脱毛症の中でももっとも難治療とされています。
全頭型と同様に長期に渡って治療を行う必要がある為、ウィッグなどを使用して円形脱毛症と上手に付き合っていく工夫が必要となります。
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円形脱毛症の初期症状から回復までの流れ
円形脱毛症は予後の推測が難しい疾患です。
ここでは一般的に多くみられる初期症状から回復までの流れについて解説します。
初期症状
円形脱毛症はある日突然何の前触れもなく発症するイメージをお持ちの方が多いですが実際はどうなのでしょうか。
円形脱毛症はその他の脱毛症の様に徐々に抜け毛が増えるという薄毛ではなく突然何の前触れもなくごっそり髪が抜ける症状の為、ほとんどの方は何の自覚症状もないまま円形脱毛症を発症しているようです。
美容室や家族や友人の指摘により自覚する方も多いようです。
また、円形脱毛症の初期症状に気づいた方はおよそ5割で髪を洗っている際やブラッシングの際にごっそり髪が抜け落ちる事で気づく場合や枕に付着している抜け毛の量が増え気づく場合が多いようです。
その他にも円形脱毛症を発症する前に頭皮にかゆみを感じる方もいるようです。
進行期
円形脱毛症の症状の始まりで抜け毛が多く、髪を軽くすくい上げるだけで簡単に髪が抜け落ちます。
脱毛部分の根元から髪が切れる切断毛が根元に残った状態で症状が進むとこの短い切れた毛も抜け落ちます。
抜けた髪は根元が切れた状態で細くとがった状態です。
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症状固定期
脱毛斑が広がる傾向がなく進行期のような脱毛や切断毛が無い状態になります。
回復期
脱毛斑の一部に産毛が生えてきます。(白髪や萎縮毛で生えてくる場合もあります。)
進行期には毛穴も見えないツルツルの状態だった頭皮に毛穴が見られるようになります。
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まとめ
円形脱毛症は自己免疫疾患やアトピー性皮膚炎などによって起きる症状です。
放置していても自然に治る可能性は低い為、専門医の受診をおすすめ致します。
円形脱毛症には単発型、多発型、全頭型、汎発型といった種類があります。
特に多発型や全頭型、汎発型になると完治するまで数年かかる事もあるのです。
円形脱毛症の症状があまりにもひどい場合、副作用の強いステロイド製剤の内服や入院などの加療を行う病院やクリニックもあります。
当院ではステロイド製剤の内服は副作用のリスクが高いためステロイド製剤の内服による治療は行っておりません。またステロイド局所注射の治療効果は高いですが痛みが生じ薬剤による副作用もある事が欠点です。
当院では複数の治療法を組み合わせて円形脱毛症の改善を図っております。当院で行っている局所免疫療法は局所注射に比べ痛みが少なく広範囲に行えることや薬剤による副作用がほとんど起きないことがメリットで円形脱毛症の治癒率は圧倒的に高いと思われます。
円形脱毛症の初期の段階から治療を行う事で重症化を防ぐ事ができる可能性があり円形脱毛症の予後を変える可能性を秘めていると考えております。
円形脱毛症でお悩みの方は、お一人で悩まず当院までお気軽にご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医