壮年性脱毛症とは-セルフチェック項目や進行を抑える方法を知って対策を!
抜け毛や薄毛が気になってインターネットを検索した方の中には、壮年性脱毛症と呼ばれる病気を見つけた方もいらっしゃるのではないでしょうか。一般的には30代から50代までが壮年期とされますが、まだ若いうちに抜け毛の量が増えると不安になることもあるでしょう。
壮健性脱毛症には、その他の脱毛症とは異なる特徴があるため、なるべく早めに対処することが求められます。こちらの記事では、壮年性脱毛症の特徴や原因、進行を抑える方法などについて解説しています。
壮年性脱毛症とは
壮年性脱毛症はその名の通り、壮年期に見られる代表的な脱毛症を意味します。ここでは壮年性脱毛症に関して、以下の点について解説しています。
- AGAとの違い
- 好発年齢
- 原因
- 進行パターン
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
AGAとの違い
AGAは男性に見られる脱毛症の一種で、英語のAndrogenetic Alopeciaを略したものです。日本では男性型脱毛症と呼ばれており、男性に見られる薄毛の大半をAGAが占めていると考えられています。
壮年性脱毛症はAGAの一種です。AGAには思春期以降に発症し、徐々に進行するといった特徴があるのですが、壮年性脱毛症に関しても同じことが言えます。
AGAは思春期以降の男性であればだれでも発症する可能性があるのですが、若い方が発症した場合を若年性脱毛症、高齢者が発症した場合を老人性脱毛症と呼び、壮年期の男性が発症した場合を壮年性脱毛症と呼んでいるのです。
30〜50代の男性に多い
壮年には心身共に成熟し、社会的な重責を担う働き盛りの頃といった意味があります。内閣府では30歳から39歳を壮年と定義していますが、一般的には30代から50代の男性を壮年と呼ぶことが多いようです。
壮年期脱毛症は、30代から50代の男性に見られるAGAのことで、いきなり髪の毛が抜け落ちるのではなく、徐々に薄毛の範囲が広がっていくといった特徴があります。
発症の原因は遺伝的要因が大きい
壮年性脱毛症の発症原因としては、遺伝的な要因が挙げられています。壮年期脱毛症の発症に関わる男性ホルモンとして、ジヒドロテストステロン(DHT)の存在がよく知られています。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが変化したものなのですが、その変化に際して5α-リダクターゼと呼ばれる酵素が重要な働きをします。
ジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体に結合すると、抜け毛の原因となる有害なサイトカインを産生します。その結果、壮年性脱毛症が徐々に進行する訳です。
壮年性脱毛症を引き起こす要因となる5α-リダクターゼの活発度や、アンドロゲン受容体の感受性が遺伝によって左右されるため、壮年性脱毛症の原因の多くは遺伝とされるのです。
6段階の進行パターンがある
壮年性脱毛症は、大きく分けてⅠ型からⅥ型まで6つの進行パターンに分類されます。以下の表で壮年性脱毛症の進行パターンを簡単に紹介します。
Ⅰ型 | 髪の毛全体のボリュームが減少したように感じる段階 |
Ⅱ型 | おでこの生え際部分が後退し始めた状態 |
Ⅲ型 | Ⅱ型の壮年期脱毛症が進行して、アルファベットのMのように、ひたいの両脇が後退した状態 |
Ⅳ型 | おでこの後退に加えて、頭頂部にアルファベットのOのような薄毛が出来始めた状態 |
Ⅴ型 | おでこの後退が進行し、頭頂部の薄毛も広がった状態 |
Ⅵ型 | おでこの後退が頭頂部にまで進行し、側頭部と後頭部以外の髪の毛が多く抜けている状態 |
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壮年性脱毛症は女性も発症する可能性がある
AGA自体は壮年期の男性に見られる脱毛症なのですが、壮年性脱毛症は女性であっても発症する可能性があります。AGAが男性型脱毛症と呼ばれるのに対し、女性に見られる壮年性脱毛症のことを、女性型脱毛症と呼ぶケースもあります。
女性の場合は30代で壮年性脱毛症を発症するようなケースはあまり多くありません。一般的には50代以降の女性に壮年性脱毛症の発症が見られます。女性の壮年性脱毛症に関しては、男性のように局所が禿げ上がるような薄毛になることはあまり多くありません。
更年期の女性ホルモン減少が原因の1つ
女性が壮年性脱毛症を発症する原因として、更年期の時期に起こる女性ホルモンの分泌量減少が挙げられています。女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、髪の毛を豊かに艶やかに成長させる働きがあります。
ところが、更年期に入るとエストロゲンの分泌量が徐々に減少します。女性の体内でもわずかながら男性ホルモンが分泌されており、エストロゲンの分泌量が減少することで、相対的に男性ホルモンの分泌量が増大します。その結果、女性であっても壮年性脱毛症を発症する結果となるのです。
壮年性脱毛症セルフチェック6つの項目
壮年性脱毛症の発症が疑われる場合、以下の6項目をチェックしてみましょう。当てはまる項目が複数ある場合、なるべく早めに専門のクリニックを受診しましょう。
- 家族や親戚に薄毛の人がいる
- 髪の毛全体のボリュームが少なくなってきた
- ここ数ヶ月〜数年で抜け毛が多くなってきた
- 抜け毛に毛根がないことが多い
- 額が広くなってきた気がしている
- 頭のてっぺんの頭皮が見えてきた気がしている
それぞれについてさらに詳しく解説します。
家族や親戚に薄毛の人がいる
壮年性脱毛症が疑われる場合、家族や親戚に薄毛の人がいないか確認してみましょう。壮年性脱毛症には遺伝的な要因が大きく関わっています。
遺伝的に5α-リダクターゼの働きが活発で、なおかつアンドロゲン受容体の感受性が高い場合、AGAを発症するリスクも高いと考えられています。
アンドロゲン受容体の感受性は隔世遺伝によって決まるため、父母が薄毛ではない方であっても、先祖に薄毛の方がいる場合、壮年性脱毛症を発症する可能性があります。
髪の毛全体のボリュームが少なくなってきた
壮年性脱毛症の発症が疑われる場合、髪の毛全体のボリュームが、以前よりも少なくなってきていないかが確認してみましょう。髪の毛全体のボリュームが少なくなる原因としては、抜け毛の量が増えていることの他に、髪の毛1本1本が細くなっていることも挙げられます。
壮年性脱毛症を発症すると、髪の毛の成長するサイクル(ヘアサイクル)が短くなり、髪の毛が十分に成長しなくなったり、成長を終えない内に抜け落ちたりする可能性が高くなります。
ここ数ヶ月〜数年で抜け毛が多くなってきた
ここ数ヶ月〜数年で急に抜け毛の量が増えた場合も、壮年性脱毛症を発症している可能性があります。抜け毛はだれにでも見られる生理現象であり、1日につき50本から100本の抜け毛が見られるのは正常の範囲内です。季節によっては150本から200本の抜け毛が見られることもあります。
ただ、100本以上の抜け毛が継続して見られる場合、壮年性脱毛症の発症に伴ない、抜け毛の量が増えている可能性もあります。抜け毛の量を確認するには、排水溝に詰まる髪の毛の量をチェックするのが簡単です。
抜け毛に毛根がないことが多い
壮年性脱毛症を発症しているかどうかを確認する方法の1つが、抜け毛の状態を確認することです。特に、抜け毛の根元に毛根が付着していない場合、壮年性脱毛症を発症している可能性があります。
ヘアサイクルを正常に終えて抜け落ちた髪の根元には、毛根鞘(もうこんしょう)と呼ばれる、半透明のゼリー状の組織が付着しています。毛根鞘には、髪の毛と頭皮とを結びつける働きがあるのですが、ヘアサイクルを終えると毛根鞘ごと髪の毛は抜け落ちます。
抜け毛に毛根が確認できない場合、正常なヘアサイクルを終える前に、髪の毛が抜け落ちている可能性があるのです。
額が広くなってきた気がしている
以前と比べて額が広くなった気がしている場合、壮年性脱毛症を発症しているのかもしれません。壮年性脱毛症はまず髪の毛全体のボリュームが減少し、額の生え際が後退するといった発症の仕方が特徴です。
前髪を下ろしていると額の後退に気が付きにくいので、たまに前髪をかき上げ、額の生え際を確認するようにしましょう。
頭のてっぺんの頭皮が見えてきた気がしている
頭のてっぺんの頭皮が見えてきた気がしている場合、壮年性脱毛症を発症している可能性があります。壮年性脱毛症を引き起こす原因の1つである5α-リダクターゼは、前頭部や頭頂部に多く分布しています。
そのため、壮年性脱毛症を発症した場合、額の生え際が後退したり、つむじ周辺の薄毛が目立つようになったりするのです。頭頂部は自分で中々確認できない箇所でもあるため、他人から指摘されて気が付くケースも少なくありません。
壮年性脱毛症による薄毛の進行を抑える方法4つ
壮年性脱毛症には進行型という困った特徴があるため、発症が疑われる場合、次のような方法で進行を抑えることが重要です。
- 食事の栄養バランスを整える
- 生活習慣を見直し改善する
- ストレスを適度に発散させる
- 専門の医療機関で治療を受ける
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
食事の栄養バランスを整える
壮年性脱毛症に伴う抜け毛を抑制するためには、日々の食事の栄養バランスを整えることが重要です。栄養素というものは相互に働き合って作用するため、特定の栄養素だけを摂ったからといって、髪の毛がみるみる生えてくるようなことはありません。
出来れば玄米や雑穀米を主食とし、魚や野菜、キノコなどを中心とした食事を意識しましょう。旬の果物から栄養を摂ることも重要です。どうしても栄養バランスに欠ける食事となる場合は、サプリメントを利用するのも良いでしょう。
生活習慣を見直し改善する
壮年性脱毛症による薄毛の進行を抑えるためには、生活習慣を見直すことも重要です。壮年性脱毛症による薄毛のリスクを高める生活習慣としては、睡眠不足や疲労、タバコやアルコールの過剰摂取などが挙げられます。
特に睡眠不足や疲労によって自律神経のバランスが乱されると、髪の毛の成長にも悪影響をおよぼすため注意が必要です。可能であれば禁煙に取り組み、アルコールの摂取は適量に留めましょう。
ストレスを適度に発散させる
ストレスを適度に発散することも、壮年性脱毛症に伴なう抜け毛の抑制につながります。ストレス状態が続くと、自律神経のバランスが乱され、血液の循環に悪影響をおよぼします。
頭皮には毛細血管が多く分布しているため、血行不良状態におちいると、髪の毛が成長するためのエネルギー不足に陥るのです。ストレスの自覚がある方は、気の置けない友人や知人と楽しい会話の機会を持ったり、趣味に没頭する時間を設けたりすると良いでしょう。
専門の医療機関で治療を受ける
壮年性脱毛症による薄毛の進行を抑制するのであれば、専門の医療機関で治療を受けるのが一番です。壮年性脱毛症は進行型の脱毛症であるため、治療をしないと抜け毛や薄毛がゆっくりとですが確実に進行します。
現在のところ、抜け毛や薄毛を改善する有効な手段は、専門の医療機関における治療しかありません。壮年性脱毛症の治療は皮膚科でも受けられますが、投薬治療以外の方法も試したいのであれば、AGAクリニックを受診すると良いでしょう。
AGA治療に関するご相談なら
壮年性脱毛症は30代から50代の男性に多く見られる脱毛症です。女性の場合は、50代以降に発症する可能性があります。男性に見られる壮年性脱毛症は進行型であるため、発症が疑われる場合、できるだけ早めに対処することが重要です。
進行を抑制するためには食習慣や生活習慣を見直し、ストレスを溜め込まないことが重要です。ただし、壮年性脱毛症を確実に改善する方法は、現在のところ専門の医療機関における治療しかありません。
新宿AGAクリニックでは、男性に見られる壮年性脱毛症だけでなく、女性の薄毛や円形脱毛症など、すべての薄毛や抜け毛のお悩みにお応えしています。
治療に関する疑問や費用に関するご相談などは、無料カウンセリングで承っています。薄毛や抜け毛が進行しないよう、なるべく早めにご相談下さい。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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