毛根に白い何かがついていた。正常な毛根と抜け毛が心配な状態とは?
抜け毛は誰にでも起こる、毎日のように見られる生理現象の1種ですが、抜け毛の根元にある毛根に、白いものが付いているのを見たことはありませんでしょうか。
毛根に付いている白い塊には、正常なケースと気をつけたほうがいいケースの2パターンがあります。それでは、毛根の根元に見られる白い塊の正体は、一体何なのでしょうか。
こちらの記事では、毛根に付着している白いものの正体について解説するとともに、正常な抜け毛かどうかの判断方法を紹介しています。毛根に白いものがついていたらどうなるか、気になる人は参考になさって下さい。
目次
毛根の白い付着物の正体は?
始めに、毛根の白い付着物の正体について解説します。毛根に付着している白いものの正体は、大きく分けると毛根鞘(もうこんしょう)と皮脂の2つに分類されます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
髪と頭皮を固定する「毛根鞘」
毛根に付着している白いものの正体として、毛根鞘(もうこんしょう)の存在が挙げられます。毛根鞘はさらに、内毛根鞘と外毛根鞘の2つに分けられます。
内毛根鞘はヘンレー層とハックスレー層、そして内毛根鞘小皮で構成されています。外毛根鞘は内毛根鞘を覆うように存在しており、メラノサイトが含まれています。
内毛根鞘は毛根と接しており、外毛根鞘は頭皮と接しています。毛根鞘には、簡単に説明すると、髪の毛と頭皮を固定する働きがあります。抜け毛に毛根鞘が付着しているのは、ある意味では正常ということが可能です。
頭皮から分泌された「皮脂」
毛根に付着している白いものの正体としては、頭皮から分泌された皮脂の存在も挙げられます。毛根鞘はゼリー状で半透明と言った特徴があるのですが、皮脂の場合は白く濁っている傾向が見られます。
毛根に皮脂が付着する原因としては、過剰な皮脂の分泌や肌質に合っていないヘアケア商品、誤った洗髪方法、ストレスなど様々なことが挙げられます。
毛根に皮脂が付着している場合、頭皮環境の乱れを生じているケースが多くなっています。そのような状態を放置した場合、抜け毛の原因ともなりかねないため注意が必要です。
毛根の白い膜の正体は
髪の毛の根元に当たる毛根には、白い膜が付着していることをご存じでしょうか。毛根は簡単に説明すると、頭皮の内部に存在しており、外側から見えない部分の髪の毛を意味します。
それでは、毛根に見られる白い膜の正体は何なのでしょうか。
毛根の保護、成長を支える「毛包」
毛根の根元は少し膨らんだ状態(毛球・もうきゅう)となっており、毛根を包む皮膚組織のことを毛包、もしくは毛嚢(もうのう)などと読んでいます。
毛包には毛根を保護する働きがあるほか、髪の毛の成長を支える重要な役目を持っています。毛包の内部には毛母細胞が存在しており、毛細血管から栄養を受け取ることで、活発な細胞分裂を起こすからです。
毛根が白い場合は抜け毛に注意??
抜け毛の根元に白い塊が付着していると、抜け毛や薄毛のリスクが高くなるのではないかと心配になるかもしれません。
抜け毛のリスクを高めるかどうかは、毛根に付着している白いものの正体が何であるのかによります。
毛根が白い、かつ膨らんでいたら通常状態
毛根が白くて、かつ膨らんでいるような場合、抜け毛や薄毛のリスクについて心配する必要はありません。健康な髪の毛の場合、髪の根元がマッチのようにやや膨らんでいるものだからです。
また、根元の膨らみがゼリー状で透明がかった白色をしている場合、その膨らみは毛根鞘だと考えられます。先ほど外毛根鞘にはメラノサイトが存在していると説明しました。
成長を終えて抜け落ちる髪の毛の毛根鞘が白もしくは透明なのは、毛根からメラニン色素を吸収しなくなるからなのです。つまり、毛根が白くて膨らんでいるのは、健康な髪の毛が成長を終えて抜け落ちた証拠と言えるのです。
毛根の白い部分が上まであり、べたついていると注意!
抜け落ちた髪の毛の根元が、毛根の上部まで白くなっている場合、もしくはべたついている場合は注意が必要です。
そのような場合、髪の根元が広い範囲で皮脂に覆われていると考えられます。皮脂で白くなっている場合、毛根鞘のようにゼリー状ではなく、髪の根元全体のべたつきが見られます。
毛根の白い部分が上まであり、べたついている原因は、皮脂の分泌量が多いだけではありません。誤ったヘアケアもそのような状態を招き、場合によっては抜け毛や薄毛のリスクを高めるため注意が必要です。
毛根の白い部分を抜いたり食べたりすると危険?
結論から申し上げますと、毛根の白い部分を抜いたり食べたりするクセがある場合、抜毛症(ばつもうしょう)や食毛症と呼ばれる病気を発症している可能性があります。
そのような行為がやめられない場合、心療内科で治療するのが一般的です。
毛根の黒い塊がくっついている場合は抜け毛に要注意!!
毛根に白もしくは半透明の塊があるのは正常な抜け毛と考えられますが、抜け毛の根本に黒い塊がくっついている場合は注意が必要です。
真っ黒だと毛根へ栄養が足りない
毛根の黒い塊がくっついている場合、毛根に十分な栄養が届けられていない可能性が疑われます。先述の通り、寿命を迎えて抜け落ちた髪の毛の根元には白、もしくは透明の塊が付着しているものです。
髪の毛の根元が黒い場合、色素細胞に異常が生じている可能性があります。髪の毛に黒い色を付けるのはメラノサイトの役割ですが、抜け毛の根元が黒い場合、髪の毛が寿命を迎える前に抜け落ちている可能性もあるのです。
髪の成長周期が乱れている
抜け毛の根元が黒い場合、ヘアサイクルが乱れている可能性もあります。ヘアサイクルは髪の毛が成長して抜け落ちるまでの周期で、その大半を髪の毛の成長期が占めています。
抜け毛の根元が黒い場合、ヘアサイクルが乱されており、髪の毛が寿命を迎える前に抜け落ちている可能性が高いのです。
毛根が細いのはすぐ抜けてしまう
抜け毛の根元が黒い場合以外にも、毛根が細い、もしくは毛根の膨らみがない場合も要注意です。毛根が細い、もしくは膨らみがない場合、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちている可能性があります。
健康な髪の毛の場合、抜け毛の根元がマッチ棒のように膨らんでいるものです。根本の膨らみがない場合や、抜け毛が1本の棒のように真っすぐな場合、髪の毛が成長しきらない内に抜けていると考えられるのです。
正常な抜け毛かどうか確認を
抜け毛や薄毛が心配な場合、まずは抜け毛の状態を確認することが重要です。
医療機関を受診する前に、まずは自分で正常な抜け毛かどうかをチェックしてみましょう。
抜け毛が不安な時はセルフチェックをしてみる
抜け毛の状態が不安な時は、セルフチェックをしてみるとよいでしょう。次のような方法でチェックすると、抜け毛が正常なものか、注意が必要なものか判別しやすいでしょう。
始めに、抜け毛を集めて白い紙の上に置きましょう。次に、スマホのカメラや虫メガネなどで毛根部を拡大して観察します。その上で、毛根部が黒い髪の毛、もしくは膨らみのない髪の毛がどのくらいの割合なのかを確認します。
毛根の膨らみがない髪の毛、および毛根が黒い髪の毛の割合が30%~40%以上ある場合は、頭皮のトラブルや薄毛のリスクが疑われます。
異常な抜け毛が多い場合はAGAへクリニックへ
抜け毛のセルフチェックをしたうえで、正常ではない抜け毛が30%~40%を超えているようであれば、AGAクリニックに相談する必要があります。
特に異常な抜け毛が増えている男性の場合、AGA(男性型脱毛症)を発症している可能性も疑われます。
AGAは進行型の脱毛症であるため、早期に治療を開始しないと、抜け毛や薄毛が確実に進行してしまいます。このため、AGA専門のクリニックで見てもらい、早めの対策をする必要があるのです。
まとめ
日本人にはおよそ10万本の髪の毛があり、毎日50本から100本の抜け毛が見られます。普段あまり意識することのない抜け毛ですが、毛根部に着目することで、頭皮のトラブルや薄毛の可能性をある程度までは判断できます。
毛根が白くて膨らんでいる場合は問題ないと考えられますが、抜け毛が1本の棒のように真っすぐなケースや、抜け毛の根元が真っ黒なケースは要注意と言えます。
特に男性の場合、AGAの発症で抜け毛が増えているようであれば、なるべく早めに治療を開始する必要があります。抜け毛に関するご相談は、新宿AGAクリニックの無料カウンセリングでも承っております。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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