白髪の人は薄毛にならないってホント!?
「白髪の人は薄毛にならない」皆さんも一度はこんな噂を聞いたことがありませんか?
実は白髪の人は薄毛にならないという医学的根拠はありません。
白髪の人でも薄毛になるのです。
今回は白髪の出来るメカニズムや発毛の仕組みについて解説していきます。
目次
髪の毛ができる仕組み
髪の毛は大きく分けると「毛包」と「毛幹」で出来ています。毛幹は表面に出ている髪の毛の部分、毛包は頭皮の中の部分です。
毛包の底にある毛乳頭が髪を作る為に必要な栄養を毛細血管から吸収し、毛乳頭の周りの毛母細胞が細胞分裂を繰り返し髪の毛が生成されます。
髪の色はメラニンの量で決まる!
髪の色はメラニンの量で決まります。メラニンには2種類あり「ユーメラニン」と「フェオメラニン」があります。
ユーメラニンが多いと髪の色が黒色や茶色になり、フェオメラニンが多いと赤茶色や黄色
になります。
ユーメラニンとフェオメラニンの割合でさまざまな髪の色が生まれるのです。
日本人の髪にはユーメラニンが多く含まれているため黒色~茶色の人が多いのです。
毛根で髪の毛が作られた直後にはまだメラニン色素が無い為、生まれたての髪は白髪です。
毛母細胞が細胞分裂をし、髪の毛が作られる過程で色素形成細胞のメラノサイトが作り出したメラニン色素が毛髪内に取り込まれることで髪の毛に色素が付くのです。
白髪の起こる原因って何?
何らかの原因で色素細胞が作られなくなってしまいメラニンを生成出来なくなることで白髪になります。
白髪の作られる原因についていくつか説明していきます。
-
加齢
日本人の加齢による白髪の発生年齢は、男性が30歳前半、女性が30歳代後半に多く頭髪の半分が白くなるのは55歳頃で、男性より女性の方がややは早いといわれています。
老化と共にメラノサイト(色素細胞)の働きが弱くなり、メラニン色素の生成が減少することにより起こります。
また、髪のヘアサイクルは通常2年~6年でかけて生え、抜け落ちます。その際、髪の毛を作る細胞と共にメラノサイト(色素細胞)も同時に消失します。髪が生えるときにメラノサイトも再生せれるのですが加齢により再生されない場合もあり白髪となります。
-
遺伝
白髪の発生に遺伝的要素があることは医学的に解明されていません。
しかし、若白髪は加齢による白髪とは異なり、10歳代後半から20歳代に白髪になり両親のどちらかが若白髪の場合遺伝することがあります。
-
ストレス
強いストレスを受けることで自律神経が乱れます。
筋肉が緊張することにより血管が収縮し血流が減少し血行が悪くなることで髪に必要な栄養素が届かなくなってしまいます。
髪の色素を作るメラノサイト(色素細胞)の働きも弱くなってしまう為、白髪の原因となります。
-
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れも白髪の原因になりえます。
特に注意したい生活習慣について説明していきます。
睡眠不足
睡眠不足は白髪の原因になります。
質の良い睡眠をとる事で細胞が活性し白髪を予防します。
眠っている間に髪の毛に栄養を与えてくれる成長ホルモンが分泌されます。ゴールデンタイムと呼ばれている22時~2時、この時間に眠ることで成長ホルモンが最大限に分泌され
毛母細胞やメラノサイト(色素細胞)が活発になります。
-
運動不足
身体を動かすことで血流が良くなります。特に有酸素運動は肺から取り込んだ酸素を血液に取り込み全身を巡らせる為、細胞に栄養を巡らせ白髪予防になります。
-
喫煙
ここまでのお話でもおわかりかと思いますがたばこを吸うことにより血行が悪くなり白髪の原因になります。
たばこに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があります。
血流が悪くなることで必要な栄養が届きづらくなり白髪の原因となります。
-
病気
甲状腺疾患や貧血症などの病気により急に白髪が増える事があります。
また円形脱毛症になり髪が生えてくるとき白髪で生えてくる場合や尋常性白斑が出来た部分から白髪が生えてくる場合があります。病気が治る事により白髪が黒く戻る事が多いです。
-
食生活の乱れ
食生活の偏りや、塩分・油分の摂り過ぎは白髪以前に髪の成長を妨げます。
肉や魚、野菜や乳製品などバランスよく摂ることが大切です。
【白髪の予防にはチロシン!】
チロシンはアミノ酸の一種で白髪の予防に欠かせない栄養素です。メラニン色素の原料となりチロシンが増えることでメラニン色素の生成に必要なチロシナーゼを活性させます。
(ごぼう・にんにく、もろへいや、玄米、そば、サツマイモ、大豆、枝豆、納豆、松の実、カシューナッツ、ひじき、バナナ、まぐろ、にぼしなど)
【たんぱく質】
髪の主成分は18種類のアミノ酸で構成されるたんぱく質(ケラチン)です。
健康な髪のために良質なたんぱく質を摂りましょう。
(肉・魚・卵・大豆・乳製品など)
【ビタミンE】
ビタミンEは血行を促進し髪に栄養を届けます。
(大豆・緑黄色野菜・赤みの肉・魚介類など)
食事だけで栄養をバランスよく摂取するのは難しい場合はサプリメントを服用し、食事で足りない栄養素を補うこともおすすめです。
食事ではなかなか摂りきれない栄養素は、サプリメントを活用することもおすすめです。
当院では、安心してご服用いただける国産オリジナルサプリをご用意しております。
よろしければ下記のリンクもご参照ください。
白髪を抜くのは平気?
白髪を抜いてもまた同じ毛根から白髪が生えてきます。
無理に毛を抜く事でヘアサイクルが乱れ、毛根にダメージを与えてしまい薄毛の原因になります。
白髪は無理に抜かないようにしましょう。
まとめ
「白髪だから薄毛にならない」という根拠はあまりないことをご説明してみました。
白髪や薄毛の発生を少しでも遅らせるためには、健康で規則正しい生活を送ること大切です。
白髪による悩みは染める事により解消できるかもしれませんが薄毛はなかなか自力では改善が出来ません。
専門のクリニックに相談し適切な治療をすることをおすすめ致します。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医