睡眠不足で薄毛になるってホント?
薄毛や抜け毛の原因はAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)、円形脱毛症のほかに生活習慣や食生活、睡眠不足などによっても起こり、AGAやFAGAの進行を加速させてしまう事もあります。
今回は睡眠不足で薄毛になる原因と睡眠の質を上げる為に気を付けたい事についてのお話です。
目次
それぞれの脱毛症の原因
AGA⇒男性の薄毛の総称で遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因です。
生え際や頭頂部から薄毛が進行する症状です。
FAGA⇒女性の薄毛の総称で男性と同じくホルモンの影響が関係しています。
女性ホルモンの減少やホルモンバランスの乱れにより毛髪が細くなり全体のボリュームが減り、薄くなる症状です。
円形脱毛症⇒円毛や楕円形の脱毛が突然生じる症状で原因は解明されていない症状です。
自己免疫疾患のひとつではないかと言われている症状です。
睡眠不足と薄毛の関係
睡眠時間が短く、特に6時間未満の睡眠時間の場合、抜け毛が増えると言われています。
成長ホルモンの分泌量が減少し薄毛の原因に
身体の細胞を修復し成長を促す成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されています。
成長ホルモンは髪を生やしたり成長させたり、日常生活で受けた刺激を修復する作用があります。
睡眠不足になると髪の成長と修復がうまく行われない為、抜け毛や薄毛の原因になってしまいます。
血行不良で薄毛の原因に
睡眠中は副交感神経が優位になり血管が広がり血行が良くなります。
睡眠時間が短いと血管を収縮させる交感神経が優位になり血流が悪くなり毛根に栄養が届きにくくなる為抜け毛や薄毛の原因になってしまいます。
質の良い睡眠のとり方
睡眠の質を高める事で髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌を促す事ができます。
質の高い睡眠とは目覚めが良く、前日の疲れがしっかり取れ「ぐっすり寝た」という満足感のある睡眠です。
睡眠は最低でも6時間は確保しましょう。
睡眠には浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」の2種類があります。
- レム睡眠⇒主に記憶の整理や固定をおこなう睡眠。
- ノンレム睡眠⇒主に脳や身体の細胞を回復させる睡眠。
入眠するとまずノンレム睡眠が始まり、その後レム睡眠が始まりそれを繰り返します。
眠り始めた最初の3時間はゴールデンタイムと呼ばれており、深い眠りのノンレム睡眠が始まり髪や身体、脳の修復や成長を促す成長ホルモンが多く分泌されます。
質の良い睡眠をとる為に、以下のことを注意しましょう。
規則正しい生活習慣と睡眠習慣をつくる
睡眠時間をしっかり取れていても睡眠時間に大きなバラつきがあると副交感神経の働きが弱くなり成長ホルモンの分泌量が減ってしまいます。
休日もできるだけ同じ時間に起きて眠る事で体のリズムも整い質の良い睡眠に繋がります。
規則正しい生活と睡眠習慣を心がけましょう。
寝る3時間以内は食事・飲酒は控える
おなかいっぱいの状態で寝ると眠っている間も胃腸が働いている状態の為睡眠の質が悪くなります。寝る3時間以内の食事は控えましょう。
アルコールを飲むと寝つきが良くなりますが睡眠が浅くなってしまう為睡眠の質が下がってしまう為寝る前の飲酒は控えましょう。
寝る前にスマホ、パソコンを見ない
スマホやパソコンにはブルーライトと呼ばれる光が使われており、目を覚まさせる光の為寝る前に見るのは控えましょう。
寝る前のカフェインは避ける
カフェインの含まれるコーヒーや紅茶、お茶など、神経を興奮させる作用があります。
どうしても飲む場合はノンカフェインやデカフェのものを選びましょう。
昼寝は20~30分
午後に眠気を感じ、仮眠をとる際は20~30分を目安にとりましょう。
長い時間眠ってしまうと夜の睡眠の質が悪くなってしまいます。
短時間の睡眠は脳に休息を与え仕事の効率も上げてくれます。
運動を習慣化する
軽い有酸素運動やランニングなどの運動習慣をつくる事で寝つきが良くなり深い睡眠が得られます。
寝る直前の運動は身体が興奮して眠れなくなる為避けましょう。
入浴をする
入浴は運動と同じように寝つきを良くし深い睡眠を得る効果があります。
40度くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かるのが効果的です。
眠る前に深部体温が下がらないと寝つきが悪くなってしまう為、眠る2~3時間前に済ませる事がおすすめです。就寝直前にお風呂に入る場合は短時間で済ませるようにしましょう。
照明を調整する
睡眠を促すホルモンのメラトニンは暗くなると分泌が増える為、眠る前は暖色系の照明にしてリラックスして眠ることもおすすめです。
まとめ
睡眠不足は抜け毛や薄毛の原因になり、AGAやFAGAの進行を加速させる原因にもなります。
質の高い睡眠を心がけ薄毛予防をしましょう。
睡眠の改善は薄毛に限らずQOL(生活の質)の向上にも繋がります。
しっかりと良質な睡眠を取れるよう生活習慣自体を整えていきましょう。
睡眠や生活習慣に問題が無いにも関わらず、薄毛の進行を感じる場合にはAGAやFAGAを疑ってみたほうが良いかもしれません。
AGAやFAGA、円形脱毛症などの各種脱毛症の治療は放置期間が長いほど回復までに時間がかかる傾向があります。気になり始めたら早めに専門医までご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医