AGA治療薬の副作用出現率って実際どのくらい??
AGA治療についての情報はインターネットを開けば溢れるほど出てきます。
患者様の中には薬による副作用を事前にご存知の方も多く、よくご質問を受けます。
AGA治療薬服用の基本は、毛が抜けるのを抑える薬と、発毛効果のある薬を併せて服用する事です。
風邪薬にも副作用があるように、どんなお薬にも多少の副作用があります。
今回は特に内服薬の副作用についてお話をしていこうと思います。
プロペシア(フィナステリド)の副作用
プロペシア(フィナステリド)は日本で2005年に承認、販売が開始された内服タイプのAGA治療薬です。AGAの進行を遅らせる効果を持っています。
元々は前立腺肥大や前立腺がんなどの治療に用いられていましたが、のちに使用していた患者に毛髪の成長が見られたため、AGA治療薬として使われるようになりました。
プロペシアの主成分フィナステリドには、毛乳頭細胞内にある還元酵素であるⅡ型5α-リダクターゼの働きを抑える効果があります。
5α-リダクターゼは、男性ホルモンの一種テストステロンと結合すると、DHT(ジヒドロテストステロン)に変化し、AGAの症状を進行させます。
5α-リダクターゼの働きを妨げることで、薄毛の原因であるDHTの生成が阻害され、AGAの進行を遅らせることができるのです。
このプロペシアには「性欲減退」「ED(勃起機能不全)」といった副作用が発生する恐れがあると言われています。
では、実際の発生率はどの程度なのでしょうか。
プロペシアに記載の内容で見てみましょう。
◆プロペシア(フィナステリド)の副作用発生率◆
・性欲減退⇒1.1%
・ED⇒0.7%
・射精障害⇒0.4%
・精液量減少⇒0.4%
上記から、実は発生率はかなり低いことがわかります。
パーセンテージから見ると、一般的に問題ないレベルだと思われます。
妊活にも影響は少ないのですが、当院ではご相談があった場合の飲み方について丁寧にご説明をさせて頂いております。
ただし、フィナステリドは女性の服用は禁忌となっています。経皮吸収の恐れもある為、素手で触る事も厳禁です。
閉経後の女性に対して処方するケースもありますが、積極的に処方することはありません。
ザガーロ(デュタステリド)の副作用
ザガーロ(デュタステリド)は2016年発売された後発品で、最近ではプロペシア(フィナステリド)よりも抜け毛予防効果が高いということで、当院でも標準治療として取り扱っています。
フィナステリドがⅡ型の5α-リダクターゼの働きを抑えるのに対し、デュタステリドは5α-リダクターゼのⅠ型とⅡ型の両方に効果を発揮します。
また、Ⅱ型5α-リダクターゼを抑える効果はプロペシアのおよそ3倍とも言われ、より強力な防止効果があり、注目されているAGA治療薬です。
デュタステリドの副作用はフィナステリドとほぼ同様の副作用があげられますが、フィナステリドよりも効果が強いため、発生率もややあがるというデータがあります。
◆ザガーロ(デュタステリド)の副作用発生率◆
・性欲減退⇒3.9%
・ED⇒4.3%
・射精障害⇒1.3%
・精液量減少⇒0.9%
フィナステリドより若干高いものの、全体としてみると非常に少ない発生率であることがわかります。
また、服用する年齢や生活環境などにも影響されますので、問診の際に詳しくお伺いして、状態や状況にあった処方をご提案させて頂きます。
デュタステリドもフィナステリドと同様に、女性の方にはお出しできないお薬となっています。
ミノキシジル内服の副作用
薄毛を気にし始めるとまず耳にするのがミノキシジルではないでしょうか。
元々は血管拡張薬として、高血圧患者の血圧を下げる薬として使われていました。そのような高血圧の患者に投与を続けていたところ、毛髪や体毛が濃くなったことから発毛薬として使われるようになりました。
ミノキシジルの効果は「血管拡張効果によって毛乳頭に栄養素を届けやすくする」ことと「毛包に直接作用して毛母細胞の細胞分裂を活性化ししっかりとした毛髪を成長させる」の2つがあげられます。
では、ミノキシジルにまつわる副作用はどのようなものがあるのでしょうか。
◆ミノキシジルの副作用◆
・動悸
・めまいや立ち眩み、低血圧
・むくみ
・体毛の増加
動悸はミノキシジルの血管拡張効果によって起きる可能性がある副作用です。
めまい・立ちくらみ、低血圧、顔や足のむくみも動悸と同様にミノキシジルの血管拡張効果によって引き起こされる副作用です。
いきなり高容量のミノキシジルを服用すると上記のような副作用の出現率が高くなる為、当院では徐々に状態を拝見しながら容量の調節を行っております。
体毛が増える副作用は、発毛効果が全身に作用して体毛が濃くなってしまう副作用です。
この副作用が発生する確率は非常に高いです。
ただし、裏を返せばミノキシジルの発毛効果がしっかりと表れている証拠でもあるのです。
体毛が気になるからととミノキシジルの服用を控えてしまうと、栄養の行き届かない細い髪の毛になってしまいます。
このような場合も、効果を拝見しながら、季節やライフスタイルにあわせた容量をご相談させて頂きます。
最後に
AGA治療薬による性欲減退の副作用は有名ですが、インターネット等の情報を調べ過ぎた結果、思い込みによってプラセボ的に出現している可能性も非常に高いです。
効果を得るかわりに、多少の副作用と上手に付き合い、いつまでも大切な毛髪を守っていくお手伝いを新宿AGAクリニックではさせて頂いております。
自己判断での治療で遠回りをせず、どうぞお気軽にご相談下さい。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医