デュタステリドによる初期脱毛の期間や副作用、注意点を解説!
デュタステリドはフィナステリド、ミノキシジルと並び、厚生労働省から男性型脱毛症の改善に用いることを推奨されている有効成分の1つです。
攻めの治療薬といわれるミノキシジルほどではありませんが、デュタステリドを服用した方のなかにも一時的な抜け毛量の増加(初期脱毛)にお悩みの方がいます。
こちらの記事では、デュタステリドの効果や初期脱毛が起こるメカニズム、服用に際しての注意点などについて解説します。
目次
デュタステリドの効果とは?
デュタステリドには男性ホルモンの産生を抑えてヘアサイクルを正常化させ、AGAの進行を阻害する効果が期待できます。
ヘアサイクルには髪の毛の成長期・退行期・休止期の3期があり、大部分を髪の毛の成長期が占めています。
男性のヘアサイクルはおよそ3〜5年で一周しますが、AGAを発症すると半年から1年に短縮されるため、髪の毛全体のボリュームダウンや抜け毛量の増加が起こる訳です。
デュタステリドには、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、活性の高いジヒドロテストステロンへと変化するのを阻害し、抜け毛を引き起こすサイトカインの生成を抑制する作用があります。
どちらかというと抜け毛を抑制する作用が強いため、AGA治療においてはフィナステリドと並んで守りの治療薬に位置付けられています。
デュタステリドによる初期脱毛が起こる理由
デュタステリドの服用を開始してしばらくすると、一時的に抜け毛量の増加を招く初期脱毛を引き起こすケースがあります。
AGA治療を始めたのに抜け毛が増えると驚かれるかもしれませんが、初期脱毛は医薬品の効果があらわれている証拠です。
AGAを発症すると本来であれば3〜5年かけて成長する髪の毛の成長期が短縮され、細く短い段階で成長を終えてしまいます。
デュタステリドを服用すると毛穴の奥から正常なヘアサイクルの髪の毛が生えてきますが、太く・強く成長した髪の毛に押し出されて、AGAにより細く・弱くなった髪の毛が抜け落ちるのです。
初期脱毛はミノキシジル内服薬の副作用としてよく知られていますが、デュタステリドの服用でも起こり得るため、落ち着いて経過を観察するようにしてください。
デュタステリドによる初期脱毛の症状はいつまで続く?
AGAを治療している方にとって、デュタステリドの服用にともなう初期脱毛がいつまで続くのか気になることでしょう。
ここでは、デュタステリドの服用により初期脱毛が起こる時期や抜け毛が落ち着くまでの期間などについて解説します。
症状の開始
デュタステリドの服用により初期脱毛がいつから始まるのかに関しては、個人差があると答えるほかありません。
ただ、一般的にはデュタステリドの服用を開始しておよそ2週間から1ヶ月が経過した頃に、抜け毛量の増加を気にしはじめるケースが多くなっています。
なかにはデュタステリドの服用を開始して2ヶ月経ってから初期脱毛が起こる方もいるなど、症状の開始時期はさまざまです。
個人により初期脱毛がまったく見られないケースもあります。初期脱毛が見られにくい方の例としては以下の点が挙げられます。
- 症状の進行が遅い
- 薄毛がそれほど進行していない
- 若いうちから予防目的で治療を開始している
初期脱毛が起こるかどうかに関しては個人差があり、抜け毛が増えなくても治療効果とは関係がないため、過度に心配する必要はありません。
また、初期脱毛は医薬品の効果があらわれている裏返しでもあるため、自分の判断で服用を中断しないようにしましょう。
症状の持続期間
デュタステリドの服用による初期脱毛が持続する期間も個人によりさまざまです。
一般的にはデュタステリドの服用を開始してから1〜2ヶ月で収まり始めますが、3ヶ月以上続くケースも珍しくありません。
健康な方は毎日50〜100本の抜け毛が見られますが、初期脱毛を起こしている間は200〜300本の抜け毛が見られるケースもあります。
抜け毛量の増加にだけ気を取られると不安に感じるかもしれませんが、毛穴の奥では新しい髪の毛が成長しているため、根気強く治療を続けることが重要です。
半年続く場合は?
デュタステリドの服用による抜け毛が半年以上続く場合、その他の原因で抜け毛が生じている可能性も疑われます。
あまりにも長期にわたり抜け毛が見られる方は、なるべく早めにかかりつけ医に相談するのがおすすめです。
抜け毛の原因はAGA以外にもさまざまなため、専門家の診察や検査により原因を突き止めることが重要です。
デュタステリドの副作用
デュタステリドの服用による初期脱毛は、副作用というより医薬品の効果があらわれている裏返しと考えられます。
デュタステリドの服用にともない起こり得る主な副作用としては、以下の3つが挙げられます。
- 肝機能障害
- 勃起障害
- 射精障害
デュタステリドを服用すると男性の性機能に関する副作用を引き起こす可能性があるため、妊活中の方は参考にしてください。
肝機能障害
代表的なデュタステリド製剤「ザガーロ」の添付文書には、重大な副作用として肝機能障害・黄疸(おうだん)が記載されています。
デュタステリドを服用するとAST・ALT・ビリルビンの上昇にともなう肝機能障害・黄疸を引き起こす可能性がありますが、発症頻度に関してはいずれも不明です。
そもそも、化学的に製造された医薬品は有効成分を代謝する肝臓に負担を掛けるものであり、デュタステリドが特別肝臓に悪いという訳ではありません。
いずれにせよ、重度の肝機能障害をお持ちの方に関しては、自分の判断でデュタステリドを服用しないでください。
軽度から中等度の肝機能障害をお持ちの方に関しても、デュタステリドを服用した場合の薬物動態は検討されていないため、自分の判断で服用するのは危険です。
勃起障害
デュタステリドを服用した方の1%以上に、勃起障害を引き起こす可能性があります。
勃起障害を引き起こす理由としては、デュタステリドが男性ホルモンにアプローチする作用を持つためと考えられています。
射精障害
勃起障害と並び射精障害もデュタステリドの主な副作用の1つです。デュタステリドを服用した方の1%以上に、射精障害を引き起こす可能性があります。
そのため、妊活中の男性はデュタステリドの服用にあたり、かかりつけ医に相談する必要があるでしょう。
デュタステリドには原則として併用禁忌がないため、勃起障害や射精障害が心配な方は、ED治療薬を併用する方法があります。
デュタステリドを服用する際の注意点
勃起不全や射精障害をはじめとする性機能不全を除くと、デュタステリドは比較的副作用のリスクが低い医薬品です。
しかし、以下に該当する方はデュタステリドの服用にあたって注意が必要とされています。
- 前立腺がんの検査を受ける方
- 肝臓に病気がある方
- 他の薬を服用している方
ここでは、デュタステリドを服用する際の3つの注意点について解説します。
前立腺がんの検査を受ける方
デュタステリドはもともと男性に見られる前立腺がんや前立腺肥大症の治療薬として開発され、アボルブという商品名で発売されています。
AGA治療にはフィナステリドと呼ばれる成分が用いられていましたが、デュタステリドにも同様の効果が見られたため、ザガーロの商品名で販売を開始した経緯があります。
つまり、アボルブとザガーロは名前が違うだけで、同じ作用機序や副作用を持つという点が特徴です。
そのため、デュタステリドに前立腺がんや前立腺肥大症の改善効果があると知らずに服用していると、いざ前立腺がんの検査を受けた際に、数値に影響を及ぼす可能性があります。
前立腺がんの検査を受ける機会がある男性は、デュタステリド服用者である旨を担当医に伝えるようにしてください。
肝臓に病気がある方
デュタステリドの重大な副作用として、肝機能障害や黄疸の例が挙げられていることは前述の通りです。
そのため、肝臓に何らかの病気を抱えている方は、自分の判断でデュタステリドを服用しないでください。
また、65歳以上の方は一般的に生理機能が低下しているため、デュタステリドを服用する際にはかかりつけ医に相談しましょう。
他の薬を服用している方
デュタステリドには原則として併用禁忌がありませんが、同じ作用機序を持つフィナステリドは併用しないでください。
デュタステリドとフィナステリドに限らず、同じ作用機序を持つ医薬品を併用すると、効果が増すどころか副作用のリスクを高める危険性があります。
また、デュタステリドの有効成分は酵素の一種であるCYP3A4により代謝されるため、CYP3A4阻害薬の併用も避ける必要があります。
デュタステリドによる初期脱毛に関するよくある質問
デュタステリドの服用にともなう初期脱毛に関しては、発症時期や持続期間以外に、2回目の初期脱毛が起こるかどうかについても質問が多く寄せられています。
デュタステリドの2回目の初期脱毛は起こる?
結論から言うと、デュタステリドの服用にともない、2回目の初期脱毛が起こる可能性はあります。
日本人の毛髪はおよそ10万本とされていますが、ヘアサイクルは髪の毛1本1本により異なるためです。
もともとデュタステリドをはじめAGA治療薬の効果は、半年から1年かけてあらわれ始めるのが一般的です。
そのため、初期段階では治療薬の効果がおよばなかった毛穴に対してデュタステリドが作用すると、時間差のように抜け毛を引き起こす可能性があると考えられます。
2回目の初期脱毛も、1回目と同様に医薬品の効果があらわれている裏返しのため、過度に心配する必要はありません。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
デュタステリドはAGA治療に用いられる代表的な有効成分で、従来のAGA治療薬「プロペシア」の成分であるフィナステリドよりも高い抜け毛予防・発毛効果が期待されています。
デュタステリドを服用すると、一時的に抜け毛量が増える初期脱毛を引き起こすケースがありますが、医薬品の効果があらわれている証拠でもあるため過度に心配する必要はありません。
初期脱毛が長く続いて心配な方は、新宿AGAクリニックまでご相談ください。新宿AGAクリニックではAGAを専門的に治療しているうえ、無料カウンセリングも承っています。
治療に関するご質問や費用に関するご相談など、なんでもお気軽にカウンセラーまでお問い合わせください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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