若はげとは?10~20代の若はげへの原因と対策を紹介!
薄毛に悩まされているのは、壮年期や中年期以降の男性といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、10代や20代の男性であっても、はげに悩まされているケースが少なくないことをご存じでしょうか。そのようなはげのことを、若はげと呼ぶことがあります。
では、なぜ10代や20代ではげてしまうのでしょうか。今回の記事では、若はげの原因やなりやすい方の特徴、対処法などについて詳しく紹介しています。
目次
若はげとは何?
若はげの原因や対処法について紹介する前に、そもそも若はげとは何なのかについて知っておきましょう。若はげについて知ることで、早期の対処が可能です。
若はげとは?何歳からなるの?
若はげは若年層に見られる薄毛のことを意味しますが、正確に何歳からはげた場合に、若はげと呼ばれるという決まりはありません。
ただ、10代の後半から20代にかけて薄毛になった場合、若はげと呼ばれることが一般的です。若い方に見られる脱毛症であるため、若年性脱毛症と呼ばれるケースもあります。
それに対して、30代や40代以降の男性に見られる脱毛症のことを、壮年性脱毛症と呼ぶこともあります。
AGA(男性型脱毛症)とは何?
若はげを引き起こす原因の1として、AGA(男性型脱毛症)の存在が挙げられます。AGAは英語のAndrogenetic Alopeciaの頭文字を取ったもので、男性ホルモンに由来する脱毛症を意味します。
AGAは進行型の脱毛症であるため、発症が疑われる場合、できるだけ早めに対処することが重要です。特に若はげがAGAによるものである場合、早期の対処が求められます。
高校生などの10代でも若はげになるの?
結論から申し上げますと、高校生などの10代でも若はげになる可能性はあります。前述のAGAには、思春期以降に発症するといった特徴があります。
日本皮膚科学会が策定する、男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにも、AGAが思春期以降に発症し、徐々に進行する脱毛症と定義されています。
また、高校生などの10代の方であっても、円形脱毛症を発症する可能性があります。円形脱毛症を発症した場合、広範囲にわたって髪の毛が抜け落ちるケースも少なくありません。
若はげの基準は?見分けるポイントとは
若はげは10代や20代の若い方に見られる薄毛ということですが、若はげには厳密にこれといった定義や判断基準がありません。ただ、次のような症状が見られる場合、若はげを発症している可能性があります。
生え際が後退してきた
若はげかどうかの分かりやすい判断基準が、額の生え際が後退してきたケースです。鏡をのぞいた際に、以前と比べておでこが広くなったように感じた場合、生え際の後退が進んでいる可能性もあります。
髪の毛を普段下ろしている方の場合、髪の毛を手でかき上げた際に、額の両側から後退が進み、アルファベットのMのような形になっていることがあります。
このような薄毛をM字はげと呼ぶことがあります。M字はげは先述したAGAによる薄毛の特徴でもあるため、早めに対処する必要があります。
抜け毛が増えてきた
若はげの判断基準としては、抜け毛の量が増えてきたことも挙げられます。若はげの発症が疑われる場合、毎日の抜け毛の量を確認してみると良いでしょう。
通常、薄毛ではない方であっても、1日あたり50本から100本の抜け毛は普通に見られます。また、秋口など季節によっては100本以上の抜け毛を認めるケースもあります。
ただ、長期間に渡って、毎日のように100本以上の抜け毛が見られる場合、若はげを発症している可能性もあります。
抜け毛の正確な本数を数えなくても、シャンプーの後に排水溝に詰まる髪の毛の量が増えていたり、ドライヤーの後に床へと散らばる髪の毛の量が増えていたりした場合、若はげを発症している可能性が疑われます。
つむじ(頭頂部)が薄くなってきた
つむじ(とうちょうぶ)の周囲が薄くなってきている場合も、若はげを発症している可能性があります。
欧米の方に比べた場合、日本人はつむじまわりから薄くなるケースが多いとされています。アルファベットのO(オー)のような様相を呈することから、O字はげと呼ばれることもあります。
M字はげと同じく、O字はげもAGAを発症した場合の特徴的な症状であるため、早めに対処することが求められます。
薄毛になりヘアセットが決まらなくなった
ヘアセットが決まらなくなったような場合、若はげの進行によって薄毛になっている可能性があります。
また、以前と同じようにワックスを使っているのに、髪の毛全体がペタンと寝てしまうような場合も、若はげの発症が疑われます。
若はげの原因
若はげを発症した場合、おしゃれを楽しめなくなるだけでなく、将来の薄毛が不安になるものです。では、なぜ若はげになってしまうのでしょうか。原因としては、悪性男性ホルモン(DHT)の存在が挙げられます。
DHT「悪性男性ホルモン」
DHTはジヒドロテストステロンのことで、体内に存在する男性ホルモンの一種です。
ジヒドロテストステロンは、同じく男性ホルモンであるテストステロンがより強力化したもので、悪性男性ホルモンと呼ばれることもあります。
DHTが男性ホルモン受容器と結合すると、抜け毛を引き起こす有害なサイトカインを産生します。それによってヘアサイクルが乱され、抜け毛の量が増えてしまうのです。
若はげになりやすい方の特徴
若はげの主な原因は悪性男性ホルモンということでしたが、それ以外にも若はげの発症リスクを高める要因があります。では、どのような方が若はげになりやすいのでしょうか。
AGA体質の遺伝
若はげになりやすい方の特徴として、遺伝的にAGA体質を受け継いでいることが挙げられます。
AGAの原因となる悪性男性ホルモン(DHT)の産生には、体内に存在する酵素の一種、5α-リダクターゼの働きが深く関わっています。
DHTは男性ホルモンの一種であるテストステロンが変化したものなのですが、その変化の際に、5α-リダクターゼが触媒として働くのです。
このため、遺伝的に5α-リダクターゼの働きが活発な体質を受け継いだ場合、若はげを発症する可能性も高くなってしまうのです。
ストレス
若はげになりやすい方の特徴として、ストレスを抱え込んでいることが挙げられます。過剰なストレスを抱え込んだ場合、自律神経のバランスが乱れて、交感神経が優位に傾くといわれています。
交感神経が優位になると、血管が収縮し、血液の循環が阻害されます。すると、頭皮へと送られる血液の量が減少し、髪の毛が生える土壌となる頭皮が栄養不足に陥ります。
その結果、髪の毛が細く、弱くなり、抜け毛のリスクを高めてしまうのです
栄養の偏り
栄養の偏りも、若はげになりやすい方の特徴として挙げられます。私たちの身体は食べたものから作られますが、髪の毛に関しても例外ではありません。
特に、髪の毛を作る元となるタンパク質が不足している方や、野菜嫌いでビタミンやミネラルが不足している方の場合、髪の毛の健全な成長が阻害されてしまい、若はげになる可能性が高くなります。
また、普段から脂っこい食べ物やスナック菓子などを好んで食べていると、皮脂の分泌量増加に伴い、頭皮環境の悪化を招き、その結果、若はげの発症リスクを高めます。
睡眠不足
若はげになりやすい方の特徴としては、睡眠不足状態が続いていることも挙げられます。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、細胞分裂が活発化します。
髪の毛も毛母細胞が分裂することで成長するため、丈夫な髪の毛が成長するといわれているためには、毎日の良質な睡眠が欠かせません。
睡眠不足状態が続くと、毛母細胞の分裂に悪影響を与えるため、若はげになるリスクが高くなってしまうのです。
喫煙・飲酒
喫煙や飲酒習慣も、若はげになりやすい方の特徴として挙げられます。タバコに含まれるニコチンには、毛細血管を収縮させる作用がといわれています。
頭皮には毛細血管が多く分布しているため、ニコチンの作用によって毛細血管が収縮すると、髪の毛を成長させるための栄養が行き届かなくなり不足して、若はげのリスクを高めるのです。
アルコールも適量なら問題ありませんが、過度にアルコールを摂取した場合、いわゆるドロドロ血液となり、髪の毛の成長が阻害されるされます。
自力で行う若はげへの対策は?
若はげの発症が疑われる場合や、抜け毛の量が増えてきた場合、何か自分で対処する方法はあるのでしょうか。自力で行う若はげへの対策としては、次のような方法が挙げられます。
育毛剤・発毛剤を使う
自力で行う若はげへの対策としては、育毛剤や発毛剤を使うことが挙げられます。育毛剤は薬局やドラッグストアで簡単に手に入るため、頭皮環境の改善を図るのに有効です。
ただし、育毛剤は髪の毛の成長をサポートするものであり、使ったからといって髪の毛がどんどん生えてくるわけではありません。
発毛剤は原則として医師の処方が必要ですが、通販などで購入することも可能です。ただ、自己判断で服用した場合、副作用に対する救済措置が受けられないため注意が必要です。
生活習慣を見直す
生活習慣を見直すことも、若はげに対して自力で行える対策です。
例えば、睡眠時間を確保して、ストレスを適度に発散することで、薄毛の原因となる好ましくない頭皮環境の改善を図ることに繋がります。
また、栄養バランスの取れた食事を心がけ、脂っこい食べ物やスナック菓子などを我慢することが、健康な髪の毛の成長に繋がることもあります。
頭皮ケアをする
自分で行える若はげへの対策としては、頭皮ケアをすることも挙げられます。栄養価の高い野菜が肥沃な大地で育つように、健康な髪の毛は良好な頭皮環境で育つものです。
頭皮環境を改善する方法の1つが、毎日の頭皮ケアです。正しく髪の毛を洗い、頭皮マッサージを行うなどすると、健康な髪の毛が育つ土壌を整えることに繋がります。
若はげは治らない?治療法を紹介
若はげが治るかどうかは、薄毛を発症している原因によります。仮に若はげの原因がAGAである場合、完治することはないと知っておきましょう。なぜなら、AGAには進行型という困った特徴があるからです。
このため、AGAを発症したら、適切な治療を受けることがおすすめです。それによって、薄毛の進行を遅らせることが可能になります。AGAの治療法としては、主に次のような方法が挙げられます。
AGA治療薬
AGA治療を行う場合、治療薬の服用で改善を図ることが一般的です。代表的なAGA治療薬としては、プロペシアやザガーロがよく知られています。
AGAを発症する原因として、悪性男性ホルモンであるDHTの存在が挙げられていましたが、プロペシアやザガーロの成分には、DHTを産生する際に働く、5α-リダクターゼの働きを阻害する作用があるといわれています。
プロペシアはAGA治療薬の草分け的な存在ですが、国内での特許期間を過ぎているため、現在では安価なジェネリック(後発医薬品)も利用することが可能です。
ザガーロは2016年に販売された比較的新しい治療薬であるため、まだジェネリックはありません。ただ、ザガーロはプロペシアよりも高い発毛効果が期待されています。
塗り薬
AGAの治療に効果的として厚生労働省に認可されている有効成分は、現在のところフィナステリドとデュタステリド、そしてミノキシジルの3つだけです。
フィナステリドは前述のプロペシアの有効成分であり、デュタステリドは同様にザガーロの有効成分です。両者に関しては内服タイプの治療薬が認可されていますが、ミノキシジルに関しては、現在のところ塗り薬タイプ(外用薬)のみが認可されています。
ミノキシジルを配合した治療薬としては、大正製薬が販売しているリアップシリーズがよく知られています。
ミノキシジルには局所の血行を促進する作用があるため、頭皮の栄養状態を改善して、発毛環境を整える効果が期待されています。また、発毛シグナルを促進する働きもあることが分かっています。
メソセラピー
メソセラピーはもともと、美容整形などで有効成分を皮下に注入する治療法を意味します。AGA治療の場合、頭皮下に髪の毛の成長因子(グロースファクター)を注入して、発毛を促すことが一般的です。
頭皮下に直接髪の毛の成長因子を注入することから、AGA治療薬や塗り薬よりも、効果を早く実感できる点が特徴です。
植毛
AGAの治療法としては、自毛植毛もよく知られています。人工的に作成した毛髪を移植する人工植毛法もあるのですが、拒絶反応などのリスクがあることから、日本皮膚科学会からは推奨されていません。
自毛植毛は、自分の後頭部や側頭部の毛髪を毛穴ごと採取し、薄毛部分へと移植する手術用です。後頭部や側頭部はAGAの影響を受けにくいため、移植部の髪の毛が抜け落ちたとしても、また生えてくる点がメリットです。
若はげでもかっこいい髪型!
AGAを発症した場合、治療薬や塗り薬によって改善を図ることが一般的です。ただ、治療を開始したからといって、すぐに薄毛が改善する訳ではありません。
このため、治療効果が現れるまでの間、薄毛部分を目立たなくさせる工夫も必要です。薄毛部分を目立たなくさせるには、次のような髪形にするのがおすすめです。
ソフトモヒカン
ソフトモヒカンは側頭部や後頭部の髪の毛を刈り上げ、頭頂部の髪の毛を残す髪型です。側頭部を刈り上げることで、頭頂部の薄毛が目立たなくなります。
ツーブロックショート
ツーブロックショートは、両サイドの髪の毛を短くし、頭髪を2つのブロックに分ける髪型です。顔全体のシルエットが縦に長くなり、薄毛が目立たなくなる点が特徴です。
おしゃれ坊主
AGAがある程度進行してしまった場合、思い切っておしゃれ坊主にするという方法もあります。あえて髪の毛を短く刈り揃えることで、かえって薄毛が目立たなくなります。
髪の毛の色を薄めのブラウンやゴールドに染めると、より一層、薄毛を目立たなくさせることが可能。
オールバック
頭頂部の薄毛が目立つような場合、髪の毛をある程度伸ばしたうえで、オールバックにするという方法もあります。前頭部の髪の毛は残っているものの、頭頂部から薄くなっている方におすすめの髪型です。
ショートレイヤー
ショートレイヤーは、トップの髪の毛を短めにカットし、毛先に向かうにしたがって長くする髪型を意味します。髪の毛の動きを出しやすいことから、薄毛部分を目立たなくさせることが可能です。
まとめ
若はげは10代の後半から20代に見られる薄毛のことで、主にAGAの発症に伴って目立つようになることが一般的です。
AGAは現在、病院やクリニックで治療できる時代となっているため、AGAの発症が疑われる場合、できるだけ早めに対処することが重要です。
ただ、治療を開始したからといっていきなり髪の毛がふさふさになるわけではありません。このため、髪型を工夫するなどして、薄毛を目立たなくさせることも求められます。
いずれにせよ、若はげには早めに対処することで、薄毛の進行を遅らせ、年齢相応の毛髪量に戻すことが期待できます。まずは専門医まで相談するよう心がけましょう。
薄毛・抜け毛でお悩みの方は駅前AGAクリニックへご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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