AGAの進行速度は個人差がある|できるだけ進行を抑える方法とは
最近テレビのコマーシャルなどでも、AGAという言葉を耳にする機会が増えてきました。AGAは男性に見られる代表的な脱毛症であり、男性に見られる薄毛の大半を占めるとされています。
AGAにはその他の脱毛症とは異なり、進行型という厄介な特徴があります。そのため、AGAの発症が疑われるのにも関わらず、なんら対策を講じなかった場合、薄毛が次第に進行してしまいます。
こちらの記事では、AGAの進行速度や薄毛が目立つようになるまでの期間、およびAGAの進行を抑える具体的な方法について解説しています。AGAが進行することに悩んでいる方、AGAの進行を抑えたい方は参考になさって下さい。
目次
AGAの進行速度はどれくらい?発症すると何年で薄毛が進行するのか
AGAは進行型の脱毛症とされていますが、次のような特徴があります。
- 進行スピードには個人差がある
- 若年で発症するとスピードが早い
- 急激に進行することはない
- およそ5年で薄毛が目立つようになる
一般的に、AGAを発症する年齢が若い方の方が、進行速度も速いと考えられていますが、全体的に見ると急激に進行するようなことはありません。以下、それぞれの項目についてさらに詳しく解説します。
進行スピードには個人差がある
AGAの進行スピードには個人差があります。一般的には、加齢に伴って見られる薄毛よりは、AGAの方が進行スピードは速いと考えられています。
AGAの主な原因は遺伝なのですが、その他にも生活習慣の乱れやストレス、誤ったヘアケア、運動不足、血行不良、偏った栄養バランスの食事など様々な要因が加わることで抜け毛のリスクを高めます。
遺伝による抜け毛を自力でコントロールすることは難しいのですが、生活習慣や食習慣の乱れを改善したり、誤ったヘアケアを見直したりすることは可能です。それによって、AGAの進行スピードを遅らせる可能性はあるでしょう。
また、AGAは治療をしないと確実に進行してしまいますが、治療をしているからと言って、乱れた生活習慣や食習慣を続けていれば、結果的にAGAの進行スピードを速めてしまいかねません。
若年で発症するとスピードが早い
AGAは一般的に、若年で発症すると進行スピードが早いと考えられています。日本皮膚科学会が策定している、男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインによると、AGA(男性型脱毛症)は思春期以降に発症し、徐々に進行する脱毛症と定義されています。
薄毛と言うと30代や40代で発症するイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。実際には、思春期の終わりを迎える10代後半以降にAGAを発症する可能性があるのです。
若年でAGAを発症した場合に進行スピードが速い理由としては、若い人に生活リズムの乱れが多く見られたり、ヘアケアを蔑ろにしていたりする点が挙げられます。ただ、若いうちにAGA治療を始めた場合、中高年以降の方に比べ、治療効果が表れやすいのも事実です。
急激に進行することはない
AGAは進行型の脱毛症ではあるのですが、基本的に急激に進行することはないと考えられています。脱毛症の一種に円形脱毛症がありますが、円形脱毛症の場合は、一晩の間にごっそりと髪の毛が抜け落ちてしまうことも珍しくありません。
AGAの場合は、そのような極端な抜け毛は見られません。男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにも、AGAは徐々に進行する脱毛症と記載されています。徐々にということは、ゆっくりと少しずつ症状が進行するという訳です。
仮にAGAが急激に進行したと感じられる場合、その他の原因によって抜け毛が増えていると考えられます。例えばAGAに加えて他の脱毛症を併発した場合や、AGA以外の要因による抜け毛が増えている場合、AGAが急激に進行したと感じる可能性があります。
およそ5年で薄毛が目立つようになる
AGAの進行スピードは基本的にゆっくりなので、発症したからと言ってすぐに薄毛が目立つようになる訳ではありません。逆に言うとAGAを発症していても気づかない可能性もある訳で、それがAGAという脱毛症の厄介な点とも言えるでしょう。
AGAを発症した場合、平均するとおよそ5年で薄毛が目立つようになると言われています。東和薬品株式会社のガイドブックによると、AGAを発症した場合、直径1インチ(およそ500円玉大)に生えている髪の毛の量が、5年間で有意に減少するとされています。
18歳から41歳までのAGA発症者1,553人を対象とした試験によると、直径1インチ内に生えていたおよそ900本の毛髪が、1年後にはおよそ20本、2年後にはおよそ50本、3年後にはおよそ80本、4年後にはおよそ180本、5年後にはおよそ250本抜けていたということです。
このように、AGAの発症から5年が経過する頃には、加速度的な抜け毛量の増加に伴い、薄毛が目立つようになると考えられています。
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AGAの進行速度にまつわるよくある質問
AGAの進行スピードに関しては、次のような質問が多く寄せられています。
- AGAの進行が止まることはある?
- 薬を使っても進行が止まらない場合はどうしたらいい?
AGAを発症した方にとって、AGAの進行が止まるかどうかは大いに関心があるのではないでしょうか。また、治療をしているのにAGAの進行が止まらないと不安になることもあるでしょう。それぞれの質問について詳しく解説します。
AGAの進行が止まることはある?
先にもご紹介した通り、AGAは進行型の脱毛症です。そのため、いったん発症が確認された場合、何も措置を講じずに進行が止まることはありませんし、症状が改善することも期待できません。
急速に薄毛が進行する円形脱毛症の場合、軽度であれば何もしなくてもおよそ80%は1年以内に回復するとされています。AGAの場合には、残念ながらそのようなことは期待できません。だからこそ、AGAの発症が疑われる場合、可能な限り早めに専門医の診察を受けることが重要なのです。
薬を使っても進行が止まらない場合はどうしたらいい?
AGAクリニックで診察を受け、治療薬を服用しているにも関わらず症状の進行が止まらない場合、主に3つの理由が考えられます。1つ目の理由は治療薬を正しく服用できていないことです。AGA治療薬に限らず、医薬品は用法・用量を守って正しく服用しなければなりません。
2つ目の理由は、治療効果が表れるまでに時間がかかることを理解できていないことです。AGA治療の効果が実感できるまでには、平均して6ヶ月から1年が必要であることを覚えておきましょう。
3つ目の理由は生活習慣が乱れていたり、誤ったヘアケアを続けていたりすることです。AGA治療薬を服用していたとしても、AGA以外の要因による抜け毛まではカバーできません。
AGAの進行を抑える具体的な方法
AGAの主な原因は遺伝ですが、その他の要因が加わることで抜け毛のリスクがさらに高くなります。AGAの進行を抑える具体的な方法としては、以下の4点が挙げられます。
- 髪や頭皮に負担をかけないヘアケアを意識する
- 食生活や睡眠時間などの生活習慣を見直す
- ストレスを溜め込まない
- 育毛剤や発毛剤を使う
それぞれについて詳しく解説します。
髪や頭皮に負担をかけないヘアケアを意識する
AGAの進行を抑えるためには、髪や頭皮に負担をかけないヘアケアを意識することが重要です。AGAを発症している方の多くに頭皮環境の悪化が見られますが、その理由の1つが髪や頭皮に負担をかけるヘアケアのやり方です。
例えば髪の毛を洗う時に爪や指先でゴシゴシと頭皮を擦っていると、摩擦による刺激で頭皮環境が悪化し、髪の毛の成長を阻害する可能性があります。また、普段使っているシャンプーの成分によって、頭皮環境が悪化する可能性もあります。
中でも合成界面活性剤を配合したシャンプーを使っていると、頭皮を守るべき皮脂まで洗い流し、頭皮環境の悪化を招く可能性があります。抜け毛や薄毛が気になる場合は、育毛用シャンプーや薬用シャンプーなど、髪の毛や頭皮に優しいシャンプーを使うようにしましょう。
食生活や睡眠時間などの生活習慣を見直す
AGAの進行を抑えるためには、食生活や睡眠時間などの生活習慣を見直す必要があります。髪の毛は私たちが食べたものから作られているため、髪の毛の成長にとって必要な栄養素が不足すれば、それだけ髪の毛の成長が滞り、成長しきらない内に抜けてしまうリスクが高くなります。
髪の毛はタンパク質によって作られているため、日頃の食事から良質のタンパク質を摂取するよう意識しましょう。また、髪の毛の成長を促進したり、血行を良くしたりする目的で、ビタミン類やミネラルも積極的に取り入れましょう。
AGAの進行を抑えるためには、睡眠時間や睡眠の質に気を付けることも重要です。睡眠不足になると細胞分裂が不活発になり、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。また、睡眠の質が低下すると、いくら寝ても寝足りないといった事態に陥りかねません。
ストレスを溜め込まない
ストレスを溜め込まないことも、AGAの進行を抑えるために重要なポイントです。ストレスを溜め込むと、自律神経のバランスが乱れ、様々な身体的・精神的トラブルのリスクを高めます。
自律神経のバランスが乱れると、交感神経が優位に傾き、血管の収縮を招きます。血管が収縮すると、血液の循環が悪くなり、栄養状態の低下が起こります。頭皮の栄養状態が低下した場合、強く・太い髪の毛を育てることができなくなり、結果として抜け毛のリスクが高くなります。
ストレスを実感しているようであれば、趣味に打ち込んだりスポーツを楽しんだり、レジャーを満喫したりするなど、適度にストレスを発散するよう心がけましょう。
育毛剤や発毛剤を使う
AGAの進行を抑えたいのであれば、育毛剤や発毛剤を使うという手もあります。育毛剤には髪の毛の成長にとって必要な成分や、頭皮環境を整える成分、血行を促進するための成分などが含まれています。
ただし、育毛剤はあくまでも髪の毛の成長をサポートするための商品であり、使ったからと言ってみるみる髪の毛が生えてくるようなことはありません。発毛を期待するのであれば、育毛剤ではなく、発毛剤を利用するのが正解です。
発毛剤は医療用医薬品であるため、原則として医師の処方を受ける必要があります。個人輸入で海外製の治療薬を利用する方法もありますが、粗悪品や偽物が混じっていることや、副作用が起こったときの救済が受けられないことを鑑みると、あまり推奨できる方法ではありません。
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AGAの進行を抑え改善するにはAGAクリニックで相談を
AGAは進行型の脱毛症ですが、基本的には進行スピードがそれほど早くありません。それだけに、AGAの発症に気づくのが遅れると、毛髪量を回復させるまでに時間がかかってしまいます。
AGAの進行スピードが速いと感じる場合、AGA以外の要因によって抜け毛が増えているのかもしれません。いずれにせよ、自分の判断ではなく、専門医の診察を受け、適切な処置を講じることが重要です。
AGAは早めの治療を始めることで、早期の回復が期待できます。抜け毛の量が増えた実感がある場合や、地肌が透けて見えるのが気になるような場合、なるべく早めにAGAクリニックで相談しましょう。
駅前AGAクリニックでは、治療に関する疑問や費用に関するご相談など、無料カウンセリングで何でも承っています。まずはお気軽にカウンセラーまでご相談下さい。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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