円形脱毛症を早く治す方法|自分でできる対処法や専門医の治療法を解説
円形脱毛症は、性別や年齢を問わずに発症することが特徴です。
では、円形脱毛症は自然に治るものなのでしょうか。それとも、適切な治療を受けないと、治ることはないのでしょうか。また、円形脱毛症が疑われる場合、何か自分でできることはあるのでしょうか。
この記事では、円形脱毛症を早く治すための方法について解説します。円形脱毛症に悩み、治療を検討している方はぜひ参考になさって下さい。
目次
円形脱毛症は治せる?
円形脱毛症の発症が疑われる場合、もっとも気になることは治るのかどうかでしょう。結論から申し上げると、10円玉サイズの円形脱毛症であれば、改善することが期待できます。
ですが、コイン大の円形脱毛症がいくつも出来たり、それらが繋がって広範囲に薄毛が見られたりする場合、治療期間が長くなったり改善が困難になったりするケースもあります。
これって円形脱毛症?初期症状の特徴とは
円形脱毛症の進行を抑制したり症状を改善したりするためには、円形脱毛症の初期症状や特徴を知ることが重要となります。
円形脱毛症の初期症状としては、抜け毛の量が急激に増えることが挙げられます。健康な方でも1日に50〜100本の抜け毛は見られるものです。
ですが、そのような抜け毛はまばらであり、正確な本数を数えることも難しいものです。ところが円形脱毛症を発症した場合、髪の毛がまとまってごそっと抜け落ちます。
円形脱毛症に伴う抜け毛には、特に予兆がないことも特徴として知られています。頭皮の痒みも痛みもないのに、ブラッシングをしただけで髪の毛がごっそり抜け落ちるような場合、円形脱毛症を発症している可能性があります。
円形脱毛症の発症が疑われるその他の特徴として、爪に小さなデコボコが生じることも挙げられます。抜け毛の量が増え、さらに爪の状態に変化がみられるようであれば受診も検討しましょう。
円形脱毛症が進行したときの症状
円形脱毛症が進行した場合、徐々に頭皮の透けて見える範囲が広がってきます。さらに、髪の毛が生えている箇所と、抜け毛が起こっている箇所が明確に分かれます。この点が、その他の脱毛症との大きな違いでもあります。
男性に多くみられるAGA(男性型脱毛症)の場合、前頭部から徐々に額が後退する症状を起こします。円形脱毛症の場合とは異なり、髪の毛が生えている部分と、脱毛箇所の境界線がハッキリしません。
円形脱毛症が進行した場合、抜け毛が起こっている箇所の周囲に生えている髪の毛も弱くなっており、指先で軽く引っ張るだけで抜け落ちることも珍しくありません。
健康に育っている髪の毛を無理に抜くと痛みを伴うものですが、円形脱毛症の場合は痛みも抵抗もなくスッと髪の毛が抜けてしまうのです。
早く治すためにできること
円形脱毛症を発症してしまうと、他人の目が気になるものです。また、ちゃんと回復するのかどうかも心配になることでしょう。そのようなストレスを抱えていると、さらに薄毛が進行してしまう可能性もあります。
では、円形脱毛症を発症した場合、早く治すために何かできることはないのでしょうか。ここでは、円形脱毛症の際に自分で行える対処法や、円形脱毛症を治療してもらえる専門医についてご紹介します。
円形脱毛症になった場合の対処法
円形脱毛症を発症した場合、なるべく早く対処することが重要です。円形脱毛症は10円はげとも呼ばれており、自然に治るようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、円形脱毛症は10円玉以上の大きさになることがあります。さらに、それらが繋がって大きな脱毛斑(抜け毛の箇所を意味する)を構成することもあります。
その場合、治療が長期に渡ることが多くあります。また、薄毛が完全には回復しないこともあります。
特に、円形脱毛症の範囲が頭部全体に広がったり、毛髪以外の毛(眉毛やまつげなどの体毛)も抜け始めたりして重症化すると、完治は難しくなります。
そのため、円形脱毛症の発症に早く気づくことが重要です。症状が軽度であればあるほど回復の見込みも高くなります。円形脱毛症の発症が疑われる場合は、早めの対処を心がけましょう。
自分でできる対処法
円形脱毛症の症状が軽度であれば、早めに対処することで改善が期待できると解説しました。続いて、自分でできる円形脱毛症への対処法を解説します。
生活習慣を整える
始めにお断りしておきますと、現在のところなぜ円形脱毛症が起こるのか、その原因について明確には分かっていません。
円形脱毛症は自己免疫疾患の1つと考えられており、何らかの原因によって自分の細胞を免疫系が攻撃することで、抜け毛を促進すると考えられています。
そのため、生活習慣を整え、免疫系の機能を正常に保つことが求められます。なるべく早寝早起きを心がけ、栄養バランスが取れた食事を摂取するよう意識しましょう。
ヘッドマッサージを行う
抜け毛が気になるような場合、ヘッドマッサージを行うことで、頭皮環境を良い状態に導くことが期待できます。
髪の毛は毛母細胞の分裂によって強く育ちますが、そのためのエネルギーとなるのが血液です。血液は毛細血管を通って毛母細胞へと供給されるため、血行が悪くなると、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。
ヘッドマッサージによって血液の循環が良くなれば、髪の毛を太く・強く育てることが期待できます。ただし、円形脱毛症が発症している箇所は避けるようにしましょう。
ストレスを溜めない生活を過ごす
かつて円形脱毛症はストレスが原因となって発症すると考えられていました。しかし、現在ではストレスそのものが円形脱毛症を引き起こすことはないということが分かっています。
ですが、ストレス状態が続くと交感神経が優位に傾いて血管が収縮し、血液の循環に悪影響を及ぼします。上述したように、髪の毛が強く育つためには栄養を運んでくれる血液の存在が不可欠です。
ストレスは万病の元と言われるように、脱毛症にとっても好ましい存在ではありません。そのため、ストレスを溜め込まない生活を過ごすようにしましょう。
早く治すためには専門医に相談を
円形脱毛症の発症が疑われる場合、なるべく早く専門医に相談することが重要です。治療開始が遅くなるほど症状が進行し、手に負えなくなる可能性もあります。
円形脱毛症の治療は、皮膚科や薄毛治療専門のクリニックで受けることができます。最近は円形脱毛症を取り扱うクリニックも増えています。
保険が適用されない治療もある
円形脱毛症の治療には、健康保険が適用される場合とされない場合があります。治療範囲が狭くて初期段階であれば、健康保険を利用して治療を受けることが可能です。
ですが、保険治療では手に負えないほど症状が進行してしまった場合、自費治療となるケースもあります。そのため、円形脱毛症の症状がひどくなる前に受診することが推奨されます。
円形脱毛症の治療法
皮膚科や薄毛治療専門のクリニックにおける治療法や治療にかかる期間について解説します。
円形脱毛症の治療にかかる期間
円形脱毛症の治療に必要な期間は症状の程度によって異なります。単発型(コイン大の円形脱毛症が1個)の場合、3〜6ヶ月程度の治療で改善が見られ始めます。
ただし、全頭型や汎発型といって頭全体の毛髪が抜け落ちたり、体毛が抜け落ちたりした場合、回復が困難なケースもあります。
外用薬
円形脱毛症の基本的な治療法として、外用薬を塗布することが挙げられます。外用薬にはステロイドや塩化カルプロニウムといった成分が含まれており、頭皮の炎症を鎮めたり、発毛効果を促進したりする作用が期待されています。
また、AGAを始めとした脱毛症の改善が期待されている、ミノキシジルが用いられることもあります。ミノキシジルには局所の血行を促進したり、発毛シグナルを促したりする作用が期待されています。
内服薬
円形脱毛症の際に用いられる内服薬としては、ステロイド製剤や抗ヒスタミン剤、セファランチンなどが挙げられます。
ステロイド製剤には、外用薬と同様に炎症を鎮める作用が期待されています。抗ヒスタミン剤やセファランチンには、アレルギー反応を抑制する作用が期待されています。
ステロイド局所注射
円形脱毛症を発症した場合、外用薬や内服薬は行ってもよい治療法に分類されています。それに対して、ステロイド局所注射や後述する局所免疫療法は推奨される治療法となっています。
ステロイド局所注射は、炎症や免疫反応を抑制する作用のあるステロイド製剤を直接的に頭皮下へと注入する治療法です。
局所免疫療法
局所免疫療法は、ジフェニルシクロプロペノンや、スクアレン酸ジブチルエステルといった試薬を利用して、わざと頭皮に炎症を起こす治療法です。
頭皮に軽度の皮膚炎を繰り返し起こすことによって、皮膚炎が改善する過程で発毛を促進することが目的となっています。
円形脱毛症治療に関するご相談なら
円形脱毛症は、年齢や性別を問わず、誰にでも起こり得るタイプの脱毛症です。かつてはストレスが原因だと考えられていましたが、現在では自己免疫疾患の一種と考えられています。
脱毛範囲がコイン大である場合、早期の治療によって改善が期待できますが、脱毛範囲が広くなればなるほど、治療期間や費用の増大に繋がります。そのため、円形脱毛症の発症が疑われる場合、なるべく早く医療機関で相談することが重要です。
薄毛治療専門のクリニックの中には、男性の薄毛だけを取り扱っているクリニックもありますが、新宿AGAクリニックでは女性の薄毛や円形脱毛症も専門的に治療しています。
カウンセリングは無料で行っておりますので、治療に関するご質問や費用に関するご相談など、まずはお気軽にお問い合わせください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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