育毛剤に副作用はある?考えられる副反応の種類について!
薄毛や抜け毛が気になって育毛剤の利用を考えている方の中には、育毛剤の副作用が心配という方もいらっしゃるのではないでしょうか。育毛剤に限った話ではありませんが、化学的に製造された医薬品には、主作用があれば必ず副作用もあるものです。
育毛剤を使用する場合も副作用のリスクをゼロにすることはできません。こちらの記事では、育毛剤の使用によって起こり得る副反応の種類やその原因、および育毛剤を使用する際の注意点などについて詳しく解説しています。
目次
育毛剤で副反応は起こる?
結論から申し上げますと、育毛剤を利用した場合、副反応が起こる可能性はあります。ただ、育毛剤によって起こり得る副反応の種類を理解しておけば、安心して育毛剤を利用することができます。
育毛剤の種類によって起こり得る副反応も異なるため、自分に合ったタイプの育毛剤を利用し、薄毛の改善に取り組むことが重要と言えます。また、育毛剤の使用による副作用の頻度はそれほど高いものではありません。むやみに心配するのではなく、リスクをコントロールするといった考え方をする必要もあるでしょう。
考えられる副反応の種類
育毛剤の使用によって起こり得る副反応としては、以下のような例が挙げられます。
- 初期脱毛
- めまい・頭痛
- 多毛症
- 動悸
- 身体の痒み・発疹
中には副反応というよりも、育毛剤の効果の裏返しと言える反応もあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
初期脱毛
育毛剤の使用によって起こり得る副反応の1つが初期脱毛です。初期脱毛は、育毛剤の利用を開始してから2週間から1ケ月経った頃に見られる一時的な抜け毛量の増加を意味します。
せっかく育毛剤を使い始めたのに、抜け毛の量が増えるとショックを受け、育毛剤の使用をやめてしまう方もいます。ただ、初期脱毛は新たな発毛が起こっている裏返しでもあるので、自己判断で育毛剤の使用をやめるのではなく、医師に相談するよう心がけましょう。
めまい・頭痛
育毛剤の使用による副反応としては、めまいや頭痛も挙げられています。特に育毛剤の使用によって血液の循環が急によくなったり、反対に血圧が下がったりすることで、めまいや頭痛の発症リスクが高くなると考えられています。
厚生労働省が発表しているデータによると、育毛剤(ミノキシジル)を利用した場合の頭痛の発現頻度は、およそ0.3%とされています。ただし、頭痛やめまいの原因が育毛剤かどうかを判断することは難しいと言えるでしょう。
多毛症
育毛剤を利用した場合、多毛症の副反応が見られることもあります。多毛症は男女を問わず、身体のいたるところに生えている体毛が増える病気を意味します。
育毛剤には塗り薬タイプと内服タイプの2種類があり、一般的に内服タイプの方が高い効果を期待できるとされています。ただ、育毛剤の効果が選択的に頭にだけ現れるわけではないため、髪の毛と共に体毛が増えることもあるのです。
動悸
育毛剤によって起こり得る副反応としては、動悸(どうき)も挙げられています。特に血管拡張作用がある育毛剤を利用したときに、動悸を起こす可能性があると考えられています。
育毛剤の中には循環器系に影響をおよぼすものもあるため、心臓に不安がある方の場合、育毛剤を利用する前に、担当医に相談することを忘れないようにしましょう。
体の痒み・発疹
育毛剤によって起こり得る副反応としては、身体の痒みや発疹などが挙げられます。また、体質や肌の質によっては、頭皮の赤みを引き起こしたり、アレルギー反応が見られたりするケースもあります。これらの副反応は、主に外用タイプの育毛剤を頭皮に塗布することで起こります。
代表的な成分ごとの副反応
育毛剤には様々な成分が含まれており、成分ごとにあらわれる副反応も異なっています。薄毛の治療には主に次のような成分を配合した育毛剤や発毛剤が利用されています。
- ミノキシジル
- フィナステリド
- デュタステリド
それぞれの成分の特徴や、起こり得る副反応について見ていきましょう。
ミノキシジル
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として用いられていた成分です。ところが、ミノキシジルで高血圧の治療を行っていた方の多くに発毛や体毛の増加が見られたため、低用量のミノキシジル外用薬が開発されました。
外用タイプのミノキシジルには、主に頭皮の痒みや赤み、アレルギー反応といった副反応の可能性があるものの、発現頻度はそれほど高くありません。内服タイプのミノキシジルには動悸や息切れ、頭痛、めまいといった副反応の可能性があります。
フィナステリド
フィナステリドには、AGA(男性型脱毛症)の原因の1つである、5α-リダクターゼの働きを阻害し、ジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑制する作用があります。
フィナステリドの主な副反応としては、男性機能の低下が挙げられています。フィナステリドを服用した方の5%未満に性欲の減退が、1%未満に勃起機能不全や射精障害が見られるとされています。近年では、ポストフィナステリド症候群といった副反応の可能性も指摘されています。
デュタステリド
デュタステリドはもともと男性に見られる前立腺肥大症の治療薬として用いられていましたが、発毛効果が確認されたことから、日本と韓国ではAGAの治療にも用いられるようになっています。
デュタステリドにはフィナステリドと似たような作用機序があり、副反応に関してもフィナステリドと同様、男性機能低下のリスクがあります。ごく稀にですが、海外ではデュタステリドを利用したことで、肝機能障害を起こしたり、乳房が女性化したりしたという報告もあります。
副反応が起こる原因
育毛剤の使用によって副反応が起こる原因は、主に次の2点となっています。
- 育毛剤の成分が肌質に合っていない
- 育毛剤の成分が体質に合っていない
育毛剤には外用タイプと内服タイプの2種類があります。特に外用タイプの育毛剤を頭皮に塗布した場合、肌質によって過敏に反応してしまい、副反応のリスクを高めることがあります。
内服タイプの育毛剤の場合、体質によって身体が有効成分に反応してしまい、副反応のリスクを高める可能性があります。
育毛剤にはミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドといった有効成分だけでなく、血行を促進したり、頭皮環境を整えたりする様々な成分(カプサイシンやビタミン類、センブリエキスなど)が含まれています。
そのため、副反応が心配な方はあらかじめ医師に相談するか、配合されている成分をしっかり確認するようにしましょう。
育毛剤を使用する際の注意点
育毛剤や発毛剤を使用した場合、それほど発現頻度が高いわけではありませんが、副反応を起こす可能性があります。副反応のリスクを軽減するためには、次のような点に注意するとよいでしょう。
- 体調が悪い時には使わない
- 用法・用量を守って使う
- 副反応に関する記述を確認する
- アルコールフリーの商品を選ぶ
- 事前にパッチテストを行う
それぞれについて詳しく解説します。
体調が悪い時には使わない
育毛剤や発毛剤を使用する際の注意点として、体調が悪い時には使わないことが挙げられます。体調が悪いときは、身体の免疫力が低下しており、育毛剤に含まれる成分が思わぬ作用をもたらす可能性も考えられます。
健康なときには何も副反応が見られなかったのに、体調が悪いときに使ったら副反応が出たというケースも珍しくありません。体調が悪いときには、まず身体の回復を優先するよう心がけましょう。
用法・用量を守って使う
育毛剤を使用する際の注意点として、用法・用量を守って正しく使う点も挙げられます。育毛剤はたくさん使ったからと言って、その分だけ効果が高くなるものではありません。
反対に、育毛剤を使い過ぎることで毛穴が詰まったり、頭皮に炎症を起こしたりする可能性もあります。育毛剤を使用するときは、添付文書をしっかり読んで正しく使うことが重要です。
副反応に関する記述を確認する
育毛剤による副反応のリスクを軽減するためには、使用前に副反応に関する記述を確認しておくことも重要です。多くの方には無害な成分であっても、体質的に自分に合わない成分が配合されている可能性もあります。
育毛剤によっては、使用を控えたほうがよい人についての記載があるケースもあります。副反応をできるだけ避けるためにも、使用前に副反応に関する記述をしっかりと確認しておきましょう。
アルコールフリーの商品を選ぶ
育毛剤による副反応のリスクを軽減する方法の1つが、アルコールフリーの商品を選ぶことです。アルコールが含まれている育毛剤を頭皮に塗布すると、蒸発するときに頭皮の水分が奪われます。
頭皮の水分が奪われると、外部からの刺激に対して敏感になり、頭皮の痒みや赤みを引き起こしやすくなります。特に敏感肌の方は、アルコールフリーの育毛剤を選ぶと良いでしょう。
事前にパッチテストを行う
育毛剤による副反応のリスクを軽減するためには、事前にパッチテストを行う方法もあります。特にアレルギー体質の方は、パッチテストによって副反応のリスクを確認しておくよう心がけましょう
パッチテストによってアレルギー反応が出ないようであれば、安心して使用できる育毛剤だと考えて良いでしょう。
副反応を防ぐ方法
育毛剤や発毛剤による副反応を完全に防ぐことは困難です。しかし、次のような点に気をつけることで、副反応のリスクを最小限度に留めることが期待できます。
- 専門のクリニックを受診する
- 治療薬を併用する
育毛剤や発毛剤による副反応のリスクを最小限度に留めるためには、AGA治療専門のクリニックを受診するのが一番です。薄毛の治療は皮膚科でも行っていますが、皮膚科医が皮膚疾患全般を取り扱うのに対し、AGA専門のクリニックには、AGAに特化した医師が在籍しています。
AGAに特化した医師であれば、どのような治療薬が効果的なのか、また副反応のリスクがあるのかを正確に判断することが可能です。
また、男性機能の低下といった副反応がある場合、EDの治療薬を併用することで、副反応のリスクを下げることが期待できます。ただし、その場合も専門医の指導下で治療薬を併用することが重要です。
副反応が出て場合の対処法
育毛剤や発毛剤による副反応が出た場合は、直ちに育毛剤や発毛剤の使用を中止し、近くの病院やクリニックで見てもらうようにしましょう。その際、実際に使っている育毛剤や発毛剤を持参することも忘れないようにしましょう。
自己判断で副反応を放置した場合、思わぬ疾患を招かないとも限りません。また、育毛剤や発毛剤によって初期脱毛が起こった場合は、発毛効果なのかどうかについて判断してもらうため、AGA専門のクリニックを受診すると良いでしょう。
AGA治療に関するご相談なら
薄毛の改善目的で用いられる育毛剤や発毛剤には、副反応を起こす可能性があります。それほど重篤な副反応のリスクがあるわけではないのですが、安心して育毛剤や発毛剤を使うためにも、副反応のリスクについて知っておくことが重要です。
特に内服タイプのミノキシジルには心臓への負担を増す恐れがあるため、心臓に不安がある方は必ず専門のクリニックで処方してもらうようにしましょう。
医薬品である以上、副反応のリスクをゼロにすることは難しいのですが、専門医の指導を仰いで利用することで、副反応のリスクを最低限度に留めることが期待できます。
新宿AGAクリニックでは無料カウンセリングで、育毛剤や発毛剤に関する疑問や不安にお答えしています。薄毛を改善したい方は、カウンセラーまでお気軽にご相談下さい。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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