ミノキシジルを服用後に産毛が生えてくるメカニズムや注意点を解説!
日本で薄毛治療を行う際には、主にフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3つの有効成分が用いられます。
3つの有効成分のうち積極的な発毛効果を得られるのが、AGA治療において攻めの治療薬といわれているミノキシジルです。
厚生労働省では塗り薬タイプのミノキシジルのみ認可していますが、AGAクリニックではより発毛効果が高いミノキシジル内服薬の処方も行っています。
こちらの記事では、ミノキシジル内服薬を服用後に産毛が生えてくるメカニズムや、服用にあたっての注意点について解説します。
目次
ミノキシジルの効果とは?
ミノキシジルの服用で産毛が生えてくるメカニズムについて理解するためには、ミノキシジルの効果について知っておく必要があります。
ミノキシジルには、主に以下3つの効果が期待されています。
- 毛周期の延長
- 血液の流れを改善
- 髪の成長に必要な栄養や酸素を供給
薄毛を効率的に改善するためにも、ミノキシジルの効果についてあらかじめ理解しておくのがおすすめです。
毛周期の延長
ミノキシジルに期待できる効果の1つが毛周期の延長です。毛周期はヘアサイクルとも呼ばれており、大きく以下の3期に分けられます。
成長期 |
毛母細胞が活発に分裂して髪の毛を太く・強く成長させる。毛周期全体のおよそ85~90%を占める |
退行期 |
毛母細胞の分裂が鈍くなる時期。毛周期全体のおよそ1%を占める |
休止期 |
毛母細胞の分裂が完全に停止し、髪の毛が頭皮から抜け落ちるのを待つ時期。毛周期全体のおよそ10~15%を占める |
毛周期はおよそ3〜5年で繰り返されますが、AGAを発症すると半年〜1年に短縮され抜け毛が目立ちはじめます。
ミノキシジルの服用で毛周期が延長すると抜け毛量が減るだけでなく、髪の毛を太く・強く成長させる効果が期待できます。
血液の流れを改善
ミノキシジルには血管を拡張し、血液の流れを改善する効果が期待できます。ミノキシジルが開発された当初、高血圧の治療薬として用いられていたのもそのためです。
ミノキシジル外用薬の場合は局所の血流を促進するだけですが、内服薬の場合は全身の血流を促進する作用が得られます。
髪の成長に必要な栄養や酸素を供給
ミノキシジルの作用により血液の流れが促進されると、髪の毛の成長に必要な栄養や酸素を頭皮に送り届けやすくなります。
髪の毛を作る元となるタンパク質や、アミノ酸を再合成するための亜鉛、頭皮環境を整えるためのビタミン群などが頭皮へ十分に届けられると、髪の毛を太く・強く成長させるサポート効果が期待できます。
ミノキシジルの服用後に生える産毛を太くする方法
ミノキシジルを服用すると毛周期が整い、毛穴の奥から新たに産毛が生えてきます。AGAを改善するポイントの1つが、以下の方法で新たに生えてきた産毛を太く成長させることです。
- タンパク質やビタミンの摂取
- 良質な睡眠
- ストレスの発散
ここでは、ミノキシジルの服用により生えてきた産毛を太くするための3つの方法について解説します。
タンパク質やビタミンの摂取
ミノキシジルの服用により生えてきた産毛を太くするためには、タンパク質やビタミンなどの摂取が欠かせません。
髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンで作られているため、毎日の食事の良質なタンパク源を取り入れるようにしましょう。
タンパク質は体内でいったんアミノ酸レベルに分解され、その後、身体の各所へと送られてタンパク質に再合成されます。
アミノ酸を髪の毛の元となるケラチンへと再合成する際に必要な栄養素が亜鉛です。そのため、タンパク質と一緒に亜鉛も摂取すると良いでしょう。
また、皮脂の分泌量をコントロールし、頭皮環境を良好に保つためにはビタミン群の摂取も必要です。
良質な睡眠
髪の毛は毛母細胞の分裂により成長しますが、細胞分裂は夜間に成長ホルモンが分泌されることで活発化します。
そのため、睡眠時間を確保するのはもちろん、良質な睡眠を得るよう意識しましょう。良質な睡眠を得るためには日中に適度に身体を動かし、就寝前に入浴してリラックスすると良いでしょう。
寝る直前までスマホやテレビの明るい画面を見ていると、脳が興奮して睡眠の質を低下させるため注意が必要です。
ストレスの発散
ストレスは自律神経のうち交感神経を優位に傾け、血管を収縮させて血行不良を引き起こすリスクを高めます。
また、ストレス状態が継続すると自律神経の乱れにより男性ホルモンが活発化し、皮脂の分泌量増加による頭皮環境の悪化を招きやすくなります。
そのため、自分に合った方法で定期的にストレスを発散するよう意識しましょう。身体を動かすのが好きな方は、日頃から運動に取り組んだり、休日にハイキングなどに出かける方法があります。
運動が苦手な方は趣味に没頭する時間を設けたり、カラオケで大きな声を出したりすると良いでしょう。
ミノキシジルの副作用
ミノキシジルの主な副作用として、以下の例が挙げられています。
- 多毛症
- 皮膚炎
- 動悸や息切れ
- 頭痛
- めまい
ただし、あくまでもミノキシジルによく見られる副作用であり、服用した方が必ず発症するわけではありません。
多毛症
ミノキシジル内服薬の副作用の1つが多毛症です。ミノキシジル外用薬とは異なり、内服タイプのミノキシジルは全身の血流を促進するのが特徴です。
そのため、髪の毛だけでなく全身の体毛が濃くなる可能性があります。体毛が気になる方は脱毛治療を並行して行うと良いでしょう。
皮膚炎
ミノキシジル外用薬を頭皮に塗布すると、肌のかゆみや赤みなど皮膚炎を引き起こす可能性があります。
厚生労働省が発表している「ミノキシジルのリスク区分について」では、ミノキシジル外用薬によりもっとも多く見られる副作用として適用部位の掻痒(そうよう)感をあげています。
しかし、ミノキシジル外用薬によって適用部位の掻痒感を生じる可能性はおよそ2.5%〜4%に過ぎません。
動悸や息切れ
ミノキシジルを服用すると一時的に血圧が下がりますが、その後、脳からの指令で血圧が上昇傾向に転じます。その際に、動悸や息切れといった症状があらわれやすくなります。
頭痛
ミノキシジルの作用により血液の循環が急によくなると、人によっては頭痛を引き起こすケースがあります。
先に紹介したミノキシジルのリスク区分によると、ミノキシジル外用薬により頭痛を生じる可能性はおよそ0.3%です。
めまい
ミノキシジルを服用すると全身の血流や血圧に変化が生じるため、めまいを引き起こす可能性があります。
ミノキシジルを服用する際に注意が必要な方
日本では塗り薬タイプのミノキシジルが承認されていますが、内服薬に関しては未承認のため、服用前に注意点について知っておく必要があります。
- 高齢者の方
- 甲状腺疾患の方
- 壮年性脱毛症以外の脱毛症の方
- 高血圧・低血圧の方
上記に該当する方は、以下を参考に適切に対処してください。
高齢者の方
ミノキシジルに限った話ではありませんが化学的に製造された医薬品、特に内服薬は肝臓への負担が避けられません。
65歳以上の高齢者の方は一般的に生理機能が低下しているため、症状変化や副作用に注意しながらミノキシジルを服用する必要があります。
高齢者の方で肝機能に不安をお持ちの方は、自分の判断で服用せずかかりつけ医の指示を仰ぐようにしてください。
甲状腺疾患の方
甲状腺疾患をお持ちの方は、ミノキシジルを服用しても期待した効果を得られない可能性があります。
甲状腺ホルモンには毛母細胞の働きを活性化する作用がありますが、甲状腺疾患を発症すると甲状腺ホルモンの分泌に異常をきたし、抜け毛リスクを高める可能性があります。
甲状腺疾患が原因で抜け毛が起こっているのであれば、ミノキシジルを服用しても症状の改善は期待できません。
壮年性脱毛症以外の脱毛症の方
ミノキシジル内服は主に壮年性脱毛症(AGA)を改善する目的で処方されます。そのため、壮年性脱毛症ではない方が服用しても、期待した効果は得られません。
例えば脂漏性脱毛症は皮脂の過剰な分泌が原因で発症リスクを高めるため、ミノキシジルの服用ではなく、皮脂の分泌量をコントロールする必要があります。
高血圧・低血圧の方
ミノキシジルには血管を拡張し、一時的に血圧を下げる作用があるため、低血圧の方が服用するとめまいやふらつきを起こす可能性があります。
また、一時的に下がった血圧を上げるために脳から指令が下されると、心臓に急激な負担がかかるため、高血圧をお持ちの方も注意が必要です。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックまでお問い合わせください。新宿AGAクリニックでは、AGA治療を専門としており600パターンにおよぶ治療法のなかから、一人ひとりに最適な方法を提案しています。
AGAは進行型の脱毛症のため、発症が疑われる際にはなるべく早めに治療を開始する必要があります。カウンセリングは無料で行っているため、治療法や費用に関するご相談など気軽にお問い合わせください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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