脱毛症の治療方法は複数ある!自分の症状に合った適切な治療を受けよう
抜け毛や薄毛は男女共通のお悩みですが、脱毛症にはいくつかの種類があります。そのため、自分の脱毛症がどれに当てはまるのかを理解して、適切に対処することが重要です。
こちらの記事では、代表的な6つの脱毛症とその原因、および治療法についてご紹介しています。脱毛症の種類によっては、早めに治療を始めないと取り返しがつかない結果となる可能性もあります。脱毛症にまつわるQ&Aも紹介していますので、薄毛や抜け毛にお悩みの方はお役立て下さい。
目次
6種の脱毛症それぞれの発生原因とは
脱毛症には様々な種類がありますが、ここでは代表的な6つの脱毛症と、それぞれの発生原因について紹介します。
脱毛症の種類 | 主な原因 |
AGA・FAGA | ホルモンバランスの変化 |
円形性脱毛症 | 自己免疫異常 |
脂漏性脱毛症 | 皮脂の過剰な分泌にともなう脂漏性皮膚炎 |
ホルモン分泌異常による脱毛症 | 甲状腺機能の低下や産後のホルモンバランスの乱れ |
薬剤性脱毛症 | 医薬品による副反応 |
トリコチロマニア | 精神的なストレス |
それぞれについて、さらに詳しく見ていきましょう。
AGA・FAGA
AGAは男性に見られる代表的な薄毛の一種です。英語のAndrogenetic Alopeciaを略したもので、直訳すると男性ホルモンに由来する遺伝的な脱毛症となります。日本では男性型脱毛症と呼ばれています。
FAGAは女性に見られる代表的な脱毛症で、Female Androgenetic Alopeciaを略したものです。AGA・FAGAのいずれも、ホルモンバランスの変化によって発症リスクを高めることが分かっています。
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円形性脱毛症
円形脱毛症は、突然のようにまとまった本数の髪の毛がごっそりと抜け落ちる病気です。年齢や性別を問わず誰でも発症する可能性があり、4人に1人は15歳以下で発症するといったデータもあります。
円形脱毛症にはいくつかのタイプがあり、コイン大の脱毛斑を認める単発型の円形脱毛症もあれば、髪の毛全部が抜け落ちてしまう全頭型の円形脱毛症もあります。円形脱毛症の原因についてはハッキリとしたことが分かっていないのですが、自己免疫異常によって発症すると考えられています。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は、皮膚の炎症性疾患の一種である脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)に伴う脱毛症です。脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌量が多い箇所であればどこでも起こり得るのですが、頭皮は身体の中でも特に皮脂の分泌量が多い箇所であるため、脂漏性皮膚炎の発症リスクが高くなっています。
脂漏性皮膚炎自体が抜け毛をもたらすわけではありませんが、皮脂の過剰な分泌によって角層やホコリなどが毛穴に詰まり、炎症を起こすことで、頭皮環境の悪化に伴う抜け毛のリスクが高くなるのです。
ホルモン分泌異常による脱毛症
脱毛症の中には、ホルモン分泌の異常に伴って起こる脱毛症もあります。例えば甲状腺機能低下症を発症した場合、新陳代謝の機能が低下するため、抜け毛の量が増えたり、髪の毛が細くなったりすることが分かっています。
女性の場合、出産後にホルモンバランスが乱れると、抜け毛の量が一時的に増える方もいます。妊娠中には女性ホルモンが盛んに分泌されるのですが、出産後に女性ホルモンの分泌量が激減することで、抜け毛の量が増えるのです。そのような脱毛症のことを分娩後脱毛症と呼んでいます。
薬剤性脱毛症
薬剤性脱毛症はその名の通り、何かしらの医薬品を服用したことに伴う脱毛症です。よく知られている例としては、抗がん剤の副反応による抜け毛が挙げられます。
抗がん剤には細胞の分裂を抑える作用があるのですが、それによって毛母細胞の分裂が妨げられると、抜け毛のリスクも高くなるのです。
また、抗がん剤の服用によってヘアサイクルにおける休止期が長くなることで、薄毛の範囲が徐々に広がることも分かっています。
トリコチロマニア(抜毛癖)
トリコチロマニア(抜毛癖)は抜毛症(ばつもうしょう)とも呼ばれる精神障害の一種です。自然に髪の毛が抜け落ちるのではなく、自分で髪の毛を始めとする体毛を引き抜くのが特徴です。
人口全体のおよそ1%〜2%に見られ、それほど珍しい病気という訳ではありません。発症者の多くが女性で、特に子どもに発症例が多いことも分かっています。
トリコチロマニアに関してはハッキリとした原因が分かっていないのですが、精神的なストレスによって発症リスクを高めるのではないかと考えられています。
脱毛症の治療法6種
脱毛症には様々な種類があり、発症原因もそれぞれに異なっています。そのため、それぞれの脱毛症に応じた適切な治療を行なう必要があります。脱毛症の代表的な治療法としては、以下の6つの方法が挙げられます。
- 内服薬
- 外用薬
- メソセラピー
- 自毛植毛
- LED照射
- 食事・生活習慣の改善
それぞれについて詳しく解説します。
内服薬
薄毛治療には内服薬を用いるのが一般的です。代表的な治療薬としては、以下のような医薬品が挙げられます。
治療薬 | 対象となる脱毛症 |
プロペシア・ザガーロ | AGA(男性型脱毛症) |
パントガール | FAGA(女性型脱毛症) |
ステロイド・抗アレルギー剤 | 円形脱毛症 |
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) | トリコチロマニア(抜毛癖) |
AGAの治療には、プロペシアやザガーロといった治療薬を用いるのが一般的です。プロペシアやザガーロには、AGAの原因の1つである、5α-リダクターゼの働きを阻害し、抜け毛を予防する効果が期待されています。パントガールは、世界で初めて安全性と有効性が確認された、女性用の薄毛治療薬です。
円形脱毛症の症状がひどい場合、一時的にステロイド製剤を内服するケースがあります。また、抗アレルギー剤が有効なケースもあります。抜毛症の治療法として、選択的セロトニン再取り込み阻害剤が用いられることもあります。
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外用薬
脱毛症の治療には、外用薬が用いられることもあります。代表的な外用薬としては、以下のような医薬品が挙げられます。
治療薬 | 対象となる脱毛症 |
ミノキシジル外用薬 | AGA・FAGA・円形脱毛症 |
ステロイド外用薬 | 円形脱毛症 |
抗真菌薬 | 脂漏性脱毛症 |
ミノキシジル外用薬には、血液の循環をスムーズにしたり、発毛シグナルを促進したりする働きがあります。男性だけでなく、女性が使用することも可能です。
円形脱毛症の治療には、ステロイド外用薬を用いるのが一般的です。脂漏性脱毛症に対しては、原因となる脂漏性皮膚炎を改善する目的で、抗真菌薬が用いられることもあります。
メソセラピー
メソセラピーは、皮下に何らかの有効成分を注入する医療行為を意味します。脱毛症に関しては、AGAやFAGAの発症が疑われる時に、グロースファクター(髪の毛の成長因子)を頭皮下に注入する治療が行われています。
内服薬による治療の場合、医薬品の有効成分が血液の流れによって頭皮へと送られますが、メソセラピーの場合は、頭皮に対して直接的にアプローチできる点がメリットとなっています。そのため、投薬治療よりも短期間で発毛効果を実感される方もいらっしゃいます。
自毛植毛
自毛植毛は、主に後頭部や側頭部の毛穴を皮膚ごと切除し、薄毛が目立つ箇所へと移植する外科的治療を意味します。男性の薄毛だけでなく、女性の薄毛であっても自毛植毛で改善することが可能です。
AGAには進行型という特徴があるのですが、後頭部の毛穴はAGAの影響を受けにくいことが分かっています。そのため、後頭部の毛穴を移植した場合、移植先でもAGAの影響を受けにくい性質が受け継がれます。投薬治療では対応できないほど薄毛の範囲が広がった場合、自毛植毛が検討されることもあります。
LED照射
脱毛症の治療法としては、LED照射も挙げられます。脱毛症の治療には主に赤色LEDが用いられており、男女ともに有効な治療法とされています。
赤色LEDを頭皮に照射すると、毛母細胞の分裂を活発化させることが期待されています。痛みや熱さを感じることがなく、副作用のリスクもほとんどないため、投薬治療が不安な方でも安心して治療が受けられます。
日本皮膚科学会では、男性型脱毛症および女性型脱毛症の診療ガイドラインを策定していますが、LED照射はBランクの、行うよう勧める治療法として位置づけられています。
食事・生活習慣の改善
脱毛症の治療と平行して、食事や生活習慣を改善することも重要です。いくら治療薬やメソセラピーなどで抜け毛を予防し、発毛を促進しても、生活リズムが乱れたままでは治療効果が低くなってしまいます。
特に睡眠不足や疲労の蓄積などでストレス状態が継続すると、自律神経のバランスが乱され、髪の毛の健全な成長を阻害します。また、アルコールやタバコも血管を収縮させ、頭皮へと送られる血液の循環を阻害します。
脱毛症を改善するためには、良質の睡眠をとり、アルコールやタバコを控えることが重要です。また、髪の毛の成長に欠かせないたんぱく質や亜鉛、ビタミン類も積極的に摂取する必要があります。
脱毛症にまつわるQ&A
脱毛症には様々な種類があるため、どのように対処して良いのか分からないこともあるでしょう。また、治療を受けることで、本当に脱毛症が改善するのか不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。脱毛症に関しては、次のような質問が多く寄せられています。
- 脱毛症は治療したら治る?
- 脱毛症が疑われている場合は病院に行くべき?
- 脱毛症の治療をしないとどうなる?
それぞれについて解説します。
脱毛症は治療したら治る?
脱毛症に関してよくある質問の1つが、治療することで脱毛症が改善するのかどうかという点です。AGAに関して言うなら、残念ながら完治することはありません。ただし、適切な治療を受けることで、AGAの進行を遅らせることは可能です。
円形脱毛症の場合、原因を取り除くことで進行を止められる可能性はあります。ただ、重度の円形脱毛症の場合、完治までに時間がかかるだけでなく、再発の恐れもあります。
女性に見られる分娩後脱毛症に関しては、半年から1年ほどすれば多くのケースで改善が見られます。トリコチロマニアに関しては、原因となる精神的なストレスを取り除くことが重要です。
脱毛症が疑われている場合は病院に行くべき?
何らかの脱毛症が疑われる場合は、医療機関で専門医の診察を受けることが重要です。脱毛症には様々な種類があるため、自己でどの脱毛症かを判断するのは困難です。
医療機関では問診や視診、ファイバースコープなどによる検査、血液検査などを行ない、なぜ抜け毛が起こっているのかを特定します。その上で、適切な治療法が提案される流れとなっています。
脱毛症の可能性がある場合は、一般的な病院よりも薄毛治療専門のクリニックを受診した方が良いでしょう。専門のクリニックはプライバシーに配慮した作りとなっているため、女性でも安心して受診することが可能です。
脱毛症の治療をしないとどうなる?
脱毛症の治療を行わなかった場合、AGAに関してはゆっくりとですが、確実に進行します。円形脱毛症の場合、脱毛斑が小さければ自然治癒することもあるのですが、ある程度の範囲にわたって薄毛が認められる場合、治療をしないと進行や再発のリスクが高くなってしまいます。
ただし、重度の円形脱毛症に関しては、治療をしないという選択肢も増えてきています。いつ治るか分からない脱毛症を、長期にわたって治療し続けること自体が、ストレスとなる可能性もあるからです。日本皮膚科学会からも、治療に固執しない考え方もあることが示されています。
AGA治療に関するご相談なら
脱毛症には様々な種類があるため、まずは自分の脱毛症がどのタイプに当たるのかを知り、適切に対処していくことが重要です。特にAGA(男性型脱毛症)には進行型という厄介な特徴があるため、発症が疑われる場合、できるだけ早めに治療を始める必要があります。
また、女性であっても産後や更年期などのホルモンバランスの乱れによって、抜け毛の量が増えることもあります。女性に取って薄毛はとてもデリケートなお悩みなので、プライバシーに配慮した専門のクリニックを受診すると良いでしょう。
新宿AGAクリニックでは、AGAはもちろんのこと、女性の薄毛や円形脱毛症の治療も行っています。カウンセリングは無料で行っていますので、実際の治療を受ける前に何でもお気軽にご相談下さい。
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【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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