髪の毛を自然乾燥させるとはげる?ドライヤーで乾かさないデメリットとは
髪の毛を洗った後、ドライヤーで乾かしている方もいれば、自然乾燥するに任せている方もいらっしゃることでしょう。
髪の毛を自然乾燥させる事にはメリットもあるのですが、デメリットもある事を知っておくことが重要です。場合によっては頭皮環境の悪化を招き、抜け毛や薄毛のリスクを増す可能性もあるため注意が必要です。
こちらの記事では、髪の毛を自然乾燥させるメリットやデメリット、および薄毛の可能性などについて解説しています。髪の毛を自然乾燥させるとどうなるか知りたい人はぜひ一読下さい。
髪の毛を自然乾燥させる事のメリット
髪の毛を洗った後、ドライヤーを掛けずに自然乾燥させるメリットとして、ドライヤーの熱によるダメージを防げることと、手間が掛からないことが挙げられます。
ドライヤーの熱によるダメージを防げる
髪の毛を自然乾燥させるメリットの1つが、ドライヤーの熱による頭皮や髪の毛へのダメージを避けられることです。
髪の毛はタンパク質から作られているのですが、タンパク質には熱に弱いといった性質があります。ドライヤーによる熱が髪の毛に加わった場合、髪の毛の潤いが奪われ、ぱさぱさになる可能性があります。
また、頭皮に対して熱を加えすぎると、頭皮の乾燥を招き、髪の毛の成長に悪影響を及ぼす可能性もあります。自然乾燥の場合はそれらのリスクがありません。
ドライヤーの手間がないため使える時間が増える
髪の毛を自然乾燥させるメリットとしては、ドライヤーにかかる手間を省けることも挙げられます。ドライヤーで髪の毛を乾かすと、髪の長さにもよりますが5分から10分程度の時間が必要です。
ドライヤーを掛けていると使える時間が短くなりますが、自然乾燥の場合はドライヤーを掛ける手間を省いた分だけ、1日に使える時間が増えます。
髪の毛を自然乾燥させる事のデメリット
髪の毛を自然乾燥させることにはメリットもありますが、デメリットの方が多いことを覚えておきましょう。自然乾燥に伴うデメリットとして、以下のような点が挙げられています。
髪のキューティクルが剝がれやすくなる
髪の毛を自然乾燥させるデメリットの1つが、髪の毛の表面を覆っているキューティクルが剥がれやすくなる点です。
髪の毛が濡れていると、キューティクルは開いた状態になります。髪の毛を洗った後も濡れている時間が長いと、摩擦などが原因で剥がれやすくなるのです。
キューティクルには、髪の毛の内部にある水分を流出させないようにガードする働きもあります。キューティクルが開いていると、髪の毛の内部の水分が流出するため、髪の毛がぱさぱさになってしまいます。
女性の髪の毛は艶やかで美しい特徴があるのですが、髪の毛を自然乾燥させていると、次第にキューティクルが剥がれたり、髪の毛内部の水分が奪われたりすることで、髪の毛の見た目が悪くなっていきます。
変な寝癖がついてしまう
髪の毛を自然乾燥させるデメリットとして、変な寝癖が付きやすくなることも挙げられます。朝起きた時に変な寝癖が付いているのは、髪の毛がきちんと乾いていない状態で寝てしまうからです。
髪の毛の流れや形は、髪の毛が乾く時に起こる水素結合によって左右されます。寝ている間に水素結合が起こると、思わぬところに変な寝癖ができてしまうのです。
菌が頭皮に繁殖して臭いのもとになる
髪の毛を自然乾燥させるデメリットとして、頭皮に雑菌繁殖を起こす可能性も挙げられます。頭皮にはもともと常在菌が棲んでおり、肌を外部の刺激や侵入者から守ってくれています。
しかし、頭皮が濡れた状態を続けていると、常在菌が増えすぎてしまいます。特にマラセチアと呼ばれる真菌の1種が繁殖しすぎると、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)と呼ばれる皮膚疾患を発症する可能性が高くなります。
雑菌が繁殖すると頭皮のかゆみや赤みを生じるだけでなく、不快な臭いを発する原因ともなります。
頭皮が冷えて血流が悪くなる
頭皮が冷えて、血流が悪くなることも、髪の毛を自然乾燥させるデメリットとされています。髪の毛を自然乾燥させると、乾く時に気化熱で頭皮から熱を奪ってしまうのです。
頭皮には毛細血管が張り巡らされているのですが、毛細血管は冷えの影響を受けやすいため、頭皮が冷えると血流を阻害する結果となるのです。
男の人でも髪の毛を自然乾燥させるとはげるの?
男性の場合、髪の毛が短いからとドライヤーを掛けず、自然乾燥するに任せている方もいらっしゃることでしょう。ですが、自然乾燥させる習慣を続けていると、はげるリスクを高める可能性があります。
菌が繁殖し、フケの増加や炎症が起きる
髪の毛を自然乾燥させていると、はげるリスクを高める可能性があります。その理由の1つが、頭皮に細菌繁殖を起こし、フケが増えたり炎症を起こしたりすることです。
頭皮のフケが増えると、皮脂や汚れ、ほこりと混じり合い、毛穴に詰まり角栓を構成する恐れがあります。毛穴が角栓でふさがれると、髪の毛の成長に悪影響を及ぼす結果となり、はげる可能性を高めるのです。
また、細菌の繁殖によって頭皮に炎症を起こした場合、無意識に頭皮を掻きむしってしまう可能性があります。それによって頭皮に傷ができると、さらに炎症が悪化するといった悪循環に陥ります。
血行が悪くなり、発育に影響がでる
髪の毛を自然乾燥させていると、髪の毛が乾く時に気化熱で頭皮から体温が奪われます。頭皮から体温が奪われると、血液の循環を阻害されてしまいます。
髪の毛は毛母細胞の分裂によって成長するのですが、このためのエネルギーを運んでいるのが頭皮に張り巡らされている毛細血管です。
血行が悪くなることで毛母細胞へと送り届けられる血液の量が減少すると、髪の毛の成長に必要なエネルギーが不足して、結果としてはげる可能性を高めるのです。
頭皮の温度が下がり、ターンオーバーが乱れる
髪の毛を自然乾燥させていると、頭皮から体温が奪われることは先述の通りです。頭皮から体温が奪われ、血行が悪くなると、ターンオーバーの周期が乱れる結果にも繋がります。
ターンオーバーは皮膚の新陳代謝を意味します。皮膚の表面にある角層は、表皮の下層にある基底層で作られています。
基底層で作られた皮膚細胞が徐々に押し上げられて、数層から十数層からなる角層を構成しています。古くなった角層はやがて剥がれ落ち、新たな角層が表面に押し出されます。
しかし、血行不良に伴ってターンオーバーの周期が乱れた場合、本来であれば剥がれ落ちるべき角層が表皮に留まり、皮脂や老廃物の排出を妨げる恐れがあります。
皮脂や老廃物が排出されず、毛穴に詰まってしまうと、頭皮環境の悪化を招き、はげるリスクを高めるのです。
頭皮が乾燥し、皮脂の分泌が多くなる
髪の毛を自然乾燥させることで頭皮が冷えると、頭皮の乾燥を招く恐れがあります。冬の寒い時期に肌が乾燥しやすいように、頭皮も冷えると乾燥しやすくなるのです。
頭皮が冷えると、皮膚を守るために皮脂の分泌が活発化します。皮脂の分泌量が増えると、脂漏性皮膚炎などの発症リスクが増すため、はげる可能性を高めてしまうのです。
髪の毛を自然乾燥させても髪をサラサラにするには?
基本的に、ドライヤーを正しく使えば、髪の毛や頭皮にダメージを与えることはありません。美容院で必ずドライヤーを使って仕上げるのもこのためです。
それでも、時間が惜しいからとドライヤーを使わないこともあるでしょう。そこで、髪の毛を自然乾燥させてもはげるリスクを低減させ、髪の毛をサラサラに保つ方法をご紹介します。
すぐにタオルドライをする
髪の毛を自然乾燥させても、ダメージを受けにくくするためには、髪の毛を洗った後すぐにタオルドライをする必要があります。
髪の毛を洗い終えたら、髪の毛を優しく指で絞り、ある程度の水分を切っておきます。その後、乾いたタオルを髪の毛に巻いておくと、髪の毛の水分を吸収することが可能です。
ただし、タオルドライに使うタオルと、髪の毛を拭くためのタオルは別のものにしましょう。タオルドライである程度の水分を吸収できたら、新たに乾いた清潔なタオルで髪の毛や頭皮の水分を吸収します。
頭皮は乾かしにくい箇所なので、髪の毛をかき分けてタオルを押し付け、水分を吸収すると良いでしょう。間違っても髪の毛やタオルをゴシゴシと擦ってはいけません。
アウトバストリートメントで髪の毛を保護する
アウトバストリートメントを使うと、自然乾燥させたとしても、髪の毛をダメージから守ることが期待できます。
タオルドライを行い、その後、清潔なタオルで髪の毛や頭皮の水分を吸収したら、アウトバストリートメントで髪の毛表面のキューティクルを保護しましょう。
目の粗いコームを使って髪をとかす
髪の毛が濡れていると、ちょっとした刺激で切れ毛や抜け毛が起こりやすくなります。このため、髪の毛を自然乾燥させた場合は、目の粗いコームを使って、髪の毛をとかすようにしましょう。
髪の毛をとかさないままでいると、変な寝癖が付きやすくなり、ヘアセットに時間が掛かかってしまいます。
まとめ
髪の毛を自然乾燥させた場合、ドライヤーの熱から髪の毛や頭皮を守ることが可能です。ただ、雑菌繁殖によって頭皮環境の悪化を招くと、抜け毛や薄毛を引き起こす可能性が高くなるため注意が必要です。
自然乾燥で髪の毛をサラサラに保ちたいのであれば、洗髪後にきちんとタオルドライを行い、アウトバストリートメントで髪の毛を保護するようにしましょう。
髪の毛や頭皮に何らかのトラブルが生じるようであれば、専門のクリニックで相談すると良いでしょう。新宿AGAクリニックでも、無料でカウンセリングを行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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