いつのストレスが原因?円形脱毛症の病状と原因
円形脱毛症は老若男女問わず、誰にでも起こりうる脱毛症として知られています。
円形脱毛症の原因については今のところハッキリとしたことが分かっていませんが、ストレスが発症リスクを高めるという考え方があります。
では、いつのストレスが円形脱毛症の発症リスクを高めるのでしょうか。また、ストレスと円形脱毛症に伴う抜け毛には、どのような関係があると考えられるのでしょうか。
今回の記事では、円形脱毛症の原因や改善法について詳しく紹介しています。円形脱毛症になった原因が知りたい方や、発症の原因がストレスだと考えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
円形脱毛症の特徴と進行度
円形脱毛症とストレスとの関係について解説する前に、まずは円形脱毛症がどのような脱毛症であるのか、その特徴について知っておきましょう。
次のような兆候が見られる場合、円形脱毛症を発症している可能性が疑われます。
円形脱毛症とは?
円形脱毛症は一言で申し上げますと、円形もしくは楕円形の脱毛斑(抜け毛の跡)が生じる脱毛症です。円形脱毛症が10円ハゲと呼ばれるのはそのためです。
しかし、実際には脱毛斑が10円玉以上の大きさになることもあります。また、コイン程度の脱毛斑がいくつか繋がるケースもあります。また、頭髪だけでなく体毛にまで脱毛が及ぶこともあります。
コイン大の脱毛斑が1つある場合を、単発型の円形脱毛症と呼んでいます。単発型の円形脱毛症はもっとも軽症例で、自然に治ってしまうことも少なくありません。
コイン大の脱毛斑が複数つながっている場合、多発型の円形脱毛症と呼んでいます。脱毛斑が頭部全体に広がった場合、全頭型の円形脱毛症と呼ばれ、体毛にまで抜け毛が見られる場合、汎発型の脱毛症と呼ばれます。
円形脱毛症の特徴は、ある日突然のように、ごっそりと大量の髪の毛が抜け落ちる点です。その点が、徐々に薄毛が進行するその他の脱毛症と大きく異なっています。
症状が重症化すればするほど、回復が困難となっていくため、なるべく早めに治療を受ける必要があります。一般的には皮膚科で円形脱毛症の治療が行われますが、当院のような薄毛治療専門のクリニックでも、円形脱毛症を扱っているケースがあります。
円形脱毛症の進行度をセルフチェック
円形脱毛症は、ある日突然のように、まとまって髪の毛が抜け落ちる病気ということでした。
ですが、症状の進行度合いや進行速度は、人によって実にさまざまです。
そこで、円形脱毛症の初期症状と進行症状、および回復期の症状に分けて、それぞれの状態を詳しくご紹介します。
初期症状
円形脱毛症の初期症状として、頭部の地肌が目立つようになることが挙げられます。
何の前触れもなく一定の範囲で抜け毛が認められ、抜け毛部位と髪の毛が生えている部位の境界線がハッキリしています。
また、円形脱毛症の発症初期には、爪にデコボコが認められるケースもあります。円形脱毛症の発症に伴ない、アトピー性の疾患(皮膚炎や気管支炎)などを併発していることも少なくありません。
進行症状
円形脱毛症が進行した場合、ブラシで髪の毛を解いたり、髪の毛を何気なく触ったりした時に、それほど力を加えていないのにもかかわらず、容易に抜けてしまうことがあります。
また、通常の抜け毛であれば、髪の毛の根元が丸く膨らんでいるのですが、円形脱毛症に伴なう抜け毛の場合、髪の毛が一本の棒のように真っすぐになっているという特徴もあります。
回復期の症状
円形脱毛症が回復期に入った場合、少し力を入れて髪の毛を引っ張っても、進行期のように容易に抜け落ちることがなくなってきます。
また、脱毛斑に点々と毛穴の存在を認めたり、細くて弱々しい髪の毛を認めたりすることもあります。生えてきた髪の毛が白髪であるケースも少なくありません。
円形脱毛症の原因について
円形脱毛症は性別や年齢を問わず、誰にでも起こりうる脱毛症ということでした。
では、なぜ円形脱毛症を発症してしまうのでしょうか。円形脱毛症の原因としては、主に次のようなことが挙げられています。
きっかけは精神的ストレス?
冒頭でもお話ししましたように、現在のところ円形脱毛症の原因に関しては、ハッキリとしたことが分かっていません。ですが、円形脱毛症に伴う抜け毛のきっかけは、精神的ストレスの可能性もあると考えられています。
では、精神的ストレスによって、なぜ抜け毛のリスクが高くなるのでしょうか。
頭部の血流悪化
精神的ストレスが抜け毛に繋がる理由として、自律神経のバランスの乱れによって、頭部への血流悪化を引き起こすことが挙げられます。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成っており、両者のバランスが保たれることで、私たちの生命活動が円滑に行われます。
ところが、ストレス状態が継続した場合、本来であれば副交感神経が優位に傾くタイミングになっても、交感神経優位の状態が続きます。
交感神経が優位に傾くと、血管が収縮して、血行が悪くなります。頭部に送られる血液量が減少すると、髪の毛の成長に悪影響をおよぼし、抜け毛のリスクを高めると考えられています。
軽症例の円形脱毛症の場合、ストレスを自覚しているケースも少なくないのですが、重症例の円形脱毛症の場合、ストレスを自覚していないケースもあります。
ストレス以外の原因とは?
円形脱毛症を引き起こす原因としては、ストレス以外にも次のような例が挙げられています。
自己免疫疾患
円形脱毛症の原因については、ハッキリとしたことが分かっていないとされています。ですが、近年になって有力となってきている説が、自己免疫疾患説です。
自己免疫とは簡単に言うと、外部の敵(ウイルスや細菌など)から、自分の身体を守るシステムを意味します。自分の身体を守るための存在としては白血球が挙げられます。
円形脱毛症を発症した場合、何らかの原因によって自己の免疫によって毛包が攻撃され、それが炎症を引き起こし、抜け毛のリスクを高めると考えられています。
自己免疫疾患としては関節リウマチや橋本病、全身性エリテマトーデスなど様々な病気が挙げられますが、円形脱毛症とそれらの病気を併発するケースも少なくありません。
アトピー素因
アトピー素因も円形脱毛症を引き起こす原因として挙げられています。アトピー素因とは、アトピー性の疾患(皮膚炎や気管支炎など)を持っていることを意味します。
円形脱毛症を発症している場合、本人もしくは家族の半数以上にアトピー素因が認められるということです。また、実際に円形脱毛症を発症した患者の4割以上に、アトピー素因が認められるというデータもあります。
アトピー性の疾患を持っている方がすべて円形脱毛症を発症するわけではありません。ですが、アトピー素因と円形脱毛症との間には、深い関連があると考えられています。
妊娠・出産後の女性ホルモンの変化
円形脱毛症の原因としては、妊娠・出産後のホルモンバランスの変化も挙げられています。妊娠中に盛んに分泌された女性ホルモンは、出産とともに分泌量が激減します。
女性ホルモンには、女性を女性らしく保つ働きがあり女性の髪の毛が豊かで美しいのも女性ホルモンの働きによります。出産後に女性ホルモンの分泌量が減少することで、抜け毛のリスクを高めることが分かっています。
また、ホルモンバランスの変化だけでなく、育児の忙しさに伴なう食事バランスの偏りや睡眠不足、ストレスなども円形脱毛症リスクを高めると考えられています。
円形脱毛症の治療は専門家への相談がおすすめ
円形脱毛症を改善するためには、抜け毛の原因をハッキリさせることが重要です。皮膚疾患や自己免疫疾患、ホルモンバランスの乱れ、ストレスなど、円形脱毛症の原因は実に様々です。
そのため、円形脱毛症が疑われる場合、まずは専門家に相談することが求められます。円形脱毛症にはいくつかの治療法があるため、専門医とじっくり話し合い、自分に合った治療方法を決めることが重要です。
皮膚科
円形脱毛症は頭皮に見られる病気であるため、皮膚科で治療を受けることが可能です。推奨される治療法としては、ステロイド局所注射や、局所免疫療法などが挙げられています。
薄毛治療の専門クリニック
円形脱毛症の発症が疑われる場合、薄毛治療専門のクリニックを受診する方法もあります。薄毛治療専門のクリニックは、薄毛の治療に特化した医療機関であるため、様々な原因による薄毛の改善が期待できます。
AGA治療に関するご相談なら
脱毛症には円形脱毛症を始め、男性に多く見られるAGA(男性型脱毛症)や、女性に多く見られるびまん性脱毛症など、様々な種類があります。
いずれの脱毛症も原因が多岐にわたっており、専門家の目で判断しないと、原因がハッキリしないケースも少なくありません。
仮に抜け毛の量が気になる場合や、髪の毛全体のボリュームが減少した場合、なるべく早めに専門家まで相談されることが重要です。
新宿AGAクリニックでは、男性だけでなく、女性の薄毛や円形脱毛症など、抜け毛全般の治療に対応しています。カウンセリングは無料で承っていますので、毛髪に関するご不安やお悩みがありましたら、お気軽にご相談下さい。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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