ビオチン摂取によって得られる効果-食品やサプリでの摂取方法も
オランダの研究者によって1900年代に発見されたビオチンはビタミンHとも呼ばれており、髪の毛や皮膚の健康を維持するのにも効果的な栄養素として注目されています。抜け毛が気になっている方や、将来の薄毛が不安な方の中には、ビオチンの摂取を考えている方もいらっしゃることでしょう。
こちらの記事では、ビオチンを摂取することで得られる効果や多く含む食品、効果的な摂取方法などについて解説しています。ビオチンを摂取することで髪にどのような効果があるのか気になっている方は参考にしてみて下さい。
目次
ビオチンを摂取することで得られる効果とは
ビオチンの摂取によって得られる主な効果としては、以下の3点が挙げられます。
- 肌・毛髪・爪の健康維持
- 皮膚炎や口内炎の改善
- 疲労の回復効果
ビオチンは美容面での効果だけでなく、皮膚や粘膜に見られる不調を改善したり、疲労を回復したりする効果も期待されています。それぞれの効果について、さらに詳しくご紹介します。
肌・毛髪・爪の健康維持
ビオチンの摂取によって得られる効果の1つが、肌や毛髪および爪の健康を維持する効果です。ビオチンは水様性のビタミンに分類されており、アミノ酸の代謝に関わっていることが分かっています。
髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られているのですが、食事からタンパク質を摂取したからといって、直ちに髪の毛へと作り替えられるわけではありません。
私たちが摂取したタンパク質は、いったんアミノ酸のレベルにまで分解され、身体の必要とされる箇所へ運ばれます。髪の毛の場合は、アミノ酸が亜鉛の働きによってケラチンへと再合成され、毛髪へと作り替えられるのです。
タンパク質を摂取しても、十分にアミノ酸へと分解されないと、髪の毛の成長を滞らせてしまいます。ビオチンを摂取することでアミノ酸の代謝を活発にすると、毛髪の健康を維持する効果(育毛や白髪の改善など)が期待できる訳です。肌や爪も同様にタンパク質から作られるため、ビオチンの摂取により健康を維持する結果に繋がります。
皮膚炎や口内炎の改善
皮膚炎や口内炎の改善も、ビオチンの摂取によって得られる効果の1つです。ビタミンが不足した場合、口内炎を発症しやすいことはよく知られています。
ビオチンにはタンパク質だけでなく、糖質や脂質といった身体にとって重要な栄養素を代謝させる働きもあります。それによって、健康状態を維持したり、損傷部位を修復したりするエネルギーが得られるのです。
また、ビオチンには皮膚炎に伴うかゆみや痛みの原因物質であるヒスタミンの働きを妨げ、体外へと排出させる働きも期待されています。実際に、ニキビやアトピー性皮膚炎といった炎症性の皮膚疾患に対して、ビオチンを配合した治療薬が用いられるケースもあります。
疲労の回復効果
ビオチンの摂取によって得られる効果としては、疲労の回復効果も挙げられます。疲労は身体や精神に対する過度の負荷によって、活動能力が低下した状態を意味します。
身体的・精神的疲労を回復させるために必要となるのが、日常の食事から得るエネルギーです。ただ、いくら栄養素を摂取したとしても、代謝が滞っていては十分なエネルギーが得られません。
ビオチンには糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素の代謝に関わっており、日常の食事に取り入れることで、効率的にエネルギーを生成することが可能となります。
また、ビオチンには筋疲労の原因となる乳酸の分解をサポートする働きもあります。そのため、肉体疲労時にビオチンを上手に摂取することで、疲労を早く回復させることが期待できるでしょう。
ビオチンを多く含む食品一覧
ビオチンは主に次のような食品に多く含まれています。
- きのこ類
- レバーを中心とした肉類
- ナッツを含む種実類
- 鶏卵やうずら卵
- 貝類や魚卵を含む魚介類
野菜や果物にはビオチンがあまり含まれていないのですが、栄養バランスを考えた場合、上記の食材と野菜をうまく組み合わせ、デザートとして旬の果物を摂取するのがおすすめです。
ビオチンはメインディッシュとなる食品に多く含まれているため、野菜と上手に組み合わせて以下のような食事メニューを取り入れると良いでしょう。
- レバニラ炒めと玄米や雑穀米
- きのこと魚介類のパスタ
- 鶏肉のカシューナッツ炒め
- きのこと野菜のエビグラタン
また、ビオチンは使い勝手の良い鶏卵にも多く含まれているため、日常的に卵焼きやオムレツ、スクランブルエッグといった卵料理を取り入れるのもおすすめです。
ビオチンの1日の推奨摂取量
厚生労働省が策定する日本人の食事摂取基準によると、中学生以上の男女の場合、ビオチンの1日の推奨摂取量は
およそ50㎍(マイクログラム)とされています。
ビオチンは水溶性のビタミンであるため、過剰に摂取しても尿と一緒に排出されるため、その他の栄養素のような太陽上限量は設定されていません。
ビオチンは多くの食品に含まれているため、よほど偏った食習慣を続けない限り、基本的に摂取不足に陥ることはありません。
ただし、生卵と一緒に摂取するとビオチンの吸収が妨げられるため、卵かけごはんなど生卵ばかり食べ過ぎないよう注意しましょう。仮にビオチンが不足するようであれば、サプリメントで摂取する方法もあります。
ビオチンサプリメントの効果的な飲み方
ビオチンをサプリメントから摂取する場合、次のような点に注意して服用を継続すると良いでしょう。
- 飲み忘れなければタイミングは自由
- 半年以上継続的に飲む必要がある
それぞれの注意点について解説します。
飲み忘れなければタイミングは自由
ビオチンをサプリメントから摂取する場合、基本的には飲み忘れにだけ気を付ければ、タイミングはいつでも自由です。サプリメントは栄養補助食品に位置づけられており、風邪薬のように飲むタイミングが決められていません。
ただ、飲むタイミングが自由だからこそ、飲み忘れの恐れがあるのも事実です。そのため、通常の医薬品と同様、食後に飲む習慣を身につけておくのがおすすめです。サプリメントはあくまでも栄養補助食品であるため、栄養バランスの取れた食事を心がけ、それでも不足する分だけサプリメントで補充するようにしましょう。
半年以上継続的に飲む必要がある
ビオチンをサプリメントから摂取する場合、半年以上は継続的に飲むようにしましょう。ビオチンのサプリメントに限った話ではありませんが、何らかのサプリメントを摂取したからといって、目に見える効果がすぐに表れることはありません。
例えば髪の毛が生え替わる周期は2年から5年(女性の場合は3年から6年)とされており、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)には【年齢×1.5(日)】が必要とされています。そのため、特に髪の毛の変化を実感するためには、最低でも半年から1年は継続してサプリメントを摂取する必要があるのです。
ビオチンと薄毛対策との関係
ビオチンが不足した場合、アトピー性皮膚炎を始めとした炎症性の皮膚疾患を発症するリスクが高くなるだけでなく、脱毛が見られることもあります。ビオチンと薄毛対策との関係については、以下の2点を知っておくと良いでしょう。
- アミノ酸の結合をサポートすることで育毛効果が高まる
- 薄毛はビオチン不足だけが原因ではない
それぞれについて解説します。
アミノ酸の結合をサポートすることで育毛効果が高まる
ビオチンを摂取した場合、アミノ酸の結合をサポートすることで、育毛効果を高めることが期待できます。ただしビオチン自体がアミノ酸を結合させるわけではなく、あくまでもサポートとしての役割にとどまります。
アミノ酸を結合させて髪の毛の元となるケラチンを生成するのは、必須ミネラルの一種である亜鉛の働きです。
そのため、ビオチンと一緒にアミノ酸も摂取することで、より効率的に育毛効果を高めることに繋がります。亜鉛は牡蠣やレバー、赤身の牛肉などに多く含まれています。
薄毛はビオチン不足だけが原因ではない
ビオチンが不足した場合、脱毛に繋がる可能性があるとされています。ただ、よほど偏った栄養バランスの食事を続けでもしない限り、ビオチン不足に陥るようなことはまずありません。
そのため、抜け毛や薄毛が気になるからといって、ビオチン不足と決めつけるのは早計です。抜け毛や薄毛には遺伝やホルモンバランス、生活習慣、ストレスなど様々な要因が複雑に関係しています。
そのため、まずは抜け毛や薄毛の原因を突き止めることが重要です。場合によっては、専門のクリニックで治療を受ける必要もあるでしょう。
ビオチン以外に薄毛対策をたてるなら新宿AGAクリニックへ相談
ビオチンの摂取以外に薄毛対策をたてるなら、新宿AGAクリニックへご相談下さい。ビオチンには糖質や脂質、タンパク質を代謝させる働きがあるため、髪の毛やお肌の健康には欠かせない栄養素の1つです。
不足するとアトピー性皮膚炎を始めとした炎症性の皮膚疾患を発症するリスクが高くなるだけでなく、脱毛のリスクも増加するとされています。ただ、通常の食事を摂取していれば、ビオチンが大きく不足することは考えにくいでしょう。
もし抜け毛や薄毛が気になっているのであれば、ビオチン以外に原因を求めた方が現実的です。ただ、自己判断で対処すると、抜け毛や薄毛の改善が難しいこともあります。
そのような場合は、新宿AGAクリニックまでご相談下さい。新宿AGAクリニックではマイクロスコープによる診察や血液検査などを行い、抜け毛や薄毛の根本的な原因を突き止めています。
また600パターンもの治療法の組み合わせから、1人1人最適のプランを提案しています。こちらから治療を強制することは一切ありませんので、まずは無料カウンセリングでなんでもご相談下さい。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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