自毛植毛の費用相場は?施術方法などによる費用の違いも解説
男性に見られる薄毛の代表例が、男性型脱毛症とも呼ばれるAGAですが、AGAには進行型という特徴があります。初期段階で対応すれば、AGA治療薬を使用したり、注入療法を行ったりすることで改善が期待できます。
しかし、AGAが進行してある程度広範囲に渡って薄毛が広がった場合、AGA治療薬や注入療法では対応が難しいケースもあります。その場合、自毛植毛が検討される場合もあります。
この記事では、自毛植毛のメリットやデメリット、おおよその費用などをご紹介しています。自毛植毛を検討中の方や、費用について知りたい方はぜひ参考にしてみて下さい。
自毛植毛の費用の決まり方
自毛植毛を検討されている方にとって気になることの1つが、施術にかかる費用なのではないでしょうか。ここでは、自毛植毛の施術にかかる金額が、どうやって決まるのかについて説明しています。
自毛植毛は植毛する本数で決まる
結論から申し上げますと、自毛植毛の施術をする際に必要となる費用は、植毛をする範囲によって決まります。植毛をする範囲が広くなればなるほど、施術にかかる費用も増えることが一般的です。
自毛植毛は薄毛の箇所に1本1本髪の毛を植え付けるのではなく、グラフト(株)と呼ばれる毛包を植え付ける施術となっています。
毛包からは平均すると2本から3本の髪の毛が生えています。自毛植毛にかかる費用は、基本的に(植毛するグラフト)×(グラフト1つあたりの価格)+(基本治療費)となります。
自毛植毛の費用例
先述したように、自毛植毛の施術にかかる費用は、(植毛するグラフト)×(グラフト1つあたりの価格)+(基本治療費)となります。しかし、施術法によっても費用が異なってきます。
施術法については後程詳しくご紹介しますので、ここでは、薄毛の範囲や症状ごとに、大まかな費用の相場をご紹介します。
額の両サイドが後退し始めている場合(M字ハゲ)、施術にかかる費用はおよそ600,000円となっています。つむじはげの場合はおよそ700,000円、M字ハゲとつむじはげを併発している場合はおよそ1,200,000円、M字はげとつむじはげがつながった場合、およそ2,200,000円が必要となります。
自毛植毛と他の植毛方法を比較
薄毛を改善するための方法は、自毛植毛以外にも色々あります。そこで、自毛植毛以外の代表的な薄毛の改善法についてご紹介します。
発毛
発毛治療は、プロペシアやザガーロ、ミノキシジルといった治療薬を利用して、発毛を促す治療法です。頭皮下にグロースファクター(髪の毛の成長因子)を注入する発毛法もあります。
増毛
発毛と増毛は同じように捉えられるケースがあるのですが、実際は全くの別物です。発毛は髪の毛の成長を促す治療法で、増毛は、現在生えている髪の毛に人工毛を括りつけ、髪の毛が増えたように見せる治療法です。
自毛植毛
自毛植毛は、主に後頭部などの髪の毛を毛包ごと切除し、薄毛が気になる部分へと移植する手術療法です。後頭部の毛包はAGA(男性型脱毛症)の影響を受けにくいため、髪の毛が抜け落ちても、また生えてくるという特徴があります。
人工植毛
人工植毛は、ポリエステルなどで作られた人工毛を、薄毛が気になる箇所へと植え付ける施術法です。自毛植毛とは異なり、人工毛が抜け落ちてしまった場合、再び生えてくることはありません。
自毛植毛と他の方法の費用比較
ここまでご紹介してきましたように、薄毛治療には自毛植毛以外にも様々な方法があります。では、自毛植毛と他の治療方法とでは、費用にどの程度の違いがあるのでしょうか。
人工植毛と自毛植毛の比較
人工植毛にかかる費用は、人工毛1本当たりの価格×植毛する本数となります。O字はげの場合、およそ300,000円から600,000円、進行したM字はげの場合、およそ500,000円から800,000円が必要となります。
また、人工植毛は手入れが必要であるため、追加料金がかかります。施術後のメンテナンスの手間を考えた場合、自毛植毛も人工植毛も、費用という点ではそれほど差異がないと考えられます。
植毛以外の費用目安
髪の毛が増えたように見せる方法として、ウィッグや増毛という手段があります。ウィッグや増毛であれば、費用を50,000円から500,000円で抑えることが可能です。
植毛に比べた場合、費用の点ではメリットがあるのですが、増毛の場合は自毛が必要となるため、増毛できる範囲に限界があります。ウィッグの場合は、蒸れたりかぶれたりするデメリットがあります。
自毛植毛のメリット・デメリット
AGAなどによる薄毛がある程度進行した場合、自毛植毛の施術が最適であるケースも少なくありません。では、自毛植毛にはどのようなメリット、およびデメリットがあるのでしょうか。
自毛植毛のメリット
人工植毛や増毛とは異なり、自毛植毛には様々なメリットがあります。そのため、脱毛症治療のガイドラインにおいても、自毛植毛は行うよう勧められる治療法として位置づけられています。
どの部分にでも植毛できる
自毛植毛のメリットとしては、どの部分であっても植毛できることが挙げられます。増毛の場合、自毛に人工毛を括りつける施術となるため、ある程度髪の毛が残っていないと施術自体が不可能です。
自毛植毛の場合は、後頭部などの髪の毛を毛包ごと移植するため、広範囲にわたって薄毛を発症している部分であっても、植毛することが可能です。
自分の髪と同様にスタイリングできる
自毛植毛で移植した髪の毛は、人工植毛とは異なり自分の髪の毛であるため、成長しては抜け落ち、再び生えてくるということを繰り返します。
そのため、人工植毛や増毛(かつら)のような不自然さがありませんし、自分の髪と同じようにカットしたり、スタイリングしたりすることが可能です。
通院の必要がない
自毛植毛のメリットとしては、通院の必要がないことも挙げられます。移植後はもともと生えていた髪と同様になるため、手術跡が治ってしまえば、その後は通院しなくても構いません。
人工植毛や増毛の場合は、施術後のメンテナンスが必要となるため、定期的に通院しなければなりません。自毛植毛の場合は、そのような煩わしさがありません。
自毛植毛のデメリット
自毛植毛にはたくさんのメリットがありますが、一方で、いくつかのデメリットもあります。そこで、自毛植毛のデメリットについてご紹介します。
効果が出るまでに時間がかかる
自毛植毛のデメリットとしては、効果が出るまでに時間を要することがあげられます。人工植毛や増毛の場合、施術をすればすぐに、髪の毛の量が増えたように見えます。
自毛植毛の場合、植毛部位にショックロスといって、一時的な脱毛を引き起こすことがあります。そのため、自然な状態になるまで、ある程度の時間が必要となるのです。
費用が高い
自毛植毛のデメリットとしては、高額な費用を必要とすることが挙げられます。発毛治療の場合は1ヶ月あたり数千円の費用で済むこともありますが、自毛植毛の場合、薄毛の範囲が広くなると、1,000,000円から2,000,000円の費用が必要となるケースもあります。
植毛手術後に一時的に跡が残る
自毛植毛のデメリットとしては、植毛手術後に傷跡を残すことが挙げられます。自毛植毛は主に後頭部の髪の毛を毛包ごと切除する治療法であるため、どのような治療法であっても、ある程度の傷跡は残ってしまうのです。場合によっては、後頭部を刈り上げたり、傷を保護したりする必要も出てきます。
そもそもAGAの根本治療になっていない
自毛植毛は後頭部の毛根を移動してきたに過ぎません。薄毛の部分に植えたところでAGAの進行が止まることはありません、植毛部であっても残っている毛は抜けていきます。維持するには結局、プロペシア、ザガーロなどの薬剤を服用しないといけません。
自毛植毛の種類とそれぞれの特徴・費用
一口に自毛植毛といっても、治療方法にはいくつかのタイプがあります。現在、日本ではFUT法、FUE法、Choi法という3つの治療法が主に行われており、それぞれにメリットとデメリットがあります。金額の目安と合わせてご紹介します。
FUT法
英語の、FOLLICULAR UNIT TRANSPLANTAIONの頭文字を取った植毛法が、FUT法と呼ばれる植毛法です。別の呼び方で、ストリップ法と言われることもあります。
FUT法はグラフトの採取、スリットの作成、植毛という流れで行われます。まず、後頭部の皮膚を毛包ごと、長方形に切り取ります。
次に、切り取った皮膚をメスで切り分け、グラフトを作成します。その後、薄毛が気になる箇所へとピンセットで植毛していきます。
FUT法のメリットは、手術時間が短くて済むことと、費用が比較的安価で済ませられることなどが挙げられています。デメリットとしては、後頭部に大きな傷跡を残すことが挙げられます。
FUE法
FOLLICULAR UNIT EXTRACTIONの頭文字を取ったFUE法は、FUT法とは異なり、特殊な器具を用いて行われます。メスで後頭部の頭皮を切除するのではなく、特殊なパンチを使って狭い範囲でグラフトを採取します。その後、グラフトを移植する箇所に新たな毛穴を作り、グラフトを埋め込んでいきます。
FUE法のメリットとしては、毛穴がない箇所にも人工的に毛穴が作れることや、傷跡が少ないこと、仕上がりが美しいことなどが挙げられます。デメリットとしては、担当医の技量に仕上がりが左右されることや、広範囲の薄毛への対応が難しいことなどが挙げられます。
Choi式
Choi式の自毛植毛はニードル法とも呼ばれており、専用の針を利用して髪の毛を移植する術式です。専用の針を開発した人の名前から、Choi式という名前が付けられています。
Choi式の自毛植毛のメリットとしては、生え際を自然に見せられることが挙げられます。デメリットとしては、移植する髪の毛が1本ずつであるため、頭皮が透けて見えたり、髪の毛がスカスカに見えたりすることが挙げられます。
それぞれの治療にかかる費用ですが、3,000本の髪の毛を移植する場合、FUT法の場合はおよそ105,000円、FUE法の場合はおよそ1,800,000円、Choi式の場合はおよそ2,400,000円が必要とされています。
AGA治療に関するご相談なら
男性に見られる代表的な薄毛であるAGAには、進行型という特徴があります。そのため、なるべく早めに治療を開始することが重要です。
初期の段階で治療を開始した場合、1ケ月あたりの費用を数千円で抑えることも可能です。薄毛がある程度進行してしまった場合は、自毛植毛が推奨されるケースもあります。
しかし、自毛植毛の施術はどうしても高額になるため、出来れば治療薬で対処できる間に治療を開始したいところです。
新宿AGAクリニックでは、無料カウンセリングで皆様の髪の毛に関するお悩みにお応えしています。場合によっては自毛植毛ではなく、投薬治療で対処できる可能性もあるので、まずはお気軽にご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
«前へ「【医師監修】頭皮が硬い原因とは?硬くなるとはげる可能性がある?」 | 「頭皮のフケ・かゆみの原因とは?今からできる対処法を紹介!」次へ»