M字はげの原因や見極め方をチェック!M字はげが気にならない髪型も
M字はげは額の両側から薄毛が進行するタイプの薄毛です。AGA(男性型脱毛症)の発症にともなって症状があらわれるケースもあれば、頭皮や髪の毛にかかる牽引力が原因となるケースもあります。
普段から前髪を下ろしている方の場合、M字はげになっていても気づかない可能性もあるため注意が必要です。ただし、生まれつきの額の形とM字ハゲとの間に有意な相関関係はないため、富士額だからと言ってM字ハゲになるとは限りません。
こちらの記事では、M字はげの原因や見極めるためのチェック法、およびM字はげを目立たなくさせる5つの髪型について解説しています。自分がM字はげかどうか知りたい方や、M字はげをごまかせる髪型を知りたい方は参考にしてみて下さい。
目次
M字はげとは|原因は大きく2種類
M字はげは額の両サイドから後退し始めるタイプの薄毛です。前から見た時にアルファベットの「M」のように見えるため、そのような名前が付けられています。M字はげの原因は大きく分けて以下の2つとなります。
- 遺伝や男性ホルモンが原因のAGAによるもの
- 頭皮のダメージからくる牽引性脱毛症によるもの
2つの原因について詳しく解説します。
遺伝や男性ホルモンが原因のAGAによるもの
M字はげの原因としては、AGA(男性型脱毛症)の発症が挙げられます。AGAは男性に多く見られる脱毛症で、正式名称はAndrogenetic Alopeciaです。 日本皮膚科学会が策定するガイドラインの中で、AGAは思春期以降に発症する進行型の脱毛症と述べられており、20歳以降に発症するケースが多くなっています。
AGAの主な原因は遺伝によるホルモンバランスの変化であり、20代であってもM字はげになる可能性もあるため注意が必要です。
頭皮のダメージからくる牽引性脱毛症によるもの
M字はげの原因としては、牽引性脱毛症の発症も挙げられます。牽引性脱毛症はいつも同じ箇所で分け目を付けていたり、髪の毛を結んでいたりすることによる頭皮への牽引力により発症リスクが高くなります。
頭皮が引っ張られた箇所では血行不良が起こるのですが、血行不良に伴って髪の毛を成長させるための栄養が不足すると、牽引性脱毛症の発症リスクが高くなります。髪の毛が引っ張られて抜けるというよりは、頭皮環境の悪化により抜け毛が増えると考えられています。
生まれつきの額の形とM字はげは関係ない
M字はげの原因の1つであるAGAは、遺伝的な要因で発症リスクが高くなるとされています。ただし、遺伝的に受け継いだ額の形状と、M字はげの間には有意な相関関係がありません。
確かに富士額は優性遺伝とされているため、両親のいずれかが富士額の場合、子どもも富士額になる可能性が高いと考えられています。しかし、富士額になる遺伝子と、AGAを発症しやすい遺伝子とは全くの別物です。そのため、生まれつきの富士額だからと言って、AGAを発症するとは限りません。
M字はげの進行速度は個人差が大きい
日本皮膚科学会ではAGAを、思春期以降に発症し徐々に進行する脱毛症と定義しています。ただ、AGAの発症に伴うM字はげの進行速度は個人によって差があります。 多くの場合は5年から10年ほどかけて徐々に薄毛の範囲が広がっていくため、短期間であっという間にM字はげが悪化するようなことは考えにくいでしょう。
しかし、M字はげの発症にもかかわらず何も対策を講じない場合や、乱れた生活習慣や食習慣などを続けている場合は、M字はげの進行速度を早める可能性があります。
M字はげの見分け方|前兆から見極めよう
M字はげを発症しているかどうかを見極めるポイントは以下の4点です。
- 昔の写真と比較し前髪が薄くなっているか
- 髪の毛が細かったり柔らかくなっているか
- 抜け毛の量が明らかに増えているか
- 頭皮が赤くなっているか
基本的に耳上の延長線上から、生え際までの幅が2cm以下になっているようであれば、M字はげの発症および進行が疑われます。しかし、自分での判断が難しい場合は、上記の4点をチェックしてみましょう。4つのポイントについてさらに詳しく解説します。
昔の写真と比較し前髪が薄くなっているか
M字はげを発症しているかどうかを見極める簡単な方法の1つが、昔の写真と比較して前髪が薄くなっているかをチェックすることです。昔の写真と比べることで、先天的におでこが広いのか、それとも後天的にM字はげを発症したのかが判断しやすくなります。
ただ、M字はげは急速に進行する脱毛症ではないため、ある程度昔の写真と比べるようにしましょう。また、前髪を下ろす髪型を続けている場合は写真で判断することが難しいため、その他のチェック法を試すと良いでしょう。
髪の毛が細かったり柔らかくなっているか
M字はげを発症しているかどうかを見極める方法としては、髪の毛が細くなっていたり、柔らかくなっていたりしないかをチェックすることも挙げられます。 M字はげの原因となるAGAを発症した場合、ヘアサイクルの成長期が短縮し、髪の毛が十分に成長しなくなる傾向にあります。
そのため、M字はげになっている場合、髪の毛が細くなったり、コシがなくなったりするのが一般的です。 髪の毛の細さや柔らかさで判断できない場合は、髪全体のボリュームが減少していないかチェックすると良いでしょう。
抜け毛の量が明らかに増えているか
抜け毛の量が明らかに増えていないかをチェックすることも、M字はげを発症しているかどうかを見極める方法の1つです。抜け毛の量を簡単にチェックする方法としては、お風呂の排水溝に詰まる髪の毛や、枕に付着する髪の毛の量が増えていないか確認する方法が挙げられます。
また、ドライヤーをかけた後に抜け落ちている髪の毛が細くて弱々しい場合や、極端に短い場合なども、M字はげを発症している可能性が高いと考えられます。
頭皮が赤くなっているか
M字はげの発症が疑われる場合には、頭皮が赤くなっていないかどうかもチェックしてみましょう。健康的な頭皮はやや青みがかった白色をしているのが一般的です。 やや青みがかって見えるのは、頭皮下の静脈が透けて見えるからだと考えられています。
M字はげの原因となるAGAを発症している場合、頭皮に炎症を起こして赤くなっている場合があります。 赤色以外にも頭皮が黄色っぽくなっている場合や、茶色っぽくなっている場合は注意が必要です。頭皮が黄色や茶色になっている場合、老廃物の蓄積や皮脂の酸化により、頭皮環境を悪化させている可能性があります。
M字はげの人に似合う髪型5選
M字はげを目立たなくさせるためには、髪型を工夫すると良いでしょう。M字はげの人に似合う髪型としては以下の5例が挙げられます。
- ツーブロック
- オールバック
- ソフトモヒカン
- ショートレイヤー
- オシャレ坊主
5つの髪型についてさらに詳しく見ていきましょう。
ツーブロックでサイドをすっきり
M字はげの人に似合う髪型の1つがツーブロックです。M字はげが進行すると徐々に頭頂部に向かって薄毛の範囲が広がっていきます。 その場合、薄毛を隠そうと髪の毛を伸ばす方が多いのですが、髪の毛が長いとかえって不自然な印象になるため注意が必要です。
逆にサイドを思い切って刈り上げ、ツーブロックにすることで、頭頂部のボリュームが増したように見せられます。清潔な印象になるためビジネスマンの方にもおすすめです。
軽いM字はげならオールバック
M字はげがまだそれほど進行していないようであれば、オールバックにするのもおすすめです。オールバックと言ってもベッタリと撫でつけるのではなく、トップにある程度のボリュームを持たせるのがポイントです。 おでこが広い方の場合は、オールバックと一緒にひげを蓄える方法もあります。
ヒゲが生えているとおでこが広くても顔を小さく見せる効果が期待できます。ただし、オールバックにする場合は、髪の毛や頭皮が引っ張られ過ぎないように注意しましょう。
頭頂部のボリュームを増やせるソフトモヒカン
M字はげの人に似合う髪型としては、ソフトモヒカンも挙げられます。ソフトモヒカンは頭頂部の髪の毛を多く残し、サイドや後頭部の髪の毛を短くカットする髪型です。 頭頂部から額にかけて髪の毛の流れを作ると、M字はげにともなう額の両サイドの後退を隠すことが可能です。
特に生まれつきおでこが広い方の場合、ソフトモヒカンにすると顔を小さく見せる効果も期待できます。スッキリした印象で清潔感が得られる点もおすすめのポイントです。
生え際をカバーできるショートレイヤー
ショートレイヤーも、M字はげの人に似合う髪型の1つです。ショートレイヤーの場合はソフトモヒカンとは反対に、頭頂部から生え際にかけて髪の毛を長くしていき、自然な段差を付ける点が特徴です。 生え際にかけて髪の毛を長くするため、M字はげの方が気になる額の後退をカバーできる点もおすすめのポイントです。
ただし、ショートレイヤーの場合はある程度の毛髪量が必要となります。ショートレイヤーが可能かどうかは、行きつけの美容院で相談すると良いでしょう。
全体的に短くカットするおしゃれ坊主
M字はげの人に似合う髪型としては、オシャレ坊主も挙げられます。オシャレ坊主はスキンヘッドのような丸刈りではなく、両サイドと後ろを高い位置まで刈り上げ、頭頂部に短めの髪の毛を残すヘアスタイルです。 頭頂部から額にかけての流れを作れば、M字はげ特有の額の後退を目立たなくさせることも可能です。
トップを七三に分けたり、モヒカン風にしたりすることも可能なので、美容師さんと相談して自分に合ったヘアスタイルを提案してもらうと良いでしょう。
M字はげの原因を突き止めて体質に合った対処を
M字はげの原因は大きくAGAと牽引性脱毛症に分けられますが、両者の治療法や対処法は大きく異なります。牽引性脱毛症の場合は、ヘアスタイルや生活習慣の見直しで改善が期待できますが、AGAの場合は適切な治療を行わない限り、薄毛がゆっくりと確実に進行します。
薄毛や抜け毛の原因は実に様々のため、自分では判断できないケースも少なくありません。そのため、まずは専門のクリニックを受診し、自分の抜け毛や薄毛がなぜ起こっているのか見てもらうことが重要です。早期に対処することで、M字はげの改善や進行を遅らせることが期待できます。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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