ミノキシジルと血圧の関係とは?高血圧の方が使用する際の注意点
ミノキシジルは厚生労働省によって発毛効果が認められている、数少ない有効成分の1つです。AGA治療薬であるザガーロとプロペシアが守りの治療薬と呼ばれるのに対し、ミノキシジルは攻めの治療薬と呼ばれています。
また、ザガーロとプロペシアが男性の薄毛にしか利用できないのに対し、ミノキシジルであれば女性の薄毛改善に用いることも可能です。ただ、ミノキシジルを利用した場合、循環器系に副作用を生じるリスクがあるとされています。
こちらの記事では、ミノキシジルと血圧の関係や、ミノキシジルを利用する際の注意点、およびミノキシジルの購入法などについて詳しく解説しています。
ミノキシジルと血圧の関係性
ミノキシジルの歴史は古く、アメリカでは1960年代にアップジョン社(のちのファイザー社)によって、高血圧を治療するための内服薬として開発された経緯があります。
1979年には同社によって、高血圧の治療薬であるロニテンが販売されることとなりました。ところが、ロニテンを用いて高血圧の治療を行った方の多くに、多毛症や毛髪の増加といった副反応が見られたため、同社ではミノキシジルによる発毛作用についての解明が行われました。
その結果、ミノキシジルに発毛効果があると分かったため、低用量のミノキシジル外用薬が開発されるのに至ったのです。
ミノキシジルには血管を拡張し、血液の循環を促進する作用があります。そのため、高血圧の治療薬として用いられるのですが、日本では高血圧の治療薬としては認可されていません。
確かにミノキシジルには血管を拡張する作用があるのですが、その作用は動脈に対してのみ働き、静脈に対しては働かないことが分かったからです。そのため、血圧のトラブルを抱えている方の場合、ミノキシジルを慎重に用いる必要があります。
高血圧の人のミノキシジルの使用
ミノキシジルは高血圧の治療薬としてアメリカでは承認されていますが、日本では承認されていません。そのため、高血圧の人がミノキシジルを使用する際、次のような点に注意する必要があります。
- 併用禁忌について理解する
- 高血圧の治療薬と併用する際の注意点
- 適切な摂取量を守る
- 定期的な心電図検査を行う
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
併用禁忌
ミノキシジルには併用禁忌(一緒に用いてはいけない治療薬)があるため、注意が必要です。代表的な併用禁忌薬としては、イブプロフェンを配合した風邪薬やEDの治療薬、イミグランを配合した片頭痛の治療薬などが挙げられています。
ただし、これらの併用禁忌は内服タイプのミノキシジル(ミノキシジルタブレット:通称ミノタブ)を服用する場合の話です。日本では原則として外用薬タイプのミノキシジルしか認可されていないため、外用薬を利用する場合はそれほど心配する必要がありません。
高血圧の治療薬になる
ミノキシジルには血管を拡張する作用があるため、アメリカでは降圧剤として用いられている所もあります。日本では高血圧の治療薬としては認可されていないのですが、高血圧の治療薬と同じような働きを持つことは間違いありません。
そのため、高血圧の治療薬を服用している方がミノキシジルを使用する場合、担当医に相談することが欠かせません。同じような効果を持つ治療薬を併用すると、薬の効果が強く出すぎる可能性もあるからです。
適切な摂取量とは
日本では内服タイプのミノキシジルが認可されていませんが、AGA専門のクリニックでは、発毛効果を高めるため、副作用に十分注意しながら、内服タイプのミノキシジルを処方することがあります。
ミノキシジルの適切な摂取量は、1日あたり2.5ミリグラムが目安とされています。循環器系に問題がない方の場合は、1日あたり5.0ミリグラムまで増量するケースもあります。
定期的な心電図検査の重要性
高血圧の方に限った話ではありませんが、ミノキシジルを用いてAGA治療を行う場合、定期的な心電図検査を行うことが重要です。
会社で健康診断を受けられている方もいらっしゃるでしょうが、ミノキシジルを使用している場合は、3ヶ月に1度の心電図検査が推奨されています。
心臓・腎臓・肝臓が弱い方は要注意!
心臓や腎臓、肝臓などに不安がある方は、ミノキシジルを慎重に使用する必要があります。冒頭でもお話したように、ミノキシジルには血管を拡張し、血液の循環を促進する作用があります。
ただし、ミノキシジルの血管拡張作用は静脈にまで及びません。そのため、血液を送り出す力は強くなるものの、血液を心臓へと送り返す力は強くなりません。
その結果、さらに強い力で身体の隅々に血液を送り届けようとして、かえって血圧の上昇を招く恐れがあるのです。また、ミノキシジルの有効成分は肝臓で代謝され、その後、腎臓で作られる尿と共に体外へと排出されます。そのため、腎臓や肝臓に不安がある方の場合、慎重にミノキシジルを利用する必要があります。
起こり得る副反応は?
ミノキシジルによって起こり得る代表的な副反応としては、めまいやふらつき、動悸、息切れ、頭痛、手足や顔の浮腫(むくみ)、心疾患などが挙げられています。
また、もともと血圧が低い方の場合、低血圧症を発症する可能性もあります。その他の副反応としては、多毛症や一時的な抜け毛量の増加(初期脱毛)、皮膚炎などが報告されています。
高血圧によって起こりやすい病気
高血圧によって起こりやすい病気としては、くも膜下出血や脳梗塞、脳動脈瘤といった脳の病気、狭心症や心筋梗塞、冠状動脈硬化、心肥大といった心臓の病気などが挙げられます。また、高血圧状態が長く続いた場合、腎機能障害を併発するリスクが高くなることも分かっています。
ミノキシジルはどこで購入できる?
ミノキシジルは大きく分けて、外用薬(塗り薬タイプの治療薬)と内服薬の2種類に分類されます。外用薬は一般用医薬品のうち第一類医薬品に分類されるため、薬局やドラッグストアで購入することが可能です。
内服タイプのミノキシジルは医療用医薬品であるため、原則として病院で処方してもらうこととなりますが、個人輸入で購入する方法もあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
病院で処方してもらう
内服タイプのミノキシジル(ミノキシジルタブレット)は医療用医薬品であるため、原則としてAGAクリニックなどの病院で処方してもらう必要があります。
医療用医薬品は、一般用医薬品と比べて副反応のリスクが高いため、医師による診察を経た上で、処方してもらう必要があるのです。
個人購入
ミノキシジルは個人輸入で購入することも可能です。海外製のジェネリック(後発医薬品)の場合、正規品の数分の1程度の価格で購入できるケースもあります。
しかし、海外から個人輸入した商品の中には、粗悪品や偽物が混入しているケースも少なくありません。また、自己判断で医薬品を服用した場合、重大なトラブルが起こったとしても国による救済措置が受けられないため注意が必要です。
持病や副作用が不安なら事前に医師に相談
ミノキシジルはとくに副作用のリスクが高い治療薬ではありません。ただし、持病や副作用が心配な方は、事前に医師に相談するよう心がけましょう。
特に血圧の高い人がミノキシジルを使う場合、必ず主治医に相談するようにしましょう。外用薬であれば比較的安全に使用することができますが、内服タイプのミノキシジルを使用することには危険も伴います。
AGA治療に関するご相談なら
AGA治療に関するご相談なら、新宿AGAクリニックまでお気軽にお問い合わせください。新宿AGAクリニックでは、男性の薄毛治療はもちろんのこと、女性の薄毛や円形脱毛症の治療も行っています。
ミノキシジルも処方量により、1ケ月あたり5,500円から処方しています。ミノキシジルは厚生労働省によって発毛効果が認められた数少ない有効成分の1つであり、薄毛を改善する際には強い味方となってくれます。
ただし、ミノキシジルに限った話ではありませんが、医薬品には必ず副作用のリスクがあります。そのため、医師の診察を受け、定期的に心電図検査を行い、安全に治療を進めることが重要です。
新宿AGAクリニックでは、AGA治療を進めるうえでの不安や、頭皮や髪の毛に関するお悩みを無料カウンセリングで承っています。まずはカウンセラーまでお気軽にご相談下さい。
【監修者】
大藪顕(新宿AGAクリニック院長)
経歴
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長
多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
資格
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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