頭皮の白いかさぶた・塊ができる原因や治らない時の対処法とは?
髪の毛を分けている箇所から見える地肌が白いことに不安をお持ちではないでしょうか。頭皮の色は肌の健康状態をあらわすバロメーターのため、頭皮が白い方は何らかのトラブルを引き起こしている可能性が疑われます。
こちらの記事では、頭皮が白い場合に考えられる肌トラブルや病気の可能性、健康的な色にするために気を付けるべき3つのことについて解説しています。頭皮が白い方やフケに悩んでいる方は参考にしてください。
目次
健康な頭皮の色とは
頭皮が白い場合に考えられる肌トラブルや病気の可能性について解説する前に、まずは健康な頭皮がどのような色をしているのか知っておくことが重要です。
健康な頭皮は青白く、透き通ったように見えます。青白く見える理由は頭皮表面のキメが細かくて透明感があり、皮下にある毛根部が透けて見えるためです。
皮膚は表皮・真皮・皮下組織で構成されていますが、表皮の角層に含まれる天然保湿因子や細胞間脂質により皮膚の潤いが保たれていると、頭皮が青白い色に近づきます。
もともと頭皮は髪の毛によって守られており、顔や首、腕などに比べると色が白い傾向にあるため、皮下の毛根部が透けやすいのです。
頭皮の色が白くて毛根が透けて見えない方や、赤や茶色になっている方、かさぶたができている方などは、頭皮に何らかの異常を生じている可能性があります。
【状態別】頭皮が白い原因とは?
一口に頭皮が白いといっても、頭皮自体が白くなっているケースと、何らかの原因によって頭皮が白く見える状態の2パターンがあります。主な頭皮の状態としては以下の4例が挙げられます。
- 頭皮が白い状態
- 頭皮に白いカスがある状態
- 頭皮に白いかさぶたがある状態
- 頭皮の根元に白いかたまりがある状態
ここでは、頭皮の状態別に白く見える原因について解説します。
頭皮が白い状態
頭皮が白いものの、肌の表面には異常が見られず、かゆみや炎症なども起こしていない方は、乾燥によって肌の艶がなくなっている可能性があります。
肌の表面は汗と皮脂によって構成される皮脂膜によって覆われていますが、空気の乾燥や肌質に合っていないシャンプー、誤ったヘアケアなどが原因で皮脂膜が失われると、肌のバリア機能が低下して頭皮が白くなる傾向にあります。
頭皮が白くなっていても特別なトラブルが見られないようであれば、洗髪後の保湿など適切な対処を講じることで改善が期待できるでしょう。
頭皮に白いカスがある状態
頭皮に白いカスのような物がある方は、フケ症を発症している可能性があります。フケはターンオーバーにともない角質が剥がれ落ちたもので、誰にでも見られる生理現象の一種です。
しかし、あまりにもフケの量が目立つ方や頭皮のかゆみをともなう方は、フケ症の疑いがあるため注意が必要です。フケは大きく乾性フケと脂性フケとに分類され、次のような特徴があります。
フケの種類 |
色 |
大きさ |
状態 |
目立つ場所 |
乾性フケ |
白っぽい |
粒が小さい |
カサカサしている |
肩口や襟足 |
脂性フケ |
黄色っぽい |
粒が大きい |
ベタベタしている |
頭皮や髪の毛 |
乾性フケは粒が小さくてカサカサしており、肩口や襟足に目立つのが特徴ですが、肌自体がカサカサしているため頭皮も白く見える傾向にあります。
頭皮に白いかさぶたがある状態
頭皮が白いだけでなくかさぶたがある方は、以下の病気を発症している可能性があります。
- 脂漏性皮膚炎
- 粃糠性脱毛症
- 頭部白癬
ここでは、頭皮が白くてかさぶたがある場合に疑われる病気について解説します。
脂漏性皮膚炎
頭皮のかゆみにともなって白っぽいかさぶたが見られる方は、脂漏性皮膚炎を発症している可能性があります。脂漏性皮膚炎は脂漏性湿疹とも呼ばれており、皮脂の分泌量が多い箇所に発症する点が特徴です。
過剰に分泌された皮脂をエサとして常在菌の一種であるマラセチアが異常繁殖することで、脂漏性皮膚炎の発症リスクが増加します。
その他の炎症性皮膚疾患とは異なり、脂漏性皮膚炎の初期にはかゆみをともなわないケースが多く、また慢性的な経過をたどりやすいため注意が必要です。
粃糠性脱毛症
白くて粒が小さなフケが毛穴をふさぐと、頭皮が炎症を起こして粃糠(ひこう)性脱毛症を発症する可能性があります。AGAとは異なり、粃糠性脱毛症は女性にも多く見られる点が特徴です。
粃糠性脱毛症の原因は肌質に合わないシャンプーや誤ったヘアケア法、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、頻繁なパーマやヘアカラーなどさまざまです。
頭部白癬
頭部白癬(はくせん)はしらくもとも呼ばれており、髪の毛に水虫の原因菌でもある皮膚糸状菌が付着することで発症リスクが増加します。
頭部白癬を発症すると頭皮にうろこ状の斑点ができたり、まだら状に抜け毛を引き起こしたりします。また、かゆみが非常に強い点も頭部白癬の特徴です。
コンタクト系のスポーツなどで頭部をこすり合わせると、頭部白癬が感染する恐れがあります。皮膚糸状菌感染症の一種であるため、治療には抗真菌薬を用いるのが一般的です。
頭皮の根元に白い塊がある状態
頭皮の根元に小さな白っぽい塊がある方は、アタマジラミを発症している可能性があります。アタマジラミは保育園や幼稚園で集団生活をする児童に多く見られ、寝具やタオルなどを共用することで感染リスクが増加します。
白い塊がシラミかどうかを判断する基準は以下の通りです。
- フケとは異なり手で払っても落ちない
- 真っ白ではなくやや灰色がかっている
- 正円ではなく楕(だ)円形をしており弾力性がある
- 爪で挟むとプチっという感触とともにつぶれる
- 頭皮にかゆみが出る
アタマジラミが発生したらスミスリンなど専用のシャンプーを用いて頭皮を洗浄し、4分から5分程度待ってシラミを駆除します。卵の間はシャンプーで駆除できないため、成虫になるまで10日の間に4回ほど専用のシャンプーを繰り返します。
健康的な頭皮にするために気を付ける3つのこと
青白く透き通ったような健康的な頭皮にするためには、普段から以下3つの点に取り組むのがおすすめです。
- 正しいシャンプーで頭皮ケアをする
- 頭皮のマッサージやヘッドスパをする
- 食事や睡眠などの生活習慣を見直す
頭皮の健康状態は普段のヘアケア方法や生活習慣などに左右されるため、日常的な意識で少しずつ改善していきましょう。
正しいシャンプーで頭皮ケアをする
頭皮環境が悪化していると健康的な色ではなくなるため、以下の方法で正しくシャンプーを行い、良好な頭皮環境を維持することが重要です。
- ぬるま湯で髪の毛と頭皮を予洗いする
- シャンプーを手のひらでしっかりと泡立てる
- 指の腹でマッサージするイメージで頭皮を洗う
- シャンプーを頭皮に残さないようしっかりと洗い流す
- 清潔なタオルで水分をふき取る
- ドライヤーで髪の毛と頭皮を適度に乾かす
- 頭皮用のローションや育毛剤で保湿する
シャンプーの前にまずぬるま湯で髪の毛だけでなく、頭皮まで予洗いしましょう。熱すぎるお湯を使うと頭皮を守る皮脂まで洗い流してしまうため注意が必要です。
予洗いを終えたらシャンプーを手のひらでしっかりと泡立て、数箇所につけたら指の腹で頭皮を動かすように洗いましょう。 洗い終えたらしっかりとすすぎ、清潔なタオルに水分を吸着させるイメージでタオルドライを行い、ドライヤーで適度に乾かします。
頭皮が乾燥して白くなる方は頭皮用のローションや育毛剤で保湿するのがおすすめです。また、シャンプーは肌に優しいアミノ酸系の洗浄力がマイルドな商品を選ぶと良いでしょう。
頭皮のマッサージやヘッドスパをする
頭皮に多くられる血液の量が減少すると栄養不足により頭皮環境の悪化を招きやすいため、以下の手順で頭皮マッサージを行い、血行を促進することがおすすめです。
- 手を温めておく
- 首の後ろから後頭部の生え際にかけて筋肉を緩める
- 後頭部・側頭部から頭頂部にかけてリフトアップするようにマッサージする
- 頭部全体を指圧するようにマッサージする
頭皮マッサージをする前には手を温めておきましょう。また、首の筋肉を緩めると頭皮に送られる血液の流れがスムーズになります。
頭皮マッサージをする際には爪や指先で頭皮を傷つけないよう、指の腹で優しくマッサージするのがポイントです。
食事や睡眠などの生活習慣を見直す
脂っこい食べ物やジャンクフード、スナック菓子などを好んで食べていると皮脂の分泌量が過剰になり、脂漏性皮膚炎の発症リスクが増加します。 毎日の食事は栄養バランスの取れた献立を意識し、頭皮環境を整えるためにビタミン類やミネラルをしっかり摂取するよう心がけましょう。
また、睡眠不足や睡眠の質の低下はターンオーバーの乱れを招くため、6時間から7時間の睡眠時間を確保し、ぐっすりと眠ることも欠かせません。
寝る直前までスマホやテレビなどの明るい画面を見ていると、脳が興奮状態に陥り睡眠の質が低下するため避けましょう。
頭皮の白いかさぶたが治らない・繰り返す場合は医療機関を受診する
上記のセルフケアで頭皮の白いかさぶたが治らない、もしくは何度も繰り返す方は、医療機関を受診するのがおすすめです。早めに医療機関を受診すると以下2つのメリットが得られます。
- 薄毛や抜け毛を防止することができる
- 病気になる前に対策できる
薄毛や抜け毛を防止することができる
頭皮が白い状態を放置すると、大量に発生したフケが皮脂と混じり合って毛穴をふさぎ、粃糠性脱毛症を発症するリスクが増加します。
また、過剰な皮脂の分泌によって脂漏性皮膚炎を発症すると、頭皮環境の悪化によって抜け毛が増加する可能性もあります。
頭皮が白い方や皮脂の過剰な分泌が起こっている方は医療機関を受診すると、薄毛や抜け毛を防止できる点がメリットの1つです。実際に抜け毛が見られる方はAGA専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
病気になる前に対策できる
冒頭でもお話したように、頭皮が白いのは頭皮環境が悪化し始めているサインと考えられます。ただ、頭皮が白くなる原因は複数あるため、自分の判断で対処しているうちにさらに悪化する可能性があります。
医療機関を受診して専門医の診察を受ければ、病気になる前に対策することが可能です。頭皮に異常が見られる方は皮膚科を受診し、抜け毛をともなう方はAGA専門のクリニックで相談すると良いでしょう。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
頭皮が白いのは頭皮環境が悪化し始めているサインと考えられるため、今回ご紹介した方法を参考に早めに対処することが重要です。
頭皮環境の悪化を放置すると細菌が繁殖して脂漏性皮膚炎を発症したり、大量に発生したフケが毛穴をふさいで粃糠性脱毛症を引き起こしたりする可能性があります。
脂漏性皮膚炎や粃糠性脱毛症を発症すると抜け毛リスクが増加するため、専門医の診察を受けて適切に対処することが欠かせません。 新宿AGAクリニックでは男性だけでなく女性の抜け毛も専門的に扱っているので、頭皮の異常が見られる方はお気軽にご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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