抜け毛を予防するにはどうしたら良い?効果的なシャンプーや食べ物も紹介
日本人の髪の毛はおよそ10万本とされており、ヘアサイクルに従って毎日50本から100本程度抜け落ちます。季節によって本数が増減することもありますが、長期にわたり100本以上の抜け毛が続く方は、何らかの脱毛症を発症している可能性があるため注意が必要です。
こちらの記事では、男性と女性とに分けて抜け毛の原因を解説するとともに、自分でできる抜け毛の改善法について紹介します。抜け毛の本数が増えた気がして悩んでいる方は参考にしてください。
目次
抜け毛が起こるメカニズム
抜け毛の原因について知るためには、どのようにして髪の毛が抜け落ちるのか、メカニズムについて知っておくことが重要です。髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期を「ヘアサイクル」と呼んでおり、主に以下の3期に分類されます。
成長期 | 髪の毛が太く・強く成長する時期のこと。ヘアサイクル全体のおよそ85%~90%を占める。 |
退行期 | 毛母細胞の分裂が鈍くなり、髪の毛の成長が停滞する時期のこと。ヘアサイクル全体のおよそ1%を占める。 |
休止期 | 髪の毛の成長が完全に停止し、抜け落ちるのを待つ時期のこと。ヘアサイクル全体のおよそ10%~15%を占める。 |
正常なヘアサイクルは、2年から6年周期で繰り返されますが、AGAを始めとする脱毛症を発症すると、成長期が半年から1年に短縮されるため、抜け毛の量が増える結果につながります。
【男女別】抜け毛の原因
男性と女性の抜け毛には共通点も多いのですが、ここでは特に男性および女性に固有の抜け毛の原因について見ていきたいと思います。
男性の原因
男性の抜け毛の原因としては、AGAの発症が挙げられます。AGAは英語の「Androgenetic Alopecia」の頭文字から取ったもので、日本では男性型脱毛症と呼ばれています。
男性ホルモンの一種であるテストステロンが、活性の高いジヒドロテストステロンへと変化し、アンドロゲン受容体に結合することでTGF-βと呼ばれるサイトカインを生成するのが特徴です。
TGF-βは、退行期誘発因子とも呼ばれ、正常なヘアサイクルの成長期を短縮し、髪の毛が成長しきらないうちに抜け落ちるよう作用します。
日本皮膚科学会が策定する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」によると、AGAは思春期以降に発症し徐々に進行する脱毛症と定義されています。
そのため、気が付いたら薄毛が進んでいたというケースも少なくありません。また、思春期以降に発症する脱毛症のため、10代後半や20代前半の男性も注意が必要です。
女性の原因
遺伝が主な原因となって起こる男性の抜け毛とは異なり、女性の抜け毛は加齢による代謝の低下や出産にともなうホルモンバランスの乱れ、ストレスなどが複雑に絡み合った結果として増加する点が特徴です。
例えば妊娠中には女性ホルモンが活発に分泌されますが、出産後に分泌量が激減することでヘアサイクルの成長期が短縮し、分娩(ぶんべん)後脱毛症を発症する可能性があります。
また、更年期を迎えると、女性ホルモンの分泌量が減少するだけでなく、代謝機能も低下するためびまん性脱毛症を発症するリスクが増加します。
抜け毛を予防する方法【ヘアケア編】
ここまで男女別の抜け毛の原因について解説してきましたが、誤ったヘアケアは男女に共通する抜け毛の原因の1つです。
排水溝に詰まる髪の毛が増えている方や、ドライヤーをかけた後に髪が床に散らばっている本数が増えている方は、以下の点を意識してヘアケアを行うのがおすすめです。
- シャンプーを見直す
- 育毛剤を使う
- スカルプスプレー・トニックを使う
ここでは、抜け毛を予防するヘアケアについて解説します。
シャンプーを見直す
毎日のように髪の毛を洗っているのに抜け毛の量が減らない方は、洗髪法や普段使っているシャンプーを見直してみましょう。
シャンプーをする際にはまずブラッシングを行い、髪の毛の汚れを落として指通りをスムーズにしておくのがポイントです。
髪の毛を洗う前にまず36度から38度ほどのぬるま湯で予洗いを行い、適量のシャンプーを手のひらで伸ばしたら、数箇所に分けて髪の毛に付けます。
髪の毛を洗う際には、指の腹でマッサージするように頭皮を動かしましょう。洗い終えたらシャンプーが頭皮に残らないよう、しっかりと洗い流します。
洗い終えたら清潔なタオルに水分を吸着させるイメージでふき取り、ドライヤーで髪の毛や頭皮を適度に乾かしましょう。
抜け毛に効果的なシャンプーの種類
市販のシャンプーは大きく以下の3タイプに分類できます。
シャンプーの種類 | 特徴 | こんな人におすすめ |
石けん系 | 頭皮への刺激が少なく皮脂を落とす力が強い | 皮脂の分泌量が多い方 |
アルコール系 | 洗浄力が非常に高く頭皮への刺激も強い | シャンプー代を安く抑えたい方 |
アミノ酸系 | 頭皮や髪の毛に優しく適度な洗浄力がある | 抜け毛を改善・予防したい方 |
石けん系のシャンプーは頭皮への刺激が少なく、皮脂を落とす力が強いため、皮脂の分泌量が多い男性などに適しています。
アルコール系のシャンプーは頭皮への刺激が強く、頭皮を守るべき皮脂まで洗い流してしまうため、あまりおすすめできません。
アミノ酸系のシャンプーは頭皮や髪の毛に優しく適度な洗浄力があるため、抜け毛を改善もしくは予防したい方におすすめです。
育毛剤を使う
抜け毛が気になる方は、育毛剤を利用して予防する方法もあります。
育毛剤は朝晩の2回、決められた量を頭皮に塗布するのが基本です。育毛剤には主に以下の有効成分が含まれているので、自分に合った商品を選ぶ際の参考にしてください。
有効成分 | 期待できる効果 |
亜鉛 | アミノ酸を髪の毛の元となるケラチンに再合成する |
イチョウ葉エキス | 頭皮の血行を促進する |
オウゴンエキス | AGAの原因である5α-リダクターゼの生成を抑制する |
クエン酸 | 肌の酸化を抑制する |
ノコギリヤシ | AGAの原因となるジヒドロテストステロンの生成を抑制する |
イソフラボン | 女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似たはたらきをする |
ホホバオイル | 頭皮の乾燥を抑制する |
スカルプスプレー・トニックを使う
抜け毛を予防する方法としては、スカルプスプレーやトニックを使う方法も上げられます。育毛剤ほどの効果は期待できませんがリーズナブルなため、それほど薄毛が進行していない方が、将来の薄毛を予防する目的で利用するとよいでしょう。
ただし、育毛剤やスカルプスプレー、トニックなどはあくまでも抜け毛を予防する目的で用いる商品であり、発毛効果は期待できないことを忘れないようにしましょう。
抜け毛を予防する方法【食事編】
髪の毛は毎日の食事で摂取した栄養素から作られるため、抜け毛を予防するためにも食習慣を見直すことは重要なポイントです。
ここでは、抜け毛予防に効果的な食べ物や、食事で補いきれない際におすすめのサプリメントなどについて解説します。
抜け毛予防に効果的な食べ物
抜け毛を予防して健康な髪の毛を成長させるためには、日常的に以下のような栄養素および食品を摂取するよう意識しましょう。
栄養素 | 期待できる効果 | 多く含む食品 |
タンパク質 | 髪の毛を作る元となる | 肉類・魚類・豆類・乳製品など |
鉄分 | 血液の循環を促進する | 鶏レバー・アサリ・カツオなど |
ビタミンB群 | 頭皮の健康状態を維持する | 赤身の魚・脂肪分の少ない肉類 |
亜鉛 | アミノ酸をケラチンへと再合成する | カキ・かつお節・豚レバーなど |
上記の栄養素をバランスよく摂取できるよう、毎日の食事メニューを工夫するのがおすすめです。
食事で補えない場合はサプリメントで摂取する
仕事が忙しくて決まった時間に食事できない方や、一人暮らしで栄養不足に陥りがちな方は、サプリメントで以下の成分を摂取するのがおすすめです。
成分 | 期待できる効果 |
L-リジン | 髪の毛を作る原料となる |
コラーゲンペプチド | 良好な頭皮環境を維持する |
カプサイシン | 頭皮の血行を促進する |
高麗人参 | 健康な髪の毛の成長をサポートする |
ただし、サプリメントはあくまでも栄養補助食品のため、普段の食事をしっかりと摂取したうえで、足りない分をサプリメントで補うよう意識することが重要です。
抜け毛予防しても効果がない場合はAGAクリニックの受診がおすすめ
ヘアケアを見直したり食習慣を改善したりしても抜け毛が治まらない方は、AGAクリニックを受診して治療を受けるのがおすすめです。
AGAクリニックでは以下のような方法で抜け毛を予防し、発毛促進につなげています。
- 投薬治療
- メソセラピー
- サプリメント
- 植毛
ここでは、AGAクリニックで行われる主な治療について簡単に解説します。
投薬治療
男性の抜け毛の原因が遺伝に起因すると考えられる場合、フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬を服用して5α-リダクターゼのはたらきを阻害し、抜け毛の予防を図ります。
より積極的な発毛効果を期待する方には、ミノキシジルの処方が行われます。フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬に関しては女性の服用が禁止されていますが、ミノキシジルは女性でも利用可能です。
メソセラピー
投薬治療よりも早期に発毛効果を得たい方は、メソセラピーの施術を受ける方法があります。メソセラピーの施術では髪の毛の成長因子を頭皮下に注入し、発毛を促進する点が特徴です。
投薬治療に比べて副作用のリスクが低いため、内服薬を使用するのが不安な方や、外用薬で頭皮のかぶれやかゆみが出る方におすすめの治療法です。
サプリメント
AGAクリニックの多くがオリジナルのサプリメントを利用して、抜け毛の予防を図っています。市販のサプリメントと比べ、抜け毛予防に特化している点が特徴です。
投薬治療やメソセラピーと並行してサプリメントを服用する方法もあれば、将来の抜け毛予防にサプリメントを利用する方法もあります。
植毛
上記の治療や施術で抜け毛の改善がまったく見られない方や、ある程度の範囲に薄毛が広がってしまった方には、植毛の手術が勧められるケースもあります。
植毛には人工毛植毛と自毛植毛の2種類がありますが、人工毛植毛は拒絶反応のリスクが高いため、日本皮膚科学会によって行うべきでない治療法とされています。
そのため、植毛を検討している方は自毛植毛を行っているAGAクリニックを選ぶのがおすすめです。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
抜け毛はだれにでも見られる生理現象の一種で、1日あたり50本から100本程度であれば過度に心配する必要はありません。
しかし、毎日のように100本以上の抜け毛が見られる方は何らかの脱毛症を発症している可能性があるため、早めに専門医に相談するのがおすすめです。
セルフケアで抜け毛が改善しない方は、新宿AGAクリニックまでご相談ください。新宿AGAクリニックでは男性だけでなく女性の薄毛も専門的に治療しています。
また、新宿AGAクリニックでは無料カウンセリングも行っており、抜け毛のお悩みや治療法に関するご相談など、カウンセラーが分かりやすくお答えしています。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
«前へ「びまん性脱毛症を男性が発症してしまう原因とは?改善法や薬などを解説」 | 「頭皮の白いかさぶた・塊ができる原因や治らない時の対処法とは?」次へ»