頭皮の皮がむけるときの対処法3選!ストレスやシャンプーの影響とは
頭皮からはターンオーバーにともなう毎日のように角質が剥がれ落ちていますが、あまりにも皮がむけるのが気になる方や異常な量のフケが見られる方は、何らかの原因によって頭皮環境の悪化を引き起こしている可能性が疑われます。
こちらの記事では頭皮の皮がむける仕組みについて解説するとともに、頭皮の皮むけが気になる際の3つの対処法を紹介しています。頭皮の皮むけや大量のフケに悩まされている方は参考にしてください。
目次
頭皮の皮がむける仕組み
頭皮は肌の新陳代謝=ターンオーバーが繰り返されることで毎日のように剥がれ落ちています。肌の表面にある表皮は角層・顆粒(かりゅう)層・有棘層・基底層の4層構造となっており、基底層で生まれた角質細胞が徐々に上方へと押し上げられ、数層〜十数層の角層を形成します。
角層の最表面まで押し上げられた角質は、やがて垢(あか)やフケとなって剥がれ落ちますが、通常であれば目に見えないくらい小さいため気になることはありません。しかし、剥がれ落ちたフケが大きく目立つ場合には、フケ症の発症などが疑われます。
頭皮の皮むけ・フケの種類
ターンオーバーにともなって剥がれ落ちるフケは通常それほど気になりませんが、あまりにも目立つ場合はフケ症を発症している可能性があります。
目に見えるフケのなかには粒が小さいものもあれば、かさぶたが剥がれ落ちたように大きいものもあります。まずは2タイプのフケについて、特徴や原因を紹介します。
フケが大きい場合
剥がれ落ちたフケがかさぶたのように目立つ場合、脂性フケが大量に発生している可能性が疑われます。脂性フケの特徴や原因は以下の通りです。
特徴 |
黄色っぽい色をしている・粒が大きい・ベタベタしている・頭皮や髪の毛に付着しやすい |
原因 |
脂っこい食べ物を好む食習慣・洗髪不足・ホルモンバランスの乱れ・常在菌の異常繁殖など |
脂性フケは見た目が大きく、黄色っぽくてベタベタしている点が特徴です。頭皮や髪の毛に付着しやすいため、不潔な印象を与える可能性があります。
皮脂の過剰な分泌によって発生するケースが多く、しばしば脂漏性皮膚炎を併発することがあります。脂漏性皮膚炎はその他の炎症性皮膚疾患とは異なり、かゆみがないか少ないケースが多く、発症に気付くのが遅れると慢性的な経過をたどるため注意が必要です。
フケが小さい場合
剥がれ落ちたフケが小さくスーツの肩口などに目立つ場合、乾性フケが大量に発生している可能性が疑われます。乾性フケの特徴や原因は以下の通りです。
特徴 |
白っぽい色をしている・粒が小さい・カサカサしている・肩口や襟足に積もりやすい |
原因 |
空気の乾燥・洗浄力の強すぎるシャンプー・血行不良・誤ったヘアケア・ストレスなど |
乾性フケはその名の通り空気や頭皮の乾燥によって発生しやすくなります。また、洗浄力の強すぎるシャンプーや頭皮の栄養不足で乾性フケを生じるケースもあります。
乾性フケが毛穴につまって炎症を起こすと、粃糠性(ひこうせい)脱毛症による抜け毛を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
頭皮の皮がむける4つの原因
脂性フケや乾性フケではなく明らかに頭皮の皮がむける方は、以下4つの原因が考えられます。
- 冬の乾燥
- 夏の紫外線による日焼け
- ストレスによるターンオーバーの乱れ
- 間違ったシャンプーの方法
ここでは、頭皮の皮がむける4つの原因について解説します。
冬の乾燥
頭皮の皮がむける原因の1つが冬の乾燥です。冬場になると手がカサカサして、粉が吹いたようになる方もいるのではないでしょうか。 頭皮をはじめ肌の表面は汗と皮脂が混じり合った皮脂膜で覆われており、外部の侵入者などから肌を守ってくれています。
しかし、冬になると空気が乾燥するだけでなく、水分の摂取量が減少したり、汗をかく量が減ったりするため、十分な皮脂膜が作れなくなり肌のバリア機能が低下しがちです。
肌のバリア機能が低下すると外部の侵入者によるダメージを受けやすくなるうえ、角層内の水分が蒸散しやすくなるため皮膚がカサカサしてむけやすくなります。
また、冬になると暖房を入れることが一般的ですが、暖房による湿度の低下も頭皮の乾燥を招くため、皮がむけやすくなります。
夏の紫外線による日焼け
地表に降り注いでいる紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類があります。そのうち夏のUV-Bは冬に比べると5倍程度に増加するため、レジャー紫外線と呼ばれることがあります。
UV-BはUV-Aに比べると波長が短いため、肌の表面に強く作用する点が特徴です。そのため、夏に紫外線を多く浴びると皮膚の表面が日焼けを起こして、結果として皮むけを引き起こしやすくなります。
頭皮は身体のなかでもっとも日差しを受けやすい箇所のため、いつも同じ箇所で髪の毛を分けるなどしていると、日焼けにともない皮がむけやすくなります。
一方、UV-Aは生活紫外線と呼ばれており、4月から5月にかけて夏場と変わらないほどの量が降り注ぐ点が特徴です。 UV-Aは波長が長く真皮にまで届いてコラーゲンやエラスチンを破壊するため、多く浴びると肌のトラブルを引き起こしやすくなります。
ストレスによるターンオーバーの乱れ
冒頭でもお話したように人間の表皮はターンオーバーにともない、毎日のように剥がれ落ちています。しかし、ストレスなどが原因でターンオーバーに乱れを生じると、剥がれ落ちるべき角質が表皮に留まり、角層の肥厚を招きやすくなります。
角質が肥厚して硬くなると角層内の水分が失われるため、少しの刺激により粉ふきや皮むけが起こりやすくなるのです。
また、ストレスにより睡眠の質が低下すると、夜間に分泌される成長ホルモンの分泌量が減少し、肌ダメージの回復が遅れます。
間違ったシャンプーの方法
頭皮の皮がむけている方や、洗髪後にもかゆみが残る方は、シャンプーのやり方が間違っている可能性も疑われます。 例えばシャンプーの際に爪や指先で頭皮を傷つけてしまうと、雑菌の繁殖にともない頭皮のかゆみを生じやすくなります。
また、あまりにも洗浄力の強いシャンプーを使っていると、頭皮を守るために必要な皮脂まで洗い流して乾燥を招くため、結果として皮がむけやすくなるのです。
頭皮の皮がむけたときの対処法3選
頭皮の皮がむける原因は人によりさまざまのため、以下の3つの対処法のなかから自分に合った方法を実践することがおすすめです。
- シャンプーを見直す
- 頭皮ケアの習慣をつける
- 室内を最適な湿度に保つ
ここでは、頭皮の皮がむけたときの対処法3選を紹介します。
シャンプーを見直す
肌質に合っていないシャンプーや洗浄力の強すぎるシャンプーは、頭皮の環境を招いて皮むけを引き起こしやすくなります。
そのため、頭皮が乾燥しやすい方や敏感肌・乾燥肌の方はアミノ酸系の薬用シャンプーや育毛シャンプーなど、頭皮への刺激が少ない商品を選ぶのがおすすめです。
アルコール系のシャンプーには洗浄力を高めるために合成界面活性剤が含まれているケースも多いのですが、合成界面活性剤は頭皮や髪の毛に大きなダメージを与えるため避けるのが無難です。自分の肌質に合ったシャンプーを選んだら、以下の手順で正しく洗髪を行いましょう。
- 髪の毛と一緒に頭皮も予洗いする
- シャンプーを手のひらで十分に泡立てる
- 頭皮をマッサージするように指の腹で優しく洗う
- 洗い残しが無いようしっかりすすぐ
- タオルドライをしてドライヤーで乾かす
シャンプーをする際の湯温は36℃から38℃のぬるま湯がおすすめです。湯温が高すぎると頭皮を守るべき皮脂まで洗い流してしまうため注意しましょう。
頭皮ケアの習慣をつける
顔を洗った後は保湿をするという方でも、洗髪後はそのままという方も多いのではないでしょうか。洗髪後に自然乾燥させていると雑菌繁殖の温床となるため必ずドライヤーで乾かしましょう。
ドライヤーで乾かしたら頭皮用のローションやトニック、育毛剤などを利用して保湿することも大切です。頭皮を保湿する際には、低刺激・敏感肌用と書かれた保湿剤がおすすめです。
室内を最適な湿度に保つ
室内が乾燥していると頭皮も乾燥して皮がむけるリスクを増加させるため、加湿器やエアコンの除湿機能などを利用して室内を最適な湿度に保ちましょう。
皮膚にとって最適な湿度はおよそ40%から60%とされているため、湿度計を部屋に設置して調整すると良いでしょう。特に冬場はエアコンで空気が乾燥しやすいので、加湿を欠かさないことが皮むけを予防するためのポイントです。
頭皮にかゆみや白いかさぶたがある場合は、医療機関の受診がおすすめ
頭皮のフケや皮むけだけでなく、炎症やかさぶたも見られる方は以下の病気を発症している可能性があるため、なるべく早めに医療機関を受診するのがおすすめです。
- 脂漏性湿疹
- アトピー性皮膚炎
- 頭皮白癬
ここでは、頭皮にかゆみやかさぶたが生じる代表的な3つの病気について解説します。
脂漏性湿疹
ベタベタとした黄色っぽい脂性フケが大量に発生して、頭皮にかゆみや赤みを生じている方は、脂漏性湿疹を発症している可能性が疑われます。 脂漏性湿疹は常在菌の一種であるマラセチアが、過剰に分泌された皮脂をエサとして異常繁殖することで発生リスクが増加します。
その他の炎症性皮膚疾患とは異なり、初期段階ではかゆみがないか、あったとしても軽微なことが多く、発症に気付くのが遅れることも珍しくありません。 発症に気付くのが遅れると慢性的な経過をたどる傾向があり、自然に回復することは難しいため皮膚科で相談するのがおすすめです。
アトピー性皮膚炎
頭皮に強いかゆみがあり、ジュクジュクとした浸出液やかさぶたが見られる方は、アトピー性皮膚炎を発症している可能性があります。 アトピー性皮膚炎の原因に関しては明確なことが分かっていませんが、遺伝的な体質に環境的な要因が加わることで発症リスクが増加すると考えられています。
アトピー性皮膚炎は自然によくなるケースも多いのですが、症状が強く出ている方は皮膚科を受診し、適切な治療およびアドバイスを受けるのがおすすめです。
頭皮白癬
頭皮白癬(はくせん)はしらくもとも呼ばれており、足などに見られる白癬(水虫)を引き起こす皮膚糸状菌に感染することで発症します。 頭皮白癬を発症すると頭皮に細かいフケのような鱗屑(りんせつ)が生じるため、フケ症を発症したと勘違いする方も少なくありません。
しかし、爪や指先で頭皮を傷つけるなどして皮膚糸状菌が傷口に侵入した場合、市販のかゆみ止めなどを塗るとかえって症状が悪化するため注意が必要です。
また、頭皮白癬を放置すると髪の毛がまばらに抜け落ちることもあるため、早めに皮膚科で治療を受けるのがおすすめです。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
頭皮の皮がむける原因としては冬の乾燥や夏の紫外線による日焼け、ストレスによるターンオーバーの乱れ、間違ったシャンプーのやり方などが挙げられます。
しかし、皮むけにともなって強いかゆみや赤みといったトラブルが起こっている方は、脂漏性湿疹やアトピー性皮膚炎、頭皮白癬を発症している疑いがあるため、早めに皮膚科を受診するのがおすすめです。
皮膚疾患ではなく脱毛症の疑いがある方は、新宿AGAクリニックまでご相談ください。新宿AGAクリニックでは無料カウンセリングも行っているため、症状をどこで見てもらえばいいのか分からない方もお気軽にお問い合わせください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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