アボルブとは?効果や効能、副作用の可能性について解説
近年になり、テレビコマーシャルやインターネット広告などでAGA(男性型脱毛症)の文字をよく見かけるようになりました。AGAは男性に見られる脱毛症の一種で、適切に対処しないと薄毛がゆっくりと確実に進行することが特徴です。
AGAについて自分で調べている方の中には、アボルブと呼ばれる治療薬があることを知った方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらの記事では、アボルブの効果や効能、副作用の可能性などについて解説します。薄毛治療について調べていてアボルブにたどり着いた方や、できるだけ費用を抑えて薄毛治療がしたい方は参考にしてください。
アボルブカプセルの効果・効能
アボルブはイギリスの製薬会社であるグラクソ・スミスクライン社によって開発された医薬品で、0.1㎎および0.5㎎のカプセルがあります。アボルブカプセルの主な効果や効能は以下の通りです。
- 前立腺肥大症の治療薬
- 薄毛の進行を抑える効果もあり
アボルブカプセルの効果・効能について詳しく解説します。
前立腺肥大症の治療薬
アボルブカプセルはもともとイギリスのグラクソ・スミスクライン株式会社によって、前立腺肥大症の治療を目的として開発されました。
2001年の11月にアメリカのFDA(食品医薬品局)で承認されたことを皮切りに、現在では100ヶ国以上の国で前立腺肥大症の治療薬として用いられています。
日本でも2009年に厚生労働省によって認可が行われ、アボルブカプセルの販売が開始されています。ただし、日本国内でアボルブカプセルは前立腺肥大症の治療薬の扱いであり、AGA治療薬としての保険適用はありません。
薄毛の進行を抑える効果もある
アボルブカプセルの有効成分であるデュタステリドには、薄毛の進行を抑える効果も期待されています。デュタステリドの作用について理解するためには、AGAによる薄毛のメカニズムについて知っておく必要があります。
- 男性ホルモンの一種であるテストステロンが、活性の高いジヒドロテストステロン(DGT)に変化する
- ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体に結合しTGF-βが生成される
- TGF-βによりヘアサイクルが乱され抜け毛を引き起こす
テストステロンがジヒドロテストステロンへと変換される際に、触媒としてはたらくのが酵素の一種である5α-リダクターゼです。デュタステリドには5α-リダクターゼの働きを妨げる作用があるため、抜け毛の進行が抑えられるのです。
アボルブカプセルの内服は1日1回
アボルブカプセルは、1日に1錠を服用することが基本です。風邪薬のように食後に服用しなければならないといった決まりがありません。また、食前に服用しても食後に服用しても、効果に違いがない点も特徴です。
そのため、アボルブカプセルは基本的に自分が飲みやすいタイミングで服用すれば良いとされています。ただし、1日に1錠を服用する医薬品であるため、飲み忘れてしまうケースが少なくありません。飲み忘れると薄毛を抑える効果が十分に得られないため、決まった時間に服用するようスケジューリングしましょう。
アボルブにはジェネリックも存在する
アボルブカプセルに関しては、ジェネリック(後発医薬品)も販売されるようになっています。アボルブの国内での特許期間が過ぎたことから、2020年の6月に各製薬会社からデュタステリドとの商品名でジェネリックが販売開始されています。
AGA治療における代表的なデュタステリド錠がザガーロですが、ザガーロに関してもデュタステリドという名前のジェネリックが、2020年の10月から販売開始されました。AGAの治療には原則として保険が適用されませんが、ジェネリックを利用することで少しでも治療費を下げることが可能となります。
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アボルブとザガーロの違いとは
アボルブカプセルとザガーロにはいずれも前立腺肥大症の進行を抑制し、AGAによる抜け毛を予防する効果が期待されています。では、アボルブカプセルとザガーロにはどのような違いがあるのでしょうか。アボルブカプセルとザガーロの違いと共通点は以下の通りです。
- 使用目的が違う
- 主成分・有効成分は同じ
- 副作用も同じ
アボルブカプセルとザガーロの違いと共通点について解説します。
使用目的が違う
アボルブカプセルとザガーロの大きな違いは、使用する目的および対象です。アボルブカプセルはもともと前立腺肥大症の治療薬として開発された経緯があるため、基本的に前立腺肥大症の治療目的で用いられます。
一方、ザガーロはアボルブカプセルの抜け毛予防効果に着目して、AGAを治療する目的で開発された経緯があります。そのため、ザガーロはAGAの治療目的で用いられることが一般的です。ただし、ザガーロを薄毛の治療薬として承認している国は、現在のところ日本と韓国のみとなっています。
主成分・有効成分は同じ
アボルブカプセルとザガーロは使用目的が異なるだけで、主成分や有効成分は同じです。アボルブカプセルにもザガーロにも、主成分・有効成分としてデュタステリドが配合されています。
デュタステリドにはAGAの原因となる5α-リダクターゼの働きを妨げ、ジヒドロテストステロンの生成を抑止する作用があります。5α-リダクターゼは前頭部や頭頂部に多く分布しているため、デュタステリドを成分とする治療薬を服用することで、AGAに特徴的なM字ハゲやO字ハゲを改善する効果が期待できるのです。
副作用も同じ
アボルブカプセルとザガーロにはともに有効成分としてデュタステリドが配合されているため、基本的に同じような副作用が見られます。しかし、化学的に製造された医薬品には必ず副作用のリスクを伴うものであり、アボルブカプセルとザガーロが危険な医薬品という訳ではありません。
アボルブカプセルもザガーロも厚生労働省によって認可された医薬品であり、用法および容量を守って服用すれば、副作用のリスクはそれほど高くありません。アボルブカプセルの副作用については次章で詳しく解説します。
アボルブカプセルの副作用
アボルブカプセルには、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの生成を抑止する作用があります。その一方で、主に以下のような副作用を引き起こす可能性があることも分かっています。
- 勃起不全
- リビドー(性欲)減退
- 乳房障害
アボルブカプセルの服用にともなって起こり得る主な副作用について解説します。
勃起不全
アボルブカプセルはザガーロと同様に、男性ホルモンにアプローチする医薬品であるため、副作用として男性の性機能障害をもたらす可能性があります。
アボルブカプセル(0.5㎎)を用いて前立腺肥大症の治療を行った24週間に渡る二重盲検比較試験において、勃起不全はおよそ3%(71例中2例)の方に見られたとの報告があります。
リビドー(性欲)減退
リビドー(性欲)減退も、アボルブカプセルの服用に伴う主要な副作用の1つです。先ほどの二重盲検比較試験によると、アボルブカプセルの服用によってリビドー(性欲)減退を起こした方の割合は、全体のおよそ4%(71例中3例)となっています。
男性の性機能に関するその他の副作用としては、射精障害や精巣痛、精巣腫脹などが挙げられていますが、いずれも発症頻度は1%未満、もしくは頻度不明となっています。
乳房障害
乳房障害もアボルブカプセルの服用に伴って起こり得る副作用の1つです。主な乳房障害としては、乳房の女性化や乳房痛、乳頭痛、乳房の不快感などが挙げられており、発症頻度は1%以上とされています。
また、海外で行われた臨床試験では、デュタステリド錠を服用した4325例の内、2例で男性乳癌を発症したとの報告があります。しかし、デュタステリドと男性乳癌との関係については詳しいことが分かっていません。また、国内でデュタステリド錠を服用し、男性乳癌を発症したという例は現在のところありません。
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アボルブカプセルにまつわるよくある質問
アボルブカプセルに関しては、以下の3つの質問が多く寄せられています。
- なぜ女性はアボルブカプセルに素手で触ってはいけない?
- アボルブは長期投与でも問題ない?
- アボルブの値段はどれくらい?
アボルブカプセルにまつわる3つの質問についてお答えします。
なぜ女性はアボルブカプセルに素手で触ってはいけない?
アボルブカプセルについてよく見られる質問の1つが、なぜ女性が素手で触れてはいけないのかというものです。アボルブカプセルの有効成分であるデュタステリドには、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの生成を妨げる作用があります。
ジヒドロテストステロンはAGA発症の原因の1つですが、実は、男児の生殖器を成長させるために必要なホルモンでもあります。仮に男児を懐妊中の女性がアボルブカプセルに触れると、皮膚から有効成分を吸収し、胎児に悪影響をおよぼす可能性もあるため注意が必要です。
アボルブは長期投与でも問題ない?
アボルブカプセルの添付文書には、用法および容量に関する注意の項目において、治療効果を評価するためには通常、6ヶ月の治療を必要とする旨が記載されています。また、リトナビルなどのCYP3A4阻害薬との併用には注意を要するとされています。
しかし、アボルブカプセルの長期投与に関しては特に注意が記されていません。そのため、アボルブカプセルの服用によって日常生活に支障を来すような副作用が起こっていないのであれば、長期投与しても問題ないと考えられます。
アボルブの値段はどれくらい?
アボルブカプセルの薬価は1錠あたり116.2円となっています。基本的にアボルブカプセルは1か月単位で処方されることが多いため、1ケ月あたりの薬代は3,486円となります。
ただし、アボルブカプセルは前立腺肥大症の治療薬であるため、基本的にAGAの治療目的で処方されることはありません。AGA治療を行いたい場合は、専門のクリニックでザガーロやジェネリックのデュタステリドを処方してもらいましょう。
デュタステリドの効果を確かめたいなら新宿AGAクリニックへ
デュタステリドの効果を確かめたい方は、新宿AGAクリニックへご相談ください。2016年に販売された新薬であるデュタステリド錠のザガーロには、従来のAGA治療薬であるプロペシアよりも高い薄毛予防、および発毛効果が期待されています。
ザガーロの国内での特許期間は終了しているため、2020年に入って各製薬会社からジェネリックのデュタステリド錠が多く販売されており、以前と比べて安価で治療を受けられるようになっています。
新宿AGAクリニックでもジェネリックのデュタステリド錠を扱っているため、薄毛や抜け毛にお悩みの方はお気軽に無料カウンセリングまでご相談ください。
【監修者】
大藪顕(新宿AGAクリニック院長)
経歴
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長
多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
資格
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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