フケ対策に有効な方法とは?シャンプーやドライヤーがフケの原因?
毎日のようにシャンプーをしているのに、フケが目立つとお悩みの方もいるのではないでしょうか。 フケは皮膚の表面にある角質が剥がれ落ちたものであり、誰にでもみられる当たり前の生理現象です。
では、なぜフケが目立つ人とそうでない人がいるのでしょうか。
この記事では、フケが目立ってしまう原因やフケ対策をする上での注意点をご紹介します。
目次
フケを一瞬でなくすことはできる?
結論から申し上げますとフケを一瞬でなくしたり、一気に落としたりすることは難しいと言えます。フケを一瞬でなくすのが難しい理由について知るためには、ターンオーバーについて理解する必要があるでしょう。
表皮は角層・顆粒(かりゅう)層・有棘層・基底層の4層構造となっており、基底層で作られた細胞が分裂を繰り返して上方へと押し上げられ、数層から十数層の角層を構成しています。
角層の最表面まで押し上げられた角質はやがてアカやフケとなって剥がれ落ちます。つまり、アカやフケは誰にでも見られる生理現象の一種なのです。
通常であればアカやフケは目に見えないほど小さいため、知らないうちに剥がれ落ちるのですが、ターンオーバーの周期が乱れると本来であれば剥がれ落ちるべき角質が表皮に留まるため、大きなフケとなって目立ちやすくなります。
ターンオーバーはおよそ年齢×1. 5日周期となっているため、フケを根本的に改善するためには1ヶ月以上が必要となる計算です。
ただし、以下で紹介するような生活習慣やヘアケアのやり方の見直しによって、フケを少しずつ減らしていくことは可能です。
フケをなくしたい人に有効な方法
フケは大きく分けると、乾性フケと脂性フケの2つに分類されます。
それぞれのフケが目立つようになる原因に関しては、後ほど詳しくご紹介します。 まずは、フケ対策として有効な方法をご紹介します。
シャンプーを正しく使用する
フケへの対策法としてまず挙げられるのが、シャンプーを正しく使用することです。 シャンプーには様々な成分が含まれているのですが、中には頭皮にとって有害な成分もあります。
そのような成分が頭皮に直接付着してしまうと、頭皮環境を悪化させ、フケが目立つ可能性を高めてしまいます。 シャンプーは直接頭皮に付けるのではなく、いったん手のひらにとってお湯で伸ばし、髪の毛全体に付けるようにしましょう。
また、指の先や爪で頭皮をゴシゴシ擦るような洗い方をしていると、頭皮にダメージを与えてしまうため、指の腹を使って優しくマッサージするように洗うことが大切です。
ドライヤーの方法を見直す
ドライヤーを正しく使うことができていないと、頭皮環境が乱れ、フケが増える可能性が高まります。
ドライヤーでしっかりと髪の毛や頭皮が乾かせていないと、湿った環境を好む雑菌が大量に繁殖し、頭皮環境を悪化させます。 反対に、髪の毛や頭皮を乾かそうとする時に、あまりにも過剰にドライヤーを掛けた場合、頭皮が乾燥し過ぎてしまい、フケを招くこともあります。
ドライヤーを掛ける時には温度に気を付け、少し離れた位置から髪の毛や頭皮を乾かすようにしましょう。
オイルなどで保湿をする
冬場に手が乾燥すると、カサカサとした白い粉のような物が目立つようになりますが、同じように、頭皮が乾燥すると、カサカサとした白いフケが目立ちやすくなります。
頭皮にも、専用の保湿液(オイルなど)を用いて、保湿することが大切です。 オイルを使うとべたつきが気になるかもしれませんが、皮脂は頭皮を守るバリアの働きもしてくれています。
適度に頭皮の潤いを保つことで、頭皮の乾燥を予防し、フケ対策になるでしょう。
生活習慣を改善する
急にフケが目立つようになってきたという場合、生活習慣が乱れている可能性があります。 この場合、次のように対処しましょう。
良質な睡眠をとる
睡眠の質が低下すると、ターンオーバーの周期に乱れが生じ、フケを生じるリスクが高くなるため、普段から良質な睡眠をとることが重要です。
私たちの体内では、寝ている間に成長ホルモンが分泌され、皮膚が細胞分裂を繰り返し、剥がれ落ちては新しい角層が押し上げられるという仕組みがあります。 この仕組みのことをターンオーバーといい、およそ【年齢×1.5日】でサイクルしています。
このターンオーバーを正常にするためにも、良質な睡眠をとるようにしましょう。
バランス良く栄養を摂取する
バランス良く、栄養を摂取することも大切です。 人間の身体は日々の食事から作られており、皮膚に関しても例外ではありません。乱れた食生活を続けていると、身体の回復にエネルギーが取られてしまい、ターンオーバーの周期を乱してしまう可能性があります。
ターンオーバーの周期が乱れると、本来であれば剥がれ落ちるべき角質が表皮にとどまり、皮脂や老廃物などの排出を阻害することがあります。
これにより、頭皮環境が悪化し、フケを生じるリスクが高くなるのです。
ストレスを適切に対処する
ストレス状態が昂じると、体内では自律神経の交感神経が優位に傾きます。
交感神経が長い時間優位に傾くと、血管が収縮するため、血液の循環が悪くなります。
頭皮への血流量が減少すると、ターンオーバーの周期を乱すことになり、フケが生じるリスクを高めてしまいます。 このため、ストレスには適切に対処し、血行不良を防ぐことが大切です。
女性や中学生がフケをなくす方法
フケ症はどちらかといえば男性に多く見られ、中でも乳児や50歳以上の方に発症例が多いとされています。しかし、女性や中学生であってもフケ症を発症する可能性があります。
ここでは、女性や中学生がフケ症を発症する原因について解説するとともに、フケをなくす方法について紹介します。
女性がフケをなくす方法
女性がフケ症を発症しやすい原因の1つが、ホルモンバランスの変化です。特にホルモンバランスが大きく変化する産後は、フケが出やすくなる時期としても知られています。
妊娠中は妊娠状態を維持するなどの理由で女性ホルモンが活発に分泌されますが、出産を終えると分泌量が激減してコラーゲンの生成が滞ったり、肌の保水機能が低下したりして乾燥を招きやすくなります。
冬の乾燥した時期に手がカサカサして白く粉を吹いたようになるのと同じく、頭皮も乾燥するとフケを生じやすくなるのです。
女性がフケをなくすためには、生活リズムを整えたりストレスを発散したりして、ホルモンバランスの大きな変化を予防することが大切です。
中学生がフケをなくす方法
中学生は子供にとっての成長期にあたりますが、成長期にはホルモンバランスの変化によって皮脂が大量に分泌されます。ニキビが青春のシンボルと言われるのも、成長期に皮脂の分泌量が増加するためです。
皮脂が大量に分泌されると頭皮の常在菌が異常繁殖して頭皮環境が悪化し、ベタベタとしたフケが生じやすくなります。
中学生などの子供がフケをなくすためには、毎日のシャンプーを正しくおこない、頭皮を清潔に保つことが重要です。
また、洗髪後にはしっかりと保湿を行い、頭皮にうるおいを与えて皮脂の過剰な分泌を抑制することもポイントです。
フケ対策をせずに放置するとどうなる?
仮に、フケ対策をせずに放置した場合、どのようなことが起こるのでしょうか。 フケによる主なトラブルについてご紹介します。
頭皮のトラブルが起きる
フケ対策をせずに放置した場合、頭皮のトラブルが起こる可能性が高まります。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、マラセチアの繁殖によって起こります。
人間の身体には無数の常在菌が生息していますが、その内の1つであるマラセチアには皮脂をエサにして増殖するという特徴があります。 脂漏性皮膚炎はその他の皮膚炎と異なり、それほど強い痒みがみられません。
このため、気が付いたら進行していたというケースも少なくないのです。 自然治癒が難しい皮膚炎なので、発症が疑われる場合は専門のクリニックで治療することが必要です。
乾燥性皮膚炎
乾燥性皮膚炎は、乾皮症(かんぴしょう)とも呼ばれる皮膚疾患で、皮膚の乾燥しすぎることで発症します。
ただの乾燥肌とは異なり、乾燥性皮膚炎を発症した場合、強い痒みや赤み、水ぶくれなどの湿疹(皮脂欠乏性湿疹)を伴うことがあります。
皮脂欠乏性湿疹が出来ると、ターンオーバーの周期が早くなるため、皮膚が弱っている状態が続き、さらに皮膚の乾燥を招くという悪循環に陥ります。
薄毛や抜け毛を引き起こす
脂漏性皮膚炎や乾燥性皮膚炎といった皮膚炎を発症した場合、頭皮環境が悪化し、薄毛や抜け毛を引き起こすリスクが高くなります。 乾燥性皮膚炎を発症した場合、強い痒みが見られるため、無意識の内に頭皮を掻きむしってしまうことも少なくありません。
また、脂漏性皮膚炎を発症するような頭皮環境が続くと、ベタベタとしたフケが毛穴を塞いでしまい、髪の毛の成長に悪影響を及ぼす可能性もあります。
フケが発生する原因として考えられること
フケは誰にでもみられる生理現象ですが、あまりにもフケの量が増えると、抜け毛や薄毛のリスクを高めることがあります。 では、なぜフケの量が増えてしまうのでしょうか。
頭皮が乾燥している
フケが大量に発生する原因の1つとして、頭皮の乾燥が挙げられます。
頭皮の乾燥に伴って見られるフケのことを乾性フケといい、皮膚が乾燥しやすい女性に多くみられるタイプのフケですが、男性にみられることもあります。 乾性フケは乾燥肌の方にみられるだけでなく、ドライヤーを頭皮に当て過ぎることでも発生する可能性が高まります。
また、シャンプーを1日に複数回するなど、頭皮から皮脂を奪い過ぎることで、かえって皮脂の量が増してしまうと乾燥しやすくなるため、注意が必要です。
頭皮の皮脂が過剰に分泌している
頭皮の皮脂が過剰に分泌していると、ベタベタとした黄色っぽい脂性フケを生じる可能性が高くなります。
皮脂の分泌量が多い男性にみられやすいタイプのフケですが、女性であっても食生活やホルモンバランスの乱れなどが原因となり、脂性フケを生じることもあります。 また、過剰に分泌された皮脂にフケが混じり合うことによって、黄色っぽくてベタベタした、大きめのフケが目立つようになります。
ホルモンバランスが乱れている
フケの原因として、ホルモンバランスの乱れも挙げられます。 男性の皮脂の分泌量が多いのは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の働きが影響しています。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが変化したものですが、遺伝的に体内のある酵素が活発に働くことで、ジヒドロテストステロンが増加し、皮脂の分泌量が増加します。
また、女性が更年期を迎えると、女性ホルモンの分泌量が減少し、相対的に男性ホルモンの量が増加するため、脂性フケを生じる可能性が高まります。
フケ対策をする上での注意点
フケを放置した場合、乾燥性皮膚炎や脂漏性皮膚炎といった肌のトラブルだけでなく、抜け毛や薄毛のリスクが高まります。 では、フケ対策をする場合、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
フケの種類を理解する
フケ対策をする上で、フケの種類を理解することが大切です。
フケには大きく分けて、乾性フケと脂性フケの2種類があります。 このため、原因に応じた対策を講じることが必要です。
一般的に、乾性フケは粒が小さく、カサカサとして白い特徴があり、脂性フケは乾性フケに比べると粒がかなり大き目で、黄色っぽくてベタベタしています。 自分のフケの種類を見分けた上で、正しく対処をすることが大切です。
症状が強い場合はクリニックを受診する
フケの量が増えることと同時に、何らかの症状が強く現れている場合は、専門のクリニックを受診することが重要です。
クリニックを受診する目安としては、耐えられないほどの痒みがあることや、水ぶくれのような湿疹が見られること、自分で対処しても改善がみられないケースなどです。 仮に、強い症状に伴って抜け毛の量が増えているような場合には、皮膚科ではなく、薄毛治療専門のクリニックに相談しましょう。
皮膚科は皮膚疾患全般を取り扱っていますが、抜け毛や薄毛を専門としている訳ではありません。 抜け毛や薄毛が気になる方は、薄毛治療専門のクリニックを選ぶと良いでしょう。
フケの症状が改善されない場合は
フケはどちらかといえば中高年男性に見られますが、女性や子供であってもフケ症を発症する可能性はあります。
フケはターンオーバーが乱れた結果として目立ちはじめるため、一瞬でなくすのは困難です。しかし、今回ご紹介した方法を実践すると、少しずつフケの量を減らすことが期待できます。
セルフケアではフケの症状がまったく改善されない場合は、何らかの炎症性皮膚疾患や脱毛症を発症している可能性も疑われるため注意が必要です。
大量のフケにともない頭皮のかゆみや赤みがある方は皮膚科を、抜け毛も見られる方はAGAクリニックを受診するのがおすすめです。

【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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