ナッツは薄毛に効果がある?種類や成分を解説
ナッツには良質な脂肪酸が豊富に含まれているため、生活習慣病を予防するためにも、積極的に摂取することが推奨されています。また、ナッツはさまざまな栄養素をバランスよく含む総合栄養源ともされていますが、抜け毛や薄毛の予防効果は期待できるのでしょうか。
こちらの記事ではナッツの種類や薄毛の予防・改善に良いとされる成分、および適切な摂取量や食べる際の注意点などについて解説します。薄毛に悩んでいてナッツに対する興味をお持ちの方や、健康的な食生活に関心がある方は参考にしてください。
目次
ナッツは薄毛に効果がある?
ナッツは豊富な栄養素をバランスよく含む総合栄養源の1つですが、ナッツに限らず特定の食品を積極的に摂取したからと言って、薄毛が改善することはありません。
ナッツと言うとピーナッツをイメージされる方も多いですが、実際にはアーモンドやピスタチオ、クルミ、カシューナッツ、マカダミアナッツなどの堅果種子類の胚や仁(胚乳)をナッツと呼んでいます。
ナッツが薄毛や抜け毛の改善に効果的とされる理由は、髪の毛の成長に必要なビタミンやミネラル、たんぱく質などを多くふくんでいるためです。
ナッツを積極的に摂取しても髪の毛がみるみる生えてくることは期待できませんが、それでもナッツが健康にとって有益なことは間違いありません。
日常の生活にナッツを取り入れることで栄養バランスが改善され、薄毛や抜け毛などの症状を緩和する可能性はあります。
薄毛にいいとされるナッツとは
前述の通りナッツはピーナッツだけでなく、胚や胚乳を食用とする木の実の総称です。薄毛にいいとされるナッツには以下の種類があります。
- アーモンド
- ピーナッツ
- ピスタチオ
- クルミ
- カシューナッツ
- マカダミアナッツ
代表的なナッツの特徴について解説します。
アーモンド
アーモンドは代表的なナッツの1つで、4000年以上前のヨルダンが原産の非常に起源が古いナッツです。日本には江戸時代に南蛮船によってもたらされました、
現在では全体の7割がアメリカのカリフォルニア州で生産され、世界中でもっとも消費されているナッツとなっています。アーモンドには一価不飽和脂肪酸が多く含まれていますが、中でもオレイン酸を多く含む点が特徴です。
1日に20粒から25粒のアーモンドを摂取すると、さまざまな美容効果や健康効果が期待できるとされています。
ピーナッツ
ピーナッツは厳密に言うとナッツではありません。ナッツが種実類(木の実)であるのに対し、ピーナッツはマメ科の植物の種子を意味します。日本では落花生(マメ科ラッカセイ属)と呼ばれており、花が地中に潜って実をつける点が特徴です。
ピーナッツの「ピー」は「豆」という意味があり、日本語にすると豆のナッツと訳されます。ピーナッツの原産は南米で、日本には江戸時代に伝わりました。ピーナッツがナッツと混同される理由は、他の豆類とはことなり脂質を多く含むためです。栄養バランス的にも豆類よりもアーモンドなどに近いことが分かっています。
ピスタチオ
ピスタチオはもともとトルコや古代のペルシアなど地中海沿岸にある砂漠地帯に自生していましたが、人間の手で食用に栽培された歴史を持ちます。
長らくアラブ系やトルコ系、アルメニア系の人々に親しまれていたピスタチオですが、現在ではナッツの女王として多くの国で愛好されています。
ピスタチオにはその他のナッツ類に比べて食物繊維が多く含まれており、カリウムや鉄などミネラルを多く含む点も特徴です。
クルミ
クルミの歴史はアーモンドよりもさらに古く、紀元前7000年ごろから食用にされていた世界最古のナッツとされています。もともとクルミはイランで生産されてヨーロッパに伝えられたことから、ペルシアグルミの名が付けられていました。
現在ではアメリカ合衆国と中国が2大生産地となっており、厳しい品質管理基準をクリアしたカリフォルニア産のクルミは日本でも多くの方に愛好されています。クルミには必須アミノ酸の一種であるリノール酸とα-リノレン酸が多く含まれています。
カシューナッツ
カシューナッツの木は10メートルから15メートルと高く、16世紀には東アフリカや東南アジアなどの国で防風林として利用されていました。インドや南アメリカ、アフリカなどが主要な生産地ですが、インドで加工されて世界中に輸出されています。
カシューナッツに含まれる栄養素はアーモンドと酷似しており、一価不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸を多く含む点も共通点です。また、ナッツ類の中では糖質やタンパク質も多く、ビタミンB1、鉄やマグネシウムなどのミネラルも多く含んでいます。
マカダミアナッツ
ハワイ旅行のお土産として日本でもよく知られているマカダミアナッツは、19世紀の半ばにオーストラリアで自生しているのが発見され、19世紀の後半には防風林としての利用目的でハワイに移植されました。
日本では主にお菓子の原料として用いられるマカダミアナッツですが、無味・無臭で高い酸化安定性があるため、理想的な食用油とされています。また、人間の肌と似た脂肪酸組成をしていることから、スキンケアアイテムに利用されることもあります。
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ナッツに含まれる薄毛にいい成分
ナッツには必須脂肪酸をはじめ、人間の健康や美容に欠かせない成分が多く含まれています。中でも薄毛にいいとされる成分は以下の3つです。
- タンパク質
- ビタミン
- 亜鉛
ナッツに含まれる薄毛にいい成分について詳しく解説します。
タンパク質
ナッツに含まれる薄毛にいい成分の1つがタンパク質です。タンパク質は髪の毛の主成分であるケラチンの原料となることで知られています。ナッツ(100g中)に含まれるタンパク質の量は以下のとおりです。
食べ物 | タンパク質の量 |
アーモンド | 20.3g |
クルミ | 14.6g |
カシューナッツ | 19.8g |
ピスタチオ | 17.4g |
マカダミアナッツ | 8.3g |
ナッツの中でも特にアーモンドやカシューナッツ、ピスタチオにタンパク質が多く含まれることが分かります。
ビタミン
ビタミン類も薄毛にいい成分の1つです。ビタミン類には頭皮への血行を促進したり、皮脂の分泌量をコントロールしたりするなど、頭皮環境に良い影響を与えることが分かっています。ナッツ(100g中)に含まれるビタミンの量は以下のとおりです。
食べ物 | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン |
アーモンド | 0.03㎎ | 1.04㎎ | 3.9㎎ |
クルミ | 0.26㎎ | 0.15㎎ | 1.0㎎ |
カシューナッツ | 0.54㎎ | 0.18㎎ | 0.9㎎ |
ピスタチオ | 0.43㎎ | 0.24㎎ | 1.0㎎ |
マカダミアナッツ | 0.21㎎ | 0.09㎎ | 2.1㎎ |
ナッツの中でも特にカシューナッツやピスタチオにはビタミンBが、アーモンドやマカダミアナッツにはナイアシンが多く含まれています。
亜鉛
亜鉛はケラチンを作り出す際にサポートする働きがあります。体内に取り込まれたタンパク質はいったんアミノ酸レベルに分解されますが、亜鉛のサポートによってケラチンへと作り替えられます。ナッツ(100g中)に含まれる亜鉛の量は以下のとおりです。
食べ物 | 亜鉛の量 |
アーモンド | 3.7㎎ |
クルミ | 3.7㎎ |
カシューナッツ | 5.4㎎ |
ピスタチオ | 2.5㎎ |
マカダミアナッツ | 0.7㎎ |
ナッツの中でも特にカシューナッツに亜鉛が多く含まれることが分かります。
薄毛にいいナッツの量と食べ方
ナッツにはタンパク質やビタミン、亜鉛など髪の毛にいい成分が多く含まれていますが、食べる際の注意点として以下の3つがあげられます。
- 量の目安は亜鉛が10mgを超えない程度
- 食べ方は少しずつがおすすめ
- 注意!ナッツの食べ過ぎは薄毛につながる
薄毛にいいナッツの量と食べ方について解説します。
量の目安は亜鉛が10mgを超えない程度
薄毛の予防や改善目的でナッツを食べるときには亜鉛の量が10mgを超えないようにしましょう。成人男性の亜鉛の推定平均必要量はおよそ9㎎、女性の場合は7㎎が目安です。
亜鉛を過剰に摂取すると銅欠乏症や貧血、胃の不調といった健康上の不調を招きやすくなることが分かっています。しかし、ナッツから亜鉛を9㎎摂取しようとする場合、カシューナッツでも160gは食べる計算です。
通常の食べ方で亜鉛の摂取量が9㎎を超えることは考えにくいため、過度に心配する必要はないでしょう。
食べ方は少しずつがおすすめ
薄毛の予防や改善目的でナッツを食べるときには、少しずつナッツを摂取することがおすすめです。ナッツには不溶性の食物繊維が多く含まれているため、少しずつ食べることで胃や腸の中で膨らみ、満腹中枢が刺激されやすくなります。
満腹中枢が刺激されれば食べ過ぎを抑制できるため、ダイエットしたい方にもおすすめです。また、歯ごたえのあるナッツをしっかりとかむことで、脳が活性化して集中力を高める効果も期待できます。
注意!ナッツの食べ過ぎは薄毛につながる
ナッツの食べ過ぎは薄毛につながる可能性もあるため注意が必要です。ナッツには脂質が多く含まれているため、過剰に摂取すると皮脂の分泌量が増加し、頭皮環境の悪化にともなう抜け毛のリスクを高める恐れがあります。
また、市販のナッツ類には塩分が多く含まれているため、食べ過ぎるといわゆるドロドロ血液になり、頭皮へ送られる血液量が減少する可能性もあります。自然食品のお店などでは食塩不使用のローストしていないアーモンドが売られているため探してみるとよいでしょう。
【補足】ナッツ以外に薄毛に効果的な食べ物
ナッツ以外にも薄毛に効果的とされる食べ物は多くあります。代表的な食べ物を以下の表で紹介します。
食べ物 | 主な栄養素 |
鶏卵 | 必須アミノ酸・カルシウム・マグネシウム・鉄・ビタミンDなど |
レバー | タンパク質・亜鉛・鉄・ビタミンA・ビタミンB群など |
牡蠣(かき) | 亜鉛・鉄・グリコーゲン・タウリン・ビタミンB群など |
緑黄色野菜 | βカロテン・ビタミンC・ビタミンK・葉酸・カリウムなど |
ニンニク | ビタミンB6・アリシン・ポリフェノール・アミノ酸など |
鶏卵は体内で合成することができない必須アミノ酸が多く含まれているほか、カルシウムやマグネシウム、鉄などのミネラルが多く含まれた完全栄養食の1つです。日常的に卵を摂取すると、栄養バランスを整えやすくなるためおすすめです。
また、レバーや牡蠣などの動物性タンパクには、ビタミンB群や亜鉛が多く含まれており、頭皮環境を整えたり、髪の毛を合成したりする効果が期待できます。緑黄色野菜やニンニクには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれるため、髪の毛や頭皮の老化予防におすすめです。
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ナッツだけでは薄毛や抜け毛は防げない
ナッツに限った話ではありませんが、特定の食品や栄養素ばかりを摂取しても、薄毛や抜け毛を防ぐことは難しいでしょう。なぜなら、薄毛や抜け毛の原因が多岐にわたるためです。
日常の食事の栄養バランスが乱れている場合であれば、ナッツを摂取することで薄毛や抜け毛を予防できることもあるでしょう。しかし、AGA(男性型脱毛症)をはじめとする脱毛症を発症している場合、ナッツを食べても薄毛や抜け毛の改善効果は期待できません。
脱毛症の中でもAGAには進行型という厄介な特徴があります。AGAには遺伝的要因が深く関わっているため、自己判断でナッツを食べて改善しようとしても効果は得られません。AGAの発症が疑われる場合には、すみやかに適切な治療を受けることが重要です。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
ナッツには一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸をはじめ、心身の健康や美容にとって有益な成分が多く含まれています。全身の血行を促進したり、皮脂の分泌量をコントロールしたりする際に、ナッツは強い味方となってくれるでしょう。
しかし、AGAなどの脱毛症を発症した場合には、ナッツの摂取だけでは改善が期待できません。特にAGAは遺伝によるところが大きく、しかも進行性という特徴があるため、適切な治療を怠ると症状が確実に進行します。
急に抜け毛の量が増えた方や、髪の毛全体のボリュームダウンが気になる方は、新宿AGAクリニックまでご相談ください。新宿AGAクリニックでは男性だけでなく、女性の薄毛に関するお悩みも承っています。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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