クレアチンではげるのは嘘?本当?原因と対策を徹底解説!
アスリートや筋トレが趣味の方にはおなじみのクレアチンですが、服用するとはげるといううわさを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筋トレでたくましい見た目を手に入れても、はげてしまっては意味がないと考える方もいることでしょう。こちらの記事では、クレアチンではげるのが本当なのかどうかについて検証するとともに、はげを引き起こす脱毛症について解説します。クレアチンの薄毛リスクについて知りたい方は参考にしてください。
目次
クレアチンではげるのは本当?
クレアチンではげるという話には、現在のところ医学的根拠がありません。しかし、まったく根も葉もないうわさかと言うと、100%あり得ないとは断言できないのが現状です。クレアチンとはげとの関係性については以下2つのことが言われています。
- 過去の実験によりクレアチンを摂取した方の血中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度が増加したデータがある
- クレアチンの摂取により抜け毛や薄毛が起こることについてのエビデンス(医学的根拠)は存在しない
つまり、クレアチンを摂取することで抜け毛や薄毛が起こるという医学的根拠はないものの、クレアチンを摂取することで抜け毛につながる可能性がまったくないとも断言できません。
医学的根拠がないため過度に心配する必要はありませんが、気になる方はクレアチン以外のサプリメントを利用する方法もあります。
そもそもクレアチンとは
クレアチンはもともと肝臓やすい臓、腎臓などで合成されるアミノ酸の一種です。身体の中ではほぼすべてが筋肉(骨格筋)に存在しており、運動パフォーマンスと深く関わっていることがわかっています。
過去にオリンピックの金メダリストがクレアチンのサプリメントを使用していたことから関心が高まり、現在では多くのアスリートや筋トレ愛好家がクレアチンのサプリメントを利用するようになっています。クレアチンの摂取により運動パフォーマンスが向上することについては医学的にも証明されています。
参考:直接的にパフォーマンスを向上させるサプリメントの科学的根拠
DHTの増加が不安視されている
クレアチンではげると言われる理由は2009年の研究を元に、摂取者の血中ジヒドロテストステロン(DHT)濃度が増加したというデータがあることです。
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンの一種であるテストステロンが活性化したもので、アンドロゲン受容体と結合して抜け毛を引き起こすサイトカインを生成することがわかっています。
AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性型脱毛症)も、ジヒドロテストステロンの増加により発症リスクを高めることがわかっています。
参考:クレアチンははげるのか?
2021年以降の確定的な情報はなし
2009年の研究でクレアチンを摂取した男性の56%に血中ジヒドロテストステロン濃度の上昇が見られました。しかし、現時点ではこの情報が最新であり、それ以外の研究データはありません。
そもそも、2009年に行われた実験の主眼はクレアチンの摂取によるホルモン量の変化であり、薄毛との関連性について調べた訳ではありません。
現時点での一連のエビテンスはクレアチン摂取による総テストステロンや遊離テストステロン、ジヒドロテストステロンの増加を示しておらず、抜け毛や脱毛症を引き起こすと結論づけるのは難しいでしょう。
【関連記事】ケトコナゾールとは?効果・効能や副作用を知って正しく治そう
知っておきたいクレアチンの副作用
クレアチンを摂取してもはげることは考えにくいため、過度に心配する必要はありません。しかし、クレアチンには以下4つの副作用の可能性があることを知っておきましょう。
- 腎臓への負担
- 下痢や脱水
- 肌トラブル
- 体重の増加
クレアチンの副作用について解説します。
腎臓への負担
クレアチンの副作用の1つが、腎臓への負担を増すことです。クレアチンが体内で代謝されるとクレアチニンと呼ばれる老廃物が生成されます。クレアチニンは腎臓でろ過されたうえで尿となり体外へ排出されますが、血中クレアチニン濃度が上昇すると腎臓への負担が増すと考えられています。
しかし、クレアチニンの増加は腎臓への負担を増すものの、直接的にダメージが加わる訳ではないと考えられています。ただし、腎機能障害を持っている方などは医師と相談してからクレアチンの利用を検討しましょう。
下痢や脱水
クレアチンを過剰に摂取した場合、下痢や脱水を引き起こす可能性があるため注意が必要です。クレアチンの過剰摂取による下痢が起こる理由は、腸内の浸透圧が上昇するためです。
研究でもクレアチンの過剰摂取により下痢のリスクを増加させることがわかっています。しかし、用法・用量を守ってクレアチンを摂取すれば、下痢や脱水のリスクはそれほど高くないと考えられています。クレアチンに限らず、サプリメントの過剰摂取は控えましょう。
肌トラブル
クレアチンの副作用として肌トラブルをあげるケースがありますが、薄毛と同様に医学的根拠はありません。クレアチンで肌トラブルが起こる理由として、摂取により血中ジヒドロテストステロン濃度を増加させることがあげられます。
ジヒドロテストステロンは男児の生殖器を成長させるために必要なホルモンですが、思春期以降は皮脂の量を増加させニキビができるリスクを高めます。しかし、先述のように現時点での一連のエビテンスはクレアチン摂取によるジヒドロテストステロンの増加を示していません。
体重の増加
クレアチンの副作用として体重の増加があげられています。実際にクレアチンを摂取した方の中には、短期的に体重の増加が見られたケースもあります。
体重が増加する原因はクレアチンの摂取により細胞内容積が増大し、水分の貯留量が増加するためと考えられています。しかし、長期的に見ると全身の水分量には変化が見られません。クレアチンの摂取により体重が増加する場合は、摂取量が適切かどうかを見直しましょう。
参考:クレアチンサプリに関する一般的な質問と誤解 国際スポーツ栄養学会がQ&Aを発表
クレアチン以外のはげる原因
クレアチンだけでなく筋トレを行うことや、プロテインなどがはげの原因になると言われることがあります。クレアチン以外のはげる原因として以下3つの説が多く見られますが、いずれも医学的根拠はありません。
- プロテインによるテストステロンの上昇
- BCAAの摂取
- 筋トレによるホルモンの上昇
クレアチン以外のはげる原因の真偽について解説します。
プロテインによるテストステロンの上昇
クレアチン以外のはげる原因としてよく見られるのが、プロテインの摂取により血中テストステロン値が上昇するという説です。プロテインはタンパク質のことで、筋トレの後に摂取すると効率よく筋肥大を起こすことが期待されています。
筋トレの後にプロテインを摂取すると確かに血中テストステロンは上昇します。しかし、抜け毛のリスクを増加させるのはジヒドロテストステロンであり、テストステロンではありません。そのため、プロテインの摂取により血中テストステロン値が上昇してもはげることはありません。
BCAAの摂取
BCAAの摂取もはげる原因としてあげられることがあります。BCAAは英語の「Branch-Chain-Amino-Acid」の略で、分岐鎖アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンを指します。
バリンやロイシン、イソロイシンは体内で合成できないため、日常の食事やサプリメントから摂取することが欠かせません。BCAAの主なはたらきは筋肉を合成することなので、クレアチンと同様に薄毛の原因になることは考えにくいでしょう。
筋トレによるホルモンの上昇
クレアチン以外のはげる原因として、筋トレによるホルモンの上昇があげられることもあります。確かに無酸素運動の一種である筋トレを行うと成長ホルモンの分泌量が増加し、筋肉量を増やしやすくなることがわかっています。
しかし、先述の通りAGAやFAGAによる抜け毛のリスクを増加させるのはジヒドロテストステロンであり、成長ホルモンではありません。むしろ、髪の毛や頭皮の健康状態を維持するためには、筋トレで成長ホルモンの分泌を促した方がよいとさえ言えるでしょう。
基本的にはげる原因はAGA(FAGA)やその他脱毛症
はげる原因は基本的にAGAやFAGA、もしくはその他の脱毛症を発症するためです。クレアチンに限らず、特定のサプリメントや食品だけが原因ではげることは考えにくいでしょう。抜け毛や薄毛が見られる場合、以下の脱毛症に当てはまることが多いと考えられます。
- AGA(男性型脱毛症)
- FAGA(女性型脱毛症)
- その他の脱毛症
はげの原因となる脱毛症について解説します。
AGA(男性型脱毛症)
男性のはげの原因となる代表的な脱毛症がAGAです。AGAは英語の「Androgenetic Alopecia」を略したもので、直訳すると男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)に起因する遺伝性の脱毛症です。
日本皮膚科学会のガイドラインによると、AGAは思春期以降に発症して徐々に進行する脱毛症と定義されています。放置するとゆっくりとですが確実に薄毛が進行するため、発症が疑われる場合には速やかに適切な対処を講じることが重要です。
FAGA(びまん性脱毛症)
FAGAは女性に多く見られる脱毛症の1つです。びまん性脱毛症や壮年性脱毛症と呼ばれることもあり、30代の半ば以降に髪の毛全体のボリュームダウンが見られやすくなります。
男性のように頭頂部の地肌がハッキリと見えるようなことはなく、髪の毛が細くなったり地肌が髪の毛を通して透けて見えたりすることが特徴です。
FAGAの原因としてはホルモンバランスの変化や誤ったヘアケア、ストレスの蓄積、過度のダイエットにともなう栄養不足、睡眠不足などさまざまな例があげられています。
その他の脱毛症
はげの原因となるその他の脱毛症は以下のとおりです。
- 粃糠性(ひこうせい)脱毛症
- 牽引性(けんいんせい)脱毛症
- 円形脱毛症
- 脂漏性脱毛症
- 梅毒性脱毛症
粃糠性脱毛症は小さく細かいフケが毛穴に詰まって炎症を起こす点が特徴です。牽引性脱毛症はポニーテールなどの髪形により発症リスクを高めます。
円形脱毛症や脂漏性脱毛症、梅毒性脱毛症に関してはセルフケアでの改善が難しいため、医療機関で適切な治療を受けることが重要です。
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はげが気になったら治療を受けることが大切
抜け毛や薄毛を引き起こす原因は実にさまざまなため、はげが気になったら治療を受けることが大切です。仮に梅毒など何らかの病気によって薄毛が起こっている場合、原疾患の治療を怠ると最悪の場合は命に関わります。
AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性型脱毛症)、粃糠性脱毛症、牽引性脱毛症などに関しては、早期発見・早期治療によって改善が期待できます。代表的な薄毛の治療薬は以下のとおりです。
治療薬 | 期待できる効果 |
プロペシア(フィナステリド内服薬) | 抜け毛を予防する |
ザガーロ(デュタステリド内服薬) | 抜け毛を強く予防する |
ミノキシジル外用薬 | 発毛を促進する |
ミノキシジルタブレット(内服薬) | 発毛を強く促進する |
薄毛治療に関してはクリニックごとに料金が異なるため、事前にホームページなどで確認しておくことがおすすめです。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
AGA治療に関して疑問やご相談がある方は、新宿AGAクリニックまでお問い合わせください。抜け毛や薄毛の原因は実にさまざまなため自分に必要な対処が欠かせません。
新宿AGAクリニックでは男性の薄毛だけでなく、女性の薄毛や円形脱毛症も専門的に扱っており、治療法の組み合わせは600パターンにもおよびます。
基本的に薄毛は早期発見・早期治療により改善率の上昇が期待できます。カウンセリングは無料で受けられるため、薄毛に関するご相談なら新宿AGAクリニックまで早めにご連絡ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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