ドライヤーをしないとはげる?自然乾燥の方がサラサラになる?そのデメリットとは
シャンプーの後にドライヤーを使わない方のなかには、自然乾燥させた方が髪の毛がサラサラになると考える方もいるかもしれません。
しかし実際には、ドライヤーを使わずに自然乾燥させると髪の毛がパサパサになりやすいうえ、嫌な臭いや抜け毛の原因にもなりかねないため注意が必要です。
こちらの記事では、シャンプーの後に自然乾燥させるリスクや、正しいドライヤーの使い方について解説しています。髪の毛が長い女性はもちろん、短髪の男性も参考にしてください。
目次
ドライヤーを使わず自然乾燥させるとはげるは嘘?
抜け毛や薄毛が気になりはじめた方のなかには、インターネット上のさまざまな情報を見て不安や心配が増した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ドライヤーを使わずに自然乾燥させたからといって必ずはげる訳ではありませんが、以下の4つの理由から抜け毛のリスクを高める可能性はあると考えられます。
- 頭皮が乾燥する
- 常在菌が繁殖する
- 頭皮の温度が低下する
- 髪のダメージにつながる
ここでは、ドライヤーを使わない場合に、抜け毛のリスクを高める4つの要因について解説します。
頭皮が乾燥する
シャンプーの後にドライヤーを使わないで自然乾燥させると、適度な水分を角層内に保持することができなくなり、ドライヤーを使った場合よりもかえって乾燥を引き起こす可能性が高くなります。
頭皮が乾燥するとターンオーバーの周期に悪影響をおよぼすため、フケの量が増えたり、髪の毛の成長を妨げたりする可能性があります。
常在菌が繁殖する
ドライヤーを使わずに自然乾燥させていると、頭皮の常在菌が異常繁殖を起こす可能性もあります。頭皮にはもともとマラセチアと呼ばれる真菌の一種が存在していますが、マラセチアには湿度や皮脂が多い箇所を好む性質があるためです。
マラセチアは皮脂をエサとして増殖し、異常繁殖した場合には脂漏性(しろうせい)皮膚炎の原因菌となることでも知られています。
脂漏性皮膚炎は、その他の炎症性の皮膚疾患とは異なりかゆみがないか、あっても軽微である点が特徴であり、発症に気づくのが遅れると慢性的な経過をたどるため注意が必要です。
また、脂漏性皮膚炎にともなって脂漏性脱毛症を発症した場合、抜け毛のリスクも増加します。脂漏性脱毛症は、男性に見られるAGA(男性型脱毛症)とも深く関わっていると考えられています。
頭皮の温度が低下する
シャンプーの後に自然乾燥させていると、蒸発にともない気化熱で頭皮表面の熱が奪われ、頭皮の温度低下を招く可能性があります。
頭皮には毛細血管が多く分布しているため血行不良を起こしやすい箇所の1つですが、頭皮の表面温度が低下すると、さらに血行不良を起こしやすくなるため注意が必要です。
頭皮に送られる血液量が減少すると、髪の毛を成長させるためのエネルギーが不足するため、抜け毛や薄毛のリスクを高める可能性があります。
髪のダメージにつながる
髪の毛の外側はキューティクルで覆われていますが、自然乾燥させていると髪の毛がぬれた状態が続くため、開いたキューティクルから水分やタンパク質が流出するためです。
キューティクルが開いた状態の髪の毛は無防備なので、ちょっとした力によって切れ毛を引き起こすリスクも生じます。
ドライヤーを使わない男性は一定数いる
女性の方は洗髪後にドライヤーを使って髪の毛や頭皮を乾かす方が多い傾向にありますが、男性の場合はドライヤーを使わずに自然乾燥させる方が一定数はいらっしゃるようです。
特に髪の毛の短い男性の場合は、タオルドライである程度頭皮や髪の毛が乾いてしまうため、そのまま放置してしまう傾向があります。
しかし、髪の毛が短い男性であってもドライヤーで頭皮を適度に乾かしておかないと、雑菌が繁殖して嫌な臭いを発したり、抜け毛のリスクを高めたりする可能性があるため注意が必要です。
また、ドライヤーで適度に頭皮を乾燥させないと、水分が蒸発した際にかえって頭皮が乾燥し、ターンオーバーの周期に悪影響をおよぼす可能性があります。
髪を自然乾燥させるメリット・デメリット
自然乾燥のメリット
髪の毛を自然乾燥させるメリットとしては、ドライヤーの手間を省けることが挙げられます。シャンプーの後にドライヤーをかけると、その都度5〜10分程度の時間が取られるため、仕事が忙しい方の場合は時間がもったいなく感じるかもしれません。
ドライヤーをかけない場合は髪の毛を自然乾燥させている間に、テレビを見たり本を読んだり好きなことに時間が使えます。
また、ヘタにドライヤーをかけるよりは熱によるダメージから髪の毛を守る効果も期待できます。しかし、先述したようにドライヤーをかけないと髪の毛や頭皮への負担がかえって増加するため、あえて自然乾燥させるメリットはほとんどないと言えるでしょう。
自然乾燥のデメリット
冒頭でもお話したように、シャンプーの後にドライヤーをかけずに自然乾燥させると髪の毛や頭皮にダメージが加わり、抜け毛のリスクを増加させます。 また、自然乾燥させると髪の毛がサラサラになると勘違いしている方もいますが、ドライヤーをかけた方が髪の毛をサラサラにできます。
自然乾燥の方が髪がサラサラにならない
シャンプーの後にドライヤーをかけないと、髪の毛がサラサラになるどころか、かえって傷みやすいことを知っておきましょう。
髪の毛の表面はキューティクルで覆われていますが、濡れた状態が続くと摩擦などのダメージによって剥がれやすくなります。
キューティクルが剥がれると髪の毛の内部に蓄えられている水分やたんぱく質が流れ出すため、髪の毛がかえってゴワゴワになってしまいます。
髪の毛は外側からキューティクル、コルテックス、メデュラの3層構造となっていますが、キューティクルの表面は18-メチルエイコサン酸(MEA)で覆われています。
メチルエイコサン酸には髪の毛が擦れあうことによって生じる摩擦を軽減し、髪の毛をサラサラに保ってまとまりやすくする作用があります。
しかし、髪の毛がぬれた状態が続くとキューティクルが剥がれ、髪の毛の内部から水分やタンパク質が流出するだけでなく、髪の毛同士も摩擦で傷ついてしまうため、サラサラになるどころかかえって傷む結果となるのです。
寝癖がつきやすくなる
シャンプーの後に自然乾燥させていると、寝癖がつきやすくなる点もデメリットの1つです。髪形や髪の毛の流れは、髪の毛が乾く際に起こる水素結合によって方向性が決められます。
しかし、髪の毛がぬれたままで寝てしまうと、髪の毛の流れが不規則な状態で水素結合が起こるため、翌朝に寝癖がつきやすくなります。
自然乾燥をするとはげるは嘘?
髪の毛を自然乾燥させたからと言って、必ずしもはげるとは限りません。しかし、冒頭でもお話したように頭皮がぬれている時間が長いと、雑菌が繁殖して炎症を起こすなど頭皮環境を悪化させる可能性があります。
抜け毛や薄毛の原因はさまざまですが、どのような脱毛症に対しても頭皮環境の悪化は大きな影響をおよぼします。毎日シャンプーをしているのに頭皮の赤みやかゆみが出る方は、頭皮環境の悪化を引き起こしている可能性があるため注意が必要です。
はげはドライヤーで治る?正しいドライヤーの仕方
ドライヤーをかけることではげが治る訳ではありませんが、以下の手順で正しくドライヤーをかけると、頭皮環境の悪化にともなう抜け毛を予防する効果が期待できます。
- タオルドライをしっかりする
- ヘアオイルなどの保湿ケアをする
- 頭皮から20~30㎝離れた位置で乾かす
- 温風と冷風を使い分ける
ここでは、ドライヤーをかける際の4つのポイントについて解説します。
タオルドライをしっかりする
タオルドライとは、洗髪後にぬれた髪の毛の水分を乾いたタオルでふき取り、半乾きの状態にするドライヤー前の工程です。
ドライヤーの前にタオルドライをしっかりと行うことで、ドライヤーを掛ける時間が短くなり、熱によるダメージを軽減できる点がメリットの1つです。
タオルドライを行う際には清潔で乾いたタオルに水分を吸着させるイメージで、優しくふき取るようにしましょう。乱暴にゴシゴシ擦ると摩擦によるダメージで髪の毛を傷めてしまうため注意が必要です。
ヘアオイルなどの保湿ケアをする
ドライヤーの前にヘアオイルで保湿すると髪の毛の乾燥を予防できるだけでなく、しっとりと滑らかに整えることが可能です。
ヘアオイルによって髪の毛の表面がコーティングされると、摩擦によるダメージを軽減したり、静電気を予防したりする効果も期待できます。
シャンプーの後にタオルドライを済ませたら、適量のヘアオイルを手のひらでなじませ、髪の毛の真ん中あたりを優しくつかみ、先端に向かって浸透させるイメージでコーティングしましょう。髪の毛が半分乾いた状態でヘアオイルをつけ、髪の毛全体になじませる点がポイントです。
頭皮から20~30cm離れて位置で乾かす
ドライヤーの吹き出し口からは100℃を超える熱風が出てくるため、頭皮に近すぎる箇所でドライヤーをかけると、髪の毛や頭皮が熱によるダメージを受けるため注意が必要です。
ドライヤーをかける際には頭皮から20~30cmほど離し、同じ箇所に継続して熱風を当てないよう意識しましょう。髪の毛が長い方は根元から乾かし始め、真ん中から毛先にかけて仕上げていくと良いでしょう。根元の乾かし残しがあると雑菌の繁殖を招く可能性があるため注意が必要です。
温風と冷風を使い分ける
ドライヤーをかける際には、温風と冷風を使い分けることもポイントの1つです。温風だけで髪の毛を乾かそうとすると、熱によるダメージで髪の毛が痛みやすくなります。
夏場などは温風を当て過ぎると汗をかき、かえってドライヤーをかける時間が長くなる点もデメリットの1つです。基本的に温風で8割程度髪の毛が乾いたら、冷風に切り替えて仕上げるようにしましょう。
はげないようにプラスで頭皮ケアをすることも大事
はげを改善・予防するためにはドライヤーを正しくかけるだけでなく、以下のような頭皮ケアをプラスすることも重要です。
- ブラッシング
- 保湿
- 育毛剤
- AGA治療
シャンプーをする前には、ブラッシングを欠かさないことがポイントです。ブラッシングを行うことでシャンプーの際に髪の毛が絡みにくくなり、摩擦によるダメージを避けることが可能です。
シャンプーを終えたらヘアオイルで髪の毛を保湿するだけでなく、専用の保湿剤で頭皮もしっかりと保湿しましょう。抜け毛予防や頭皮環境の改善には、育毛剤を利用することも効果的です。
ただし、育毛剤には発毛効果が期待できないため、はげが気になる方や抜け毛の量が明らかに増えている方は、クリニックでAGA治療を行うことが重要です。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
シャンプーの後に自然乾燥させていると、髪の毛がダメージを受けやすいうえ、雑菌の繁殖を招き抜け毛や薄毛につながる可能性があります。
洗髪後は正しい方法でドライヤーをかけ、保湿をおこなった上で育毛剤を利用すると、抜け毛を予防する効果が期待できます。
セルフケアでは抜け毛が改善しない場合、新宿AGAクリニックまでご相談ください。新宿AGAクリニックでは男性だけでなく、女性の薄毛や円形脱毛症の治療も専門的に行っています。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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