HARG療法とは?メリット・デメリットを知って自分に合うか検討を
脱毛症にはさまざまな種類があり、治療法も多岐に渡っています。近年になって注目されている薄毛治療法の1つがHARG(ハーグ)療法です。HARG療法は男性だけでなく、女性でも受けられる毛髪再生治療の一種です。
現在のところ研究や調査が十分に行われているとは言えませんが、今後が期待される治療法の1つとして位置づけられています。こちらの記事では、HARG療法の特徴やメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。これから薄毛治療を始めようと考えている方は、参考にしてみてください。
目次
HARG療法とは
HARG療法は毛髪再生医療と称される薄毛治療法の1つです。従来の薬物療法とは異なるアプローチで、髪の毛の成長を促す点が注目されています。HARG療法には主に次のような特徴があります。
- AGA治療の1つ
- AGA以外の脱毛症にも適応
- 自由診療
- 治療にかかる期間は半年~9ヶ月
HARG療法の特徴について詳しく解説します。
AGA治療の1つ
HARG療法は、AGAの治療法の1つです。AGAは男性に見られる特徴的な脱毛症で、日本では男性型脱毛症と呼ばれています。
日本皮膚科学会が策定する男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインによると、AGAは思春期以降に発症し、徐々に進行する点が特徴です。
そのため、いったんAGAの発症が確認された場合には、適切な治療を続ける必要があります。投薬治療のように重大な副作用を引き起こすリスクは少ないとされます。
AGA以外の脱毛症にも適応される
HARG療法の特徴の1つが、AGA以外の脱毛症にも適応されることです。AGAの治療法としてよく知られている方法が、フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬などの治療薬を服用することです。
フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬には、AGAの原因となるジヒドロテストステロンの生成を抑止する作用がありますが、AGA以外の脱毛症については効果が期待できません。
一方、HARG療法は毛髪の再生を目的とした治療法であるため、AGA以外にもFAGA(女性型脱毛症)や円形脱毛症、脂漏性脱毛症、牽引性脱毛症、びまん性脱毛症などさまざまな疾患を対象としています。
自由診療
HARG療法は自由診療のため、原則として保険が適用されることはありません。HARG療法に限った話ではありませんが、薄毛の治療の多くは審美目的で行われるため、美容整形などと同様に保険適用の対象とはならないのです。
当然ながら、医療費控除の対象となる治療行為にもあたりません。基本的に健康保険が対象としているのは、日常生活に支障を来すような病気やケガのみです。
治療にかかる期間は半年〜9ヶ月
HARG療法は独自に開発されたHARGカクテルを、頭皮下へ直接的に注入する治療法です。1ヶ月に1回の治療を1クールとし、通常は6クールから9クールの治療が行われます。つまり、治療にかかる期間は半年から9ヶ月という訳です。
HARG療法に限った話ではありませんが、何らかの薄毛治療を行ったからといって、すぐに髪の毛が生えてくることはありません。HARG療法は休止期状態の毛根の活性化が目的であるため、発毛が見られるまでに一定の期間が必要となるのです。
【関連記事】M字はげの原因や見極め方をチェック!M字はげが気にならない髪型も
HARG治療のメリット
HARG療法は従来の薬物療法とは異なり、頭皮下に直接グロースファクター(髪の毛の成長因子)を注入する点が特徴で、主に以下の4つのメリットがあります。
- 根本的な再生治療のため発毛率が高い
- 3ヶ月ほどで効果が現れる
- 女性のFAGAにも適用できる
- 外科治療ではないため傷跡は残らない
HARG治療の4つのメリットについて解説します。
根本的な再生治療のため発毛率が高い
HARG療法のメリットの1つが、根本的な再生治療のため発毛率が高い点です。HARG療法を行った場合、休止期状態の毛根が活性化するため、薄毛を根本的に改善することが期待できます。
成長期 | 毛母細胞の分裂が活発化し、髪の毛が太く長く成長する時期 |
退行期 | 毛母細胞の分裂が鈍くなり、髪の毛の成長が衰える時期 |
休止期 | 毛母細胞の分裂が完全に停止し、髪の毛が抜け落ちるのを待つ時期 |
休止期状態が長く続くと、髪の毛の成長期が訪れなくなるため、薄毛部分が目立つようになります。HARG療法により休止期状態の毛根が活性化させることで、ヘアサイクルを再び成長期へと導くことが期待できます。
3ヶ月ほどで効果が現れる
HARG療法のメリットとしては、3ヶ月ほどで効果が現れ始めることも挙げられます。クリニックでHARG療法を行った場合、平均すると3ヶ月程度で発毛が見られるため、半年から1年ほどかかる内服薬などの治療法に比べると、効果を実感できるまでの期間が圧倒的に短いと言えるでしょう。
また、HARG療法によって薄毛状態が回復した場合、メンテナンス的に1年に1度の治療を受けると、発毛効果を持続させることが可能とされています。その点でも、毎月の服用が必要な投薬治療とは異なります。
女性のFAGAにも適用できる
HARG療法のメリットとしては、女性のFAGA(女性型脱毛症)にも適用できる点が挙げられます。基本的にAGA治療に用いられる内服薬のフィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬は、女性の服用が禁忌とされています。
そのため、女性の薄毛を改善するためには、ミノキシジルを外用するくらいしか方法がありませんでした。新たに開発されたHARG療法は女性でも受けることができるため、FAGAや女性に多い牽引性脱毛症などの改善も期待できます。
外科治療ではないため傷跡は残らない
頭皮に傷跡が残らない点も、HARG療法のメリットの1つです。HARG療法は自毛植毛などとは異なり、外科治療ではありません。極めて細い針や炭酸ガスの噴射を利用して頭皮下にHARGカクテルを注入するため、植毛手術のような傷跡は残りません。
HARGカクテルを注入する方法としては、パピュール法とナパージュ法がよく知られています。パピュール法は表皮と真皮の間にHARGカクテルを注入する方法です。ナパージュ法は皮下組織にまで有効成分を浸透させる点が特徴です。
【関連記事】はげる人の6つの特徴とその前兆を紹介!対策についても解説します
HARG治療のデメリット・危険性は?
HARG治療にはこれといったリスクがないのですが、あえてデメリットや危険性を指摘するとすれば以下の3点が挙げられます。
- 施術中や終了後に治療箇所が痛む可能性あり
- 治療費が高額
- 毛母細胞がなければ効果なし
HARG治療のデメリットや危険性について解説します。
施術中や終了後に治療箇所が痛む可能性がある
HARG療法のデメリットとしては施術中や終了後に、治療箇所の痛みを生じる可能性が挙げられます。特にパピュール法やナパージュ法は注射針を使って頭皮下にHARGカクテルを注入するため、治療中に強い痛みを伴う可能性があります。
ただ、施術中や終了後の痛みを緩和するために、痛み止めを使用するクリニックもあります。また、炭酸ガスの噴射による圧力でHARGカクテルを注入する方法であれば、ほとんど痛みを感じることがありません。
治療費が高額
HARG療法のデメリットの1つが、治療費が高額になる傾向にある点です。HARG療法の費用は薄毛の範囲によっても異なりますが、頭皮全体にHARGカクテルを注入する場合は、平均すると1クールにつき150,000円程度を要します。
通常は6クールから9クールの治療を続けるため、1年にかかる費用は平均すると900,000円から1,350,000円で
す。投薬治療が1ケ月あたり3,000円から8,000円程度であることを鑑みた場合、HARG療法の治療費は高額と言えるでしょう。
また、一部のクリニックではHARG療法を行えばAGA治療薬を服用しなくても良いと説明するクリニックもあるようですが、それは全くの間違いです、AGAの体質が変わることはないですので、内服薬は必須です。
毛母細胞がなければ効果なし
HARG療法は毛母細胞がなければ効果が期待できません。HARG療法は独自に開発されたHARGカクテルによって、毛母細胞へと働きかける治療法です。そのため、そもそも毛母細胞が存在しない場合には、発毛効果は得られません。
しかし、毛母細胞が無ければ効果を得られない点では、投薬治療でもその他の治療法でも共通しています。毛母細胞がない場合には、自毛植毛で他の場所から毛母細胞ごと毛穴を移植するしかありません。
薄毛治療を希望するなら新宿AGAクリニックへ
薄毛治療を希望される方は、新宿AGAクリニックまでご相談ください。HARG療法は新しい薄毛治療法ではありますが、まだ十分な研究や調査が行われていないため、男性型および女性型診療ガイドラインでは推奨度C2の行わない方がよい治療法に分類されています。
現在のところ推奨度Aの治療法は、フィナステリド内服薬とデュタステリド内服薬、およびミノキシジル外用薬しかありません。HARG療法は高額になる傾向がデメリットですが、薬物療法であれば1年あたり5、6万円から始められます。
薄毛の原因は人によりさまざまなため、まずは専門医の診察を受けることが重要です。新宿AGAクリニックでは無料カウンセリングも行っているので、抜け毛や薄毛が気になる方は専門のカウンセラーまでお気軽にご相談ください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
«前へ「頭皮マッサージを続けた結果、効果はあった?しない方がいいと言われる理由も解説」 | 「ケトコナゾールとは?効果・効能や副作用を知って正しく治そう」次へ»