M字はげはもう手遅れ?そうなる前に原因や治し方への理解を深める
額の生え際が両サイドから後退する薄毛をM字はげと呼ぶことがあります。M字はげは男性に見られる代表的な脱毛症であるAGAの症状としても知られており、発症してしまったら手遅れと考える方も多くいらっしゃるようです。
こちらの記事では、M字はげかどうかを自分で判断する際の基準や額の両サイドが後退する原因、発症すると手遅れと言われている理由について解説します。記事の後半ではM字はげを治す方法も紹介しているため、手遅れと諦めずに最後まで記事をご覧ください。
目次
M字はげはもう手遅れと言われている理由
M字はげを発症するともう手遅れと言われる主な理由は以下の2つです。
- 生活習慣の改善では治らない
- 遺伝やAGAの場合はクリニックでの治療や指導が必要になる
ここでは、M字はげが治らないと言われる2つの理由について詳しく解説します。
生活習慣の改善では治らない
M字はげを引き起こす原因は実にさまざまですが、生活習慣を見直しても改善しなかったという話がよく聞かれます。
しかし、仮に乱れた食習慣や誤ったヘアケアなどが原因でM字はげを引き起こしているのであれば、生活習慣を見直すことで改善を期待できるはずです。 それにもかかわらずM字はげが治らないといわれるのは、ヘアサイクルが元通りになるまで時間が掛かるためです。
遺伝やAGAの場合はクリニックでの治療や指導が必要になる
男性に見られる代表的な薄毛がAGA(男性型脱毛症)です。AGAには遺伝的な要因が深く関わっていると考えられており、生活習慣の見直しだけでは改善を期待できません。
ただし、AGAの早期に適切な治療を受けることで、薄毛の進行を遅らせたり、年齢相応の髪の毛の量を取り戻したりする効果は期待できます。
一番やってはいけないことは、自分の判断でM字はげを放置したり、医学的根拠をともなわない方法で改善を図ることです。 AGAは病院やクリニックで治療できる時代となっているため、M字はげが気になる方はまず専門医に相談することが重要です。
これは勘違い?自分がM字はげか判断するための基準
AGAを発症した場合、頭頂部を中心として抜け毛が起こったり、額の両サイドが後退したりする点が特徴です。その見た目からO字はげやM字はげと呼ばれていますが、実はM字はげに明確な判断基準はありません。
ただ、一般的には次のような状態に当てはまる場合、M字はげを発症している可能性が考えられています。
- お風呂の排水溝に詰まる抜け毛の量が増えてきた
- 髪の毛をかき上げたときに生え際がアルファベットの「M」の形になっている
- 生え際に細くて弱々しい産毛が目立つようになってきた
- 髪の毛全体のボリュームが少なくなってきた
一般的に、両耳の一番高い部分と頭頂部を結んだ線から、額の生え際が2センチメートル以内になっている場合、M字はげを発症していると考えられています。
ただ、もともと額が広い方もいれば富士額の方もいるため、上記の判断基準はあくまでも目安として考えてください。
男性がM字はげになる4つの原因
男性がM字はげになる原因としては、主に以下の4つがあげられます。
- AGAの発症
- 牽引性脱毛症
- 生まれつき・遺伝
- ホルモンバランスの乱れ
ここでは、男性がM字はげになる4つの原因について詳しく解説します。
AGAの発症
冒頭でもお話したように、男性に見られる代表的な脱毛症がAGAです。AGAは体内の構想の一種である「5α-リダクターゼ」の働きによってテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)へと変化し、抜け毛を引き起こす点が特徴です。
5α-リダクターゼは主に前頭部や頭頂部の毛包に多く分布しているため、AGAが発症してしまうと、M字はげやO字はげといった特徴的な薄毛を引き起こします。 日本皮膚科学会が策定する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、AGAを思春期以降に発症する進行型の脱毛症と定義しています。
牽引性脱毛症
男性がM字はげになる原因はAGAだけではありません。髪の毛が長い男性が、後ろで髪の毛を結ぶなどした場合、生え際が引っ張られて牽引(けんいん)性脱毛症を引き起こすリスクが増加します。
「牽引性」という文字から髪の毛が引っ張られて抜けるイメージを持つ方も多いのですが、実際には牽引された箇所に血行不良が起こり、髪の毛の成長を阻害することで抜け毛を引き起こします。
牽引性脱毛症は主にヘアスタイルが原因となって起こるため、髪形を変えることで対処可能です。しかし、牽引力がかかり続けて毛包にまでダメージが及ぶと、二度と髪の毛が生えて来なくなるため注意が必要です。
生まれつき・遺伝
M字はげの原因としては、生まれつきや遺伝もあげられます。両親が富士額の場合、生まれてきた子どもも額の生え際が「M」の形になる傾向があります。しかし、富士額は厳密には生え際の形を表す言葉であり、M字はげとは少し異なっているといえるでしょう。
また、遺伝的要因によりM字はげを発症するケースがあります。先ほどご紹介したAGAには、遺伝的要因が深く関わっていると考えられています。
両親から5α-リダクターゼが活発にはたらく遺伝子や、男性ホルモン受容器の感受性が高い遺伝子を受け継いだ場合、AGAを発症するリスクが高くなると考えられています。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れも、M字はげのリスクを高めると考えられています。先ほどもお話したように、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が体内で生成されると、男性ホルモン受容器と結合して抜け毛を引き起こすリスクが増加します。
ただ、ホルモンバランスの乱れにともなう抜け毛は頭部全体に見られる点が特徴です。ただし、AGAとホルモンバランスの乱れによる抜け毛を併発する例も多いため注意が必要です。
「M字はげの進行速度が速い」は嘘
M字はげは進行速度が速いといわれることもありますが、その点に関しては医学的根拠がありません。むしろ、先に紹介した男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインでは、AGAについて思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症と明記されています。
M字はげをはじめとするAGAの進行速度は人それぞれです。基本的にはゆっくりと進行するAGAですが、生活習慣の乱れなどその他の要因が加わると、抜け毛を早める可能性があります。
手遅れになる前にM字はげを治す方法
M字はげはAGAの特徴的な症状であり、発症するとゆっくりとですが確実に進行します。つまり、AGAが原因のM字はげに関しては、自然に治る可能性はないわけです。そのため、なるべく早めにAGA治療専門のクリニックに相談することが重要です。
AGAクリニックで診察を受ける
M字はげの発症が疑われる方や、抜け毛量の増加が気になる方は、なるべく早めにAGA治療専門のクリニックで診察を受けましょう。
AGAの治療自体は皮膚科でも受けられるのですが、皮膚科では投薬治療しか受けられないうえ、一般の方と同じように診察を待つ必要があるため、人の目が気になる可能性があります。
AGA治療専門のクリニックでは、投薬治療だけでなく以下に紹介するさまざまな治療が受けられます。また、AGAクリニックは完全予約制で個室対応の治療院も多いため、誰にも知られずにAGA治療を受けられる点がメリットの1つです。
内服薬・外用薬で治療する
M字はげを始めとするAGAの発症が疑われる場合、まずは投薬治療で改善を図ることが一般的です。代表的な治療薬としては以下の4つがあげられます。
治療薬名 | 有効成分 | 期待できる効果 |
プロペシア | フィナステリド | 抜け毛を予防する |
ザガーロ | デュタステリド | 抜け毛を強く予防する |
ミノキシジル外用薬 | ミノキシジル | 血行を促進する |
ミノキシジル内服薬 | ミノキシジル | 発毛を強く促進する |
プロペシアの有効成分であるフィナステリドや、ザガーロの有効成分であるデュタステリドは、AGAの原因となる5α-リダクターゼの働きを阻害し、抜け毛を引き起こす有害なサイトカインの生成を抑制する効果が期待されています。
ミノキシジルには血管を拡張して血液の循環を促進したり、毛母細胞の死滅を抑止したりする作用があるため、積極的な発毛を期待する際に利用されています。
厚生労働省によって認可されているのは、塗り薬タイプのミノキシジル(ミノキシジル外用薬)のみですが、AGAクリニックでは副作用に注意しながら、高い発毛効果を期待できるミノキシジル内服薬を使用するところも少なくありません。
注入治療を受ける
M字はげを治す方法としては、注入治療を受ける方法もあります。注入治療はメソセラピーとも呼ばれており、髪の毛の成長に必要な因子(グロースファクター)を頭皮の下に注入する点が特徴です。
一般的に投薬治療による発毛は治療開始からおよそ6ヶ月が必要とされますが、注入療法の場合は早期に発毛効果を実感できる点がメリットとなっています。
再生医療を受ける
近年になり注目されているM字はげの治療法の1つが再生医療です。再生医療はPRP(多血小板血漿)を利用する治療法で、自分の身体から抽出した物質を利用するため、副作用のリスクが低いといったメリットがあります。
再生医療を行う際にはまず血液を採取し、特殊な方法で抽出したPRPを頭皮下に注入します。メソセラピーも再生医療も単独ではなく、投薬治療後並行しておこなうことが一般的です。
AGA治療に関するご相談なら新宿AGAクリニックへ
M字はげの原因としては遺伝や普段の髪形、ホルモンバランスの乱れなどさまざまな例があげられますが、仮にAGAの発症にともない額の両サイドが後退しているようであれば、生活習慣の見直しでの改善は困難です。
AGAは徐々に進行する脱毛症ですが、早期に適切な処置を受けることで、進行を遅らせたり年齢相応の毛量を取り戻したりする効果が期待できます。
新宿AGAクリニックでは600パターンにおよぶ治療法から、一人ひとりの最適な方法を提案しています。カウンセリングは無料で受けられるので、治療に関する疑問や費用に関する相談などお気軽にお問い合わせください。
【 経歴 】
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長、多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
【 資格 】
日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、麻酔科標傍医、日本レーザー医学会認定医
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